野菜振興部
10月の輸入量は、国産野菜の順調な供給量を背景にほとんどの類別で減少したことから、全体では10%の減少となった。
令和元年10月の野菜輸入量は、22万256トン(前年同月比2万3297トン減、10%減)となった。その他以外の品目がすべて前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は同10%減と前年をかなりの程度下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、キャベツ、かぼちゃ、トマトなどが前年を上回ったものの、にんじん、ごぼうなどが前年を大きく下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比13%減と前年をかなり大きく下回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはキャベツで、2937トン(同683トン増、30%増)で、国別の内訳は、第1位が中国の2867トン、第2位が韓国の58トン、第3位が米国の11トンであった。国産の入荷量が前年をやや下回ったことから、本年は、前年を大幅に上回る輸入量となった。
キャベツに次いで増加率が高かったのはかぼちゃで、2269トン(同267トン増、13%増)で、国別の内訳は、第1位がニューカレドニアの1553トン、第2位がメキシコの691トン、第3位が豪州の22トンであった。前年の輸入量が減少したことから、前年をかなり大きく上回る輸入量となった。
かぼちゃに次いで増加率が高かったのはトマトで、1134トン(同10トン増、1%増)で、国別の内訳は、第1位が韓国の442トン、第2位がニュージーランドの182トン、第3位がオランダの160トンであった。国産価格が前年を下回ったものの、平年を大幅に上回ったことから、前年をわずかに上回る輸入量となった。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはにんじんで、7518トン(同2247トン減、23%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の7268トン、第2位が豪州の243トン、第3位が米国の7トンであった。前月同様、国産価格が安価で推移したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
にんじんに次いで減少率が高かったのはごぼうで、4618トン(同837トン減、15%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の4596トン、第2位が台湾の22トンであった。中国産の作柄は良好であったものの、国産価格が安価で推移したことから、前年をかなり大きく下回る輸入量となった(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、スイートコーン、えだまめ、ブロッコリーなどが前年を上回ったものの、さといも、ばれいしょ、いんげん豆等などが前年を下回ったことから、全体では前年同月比4%減と前年をやや下回った(図3)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはスイートコーンで、5129トン(同351トン増、7%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の3145トン、第2位がタイの876トン、第3位がニュージーランドの595トンであった。
スイートコーンに次いで増加率が高かったのはえだまめで、5564トン(同380トン増、7%増)となった。国別の内訳は第1位が台湾の2248トン、第2位が中国の1874トン、第3位がタイの1190トンであった。
えだまめに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、5441トン(同153トン増、同3%増)となった。国別の内訳は第1位がエクアドルの2708トン、第2位が中国の2589トン、第3位がグアテマラの76トンであった。これらの品目は、在庫調整により輸入量が増加したとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはさといもで、2557トン(同657トン減、20%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の2546トン、第2位がインドネシアの9トン、第3位が台湾の3トンであった。
さといもに次いで減少率が高かったのはばれいしょで、3万716トン(同4426トン減、13%減)となった。国別の内訳は第1位が米国の2万2416トン、第2位がベルギーの2277トン、第3位がオランダの2200トンであった。これらの品目は、国産品が順調な入荷となったことから、前年を大きく下回る輸入量となった。
ばれいしょに次いで減少率が高かったのはいんげん豆等で、2039トン(同219トン減、10%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の1212トン、第2位がタイの639トン、第3位がインドネシアの92トンであった。主要な輸入先国である中国において、低温多雨により減産となったため、前年をかなりの程度下回る輸入量となった(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、トマト加工品のトマトピューレ等関割で1969トン(同889トン減、31%減)、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1199トン(同563トン減、32%減)、その他調製野菜のにんじんジュースで2207トン(同2952トン減、同57%減)などであった。