野菜振興部
8月の輸入量は、国産野菜の順調な供給量を背景にほとんどの類別で減少したことから、全体でも7%の減少となった。
令和元年8月の野菜輸入量は、20万8370トン(前年同月比1万6002トン減、7%減)となった。乾燥野菜およびトマト加工品を除くほとんどの類別で前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は同7%減と前年をかなりの程度下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、ジャンボピーマンが前年を上回ったものの、ブロッコリー、キャベツ、にんじんなどが前年を大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比19%減と前年を大幅に下回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはジャンボピーマンで、3587トン(同454トン増、14%増)で、国別の内訳は、第1位が韓国の2396トン、第2位がオランダの1168トン、第3位がカナダの23トンであった。主な輸出国の生産量が前年よりも増加したことから、前年をかなり大きく上回る輸入量となった。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはブロッコリーで、1148トン(同964トン減、46%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の1037トン、第2位が豪州の110トンであった。8月中旬までの国産価格が安値で推移したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。
ブロッコリーに次いで減少率が高かったのはキャベツで、3517トン(同2545トン減、42%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の3505トン、第2位が米国の12トンであった。前月同様、前年の輸入量が多かったことから前年を大幅に下回る輸入量となった。
キャベツに次いで減少率が高かったのはにんじんで、6259トン(同1949トン減、24%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の6151トン、第2位が豪州の98トン、第3位が米国の7トンであった。前月同様、国産価格が安価で推移したことから、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、スイートコーン、ほうれんそう等、ブロッコリーなどが前年を上回ったものの、いちご、さといも、ばれいしょなどが前年を下回ったことから、全体では前年同月比1%減と前年をわずかに下回った(図3)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはスイートコーンで、4537トン(同400トン増、10%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2934トン、第2位がタイの890トン、第3位がニュージーランドの301トンであった。在庫調整により輸入量が増加したとみられる。
スイートコーンに次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、3614トン(同209トン増、6%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の3363トン、第2位が台湾の99トン、第3位がイタリアの66トンであった。
ほうれんそう等に次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、4791トン(同134トン増、同3%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の2294トン、第2位がエクアドルの2214トン、第3位がグアテマラの134トンであった。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはいちごで、2649トン(同298トン減、10%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の1388トン、第2位がエジプトの312トン、第3位が米国の300トンであった。前月同様、前年は在庫調整により輸入量が増加したことから、前年の輸入量をかなりの程度下回った。
いちごに次いで減少率が高かったのはさといもで、2317トン(同135トン減、6%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の2309トン、第2位がミャンマーの5トン、第3位が台湾の3トンであった。
さといもに次いで減少率が高かったのはばれいしょで、3万1749トン(同1287トン減、4%減)となった。国別の内訳は第1位が米国の2万3058トン、第2位がベルギーの2839トン、第3位がオランダの2489トンであった。さといもおよびばれいしょとも、在庫調整により輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、トマト加工品の混合野菜ジュースで1214トン(同1043トン増、610%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで2065トン(同1901トン減、同48%減)などであった。