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需給動向 2 (野菜情報 2019年10月号)


2 野菜の輸入動向(令和元年7月)

野菜振興部


【要約】

 7月の輸入量は、生鮮野菜は前年よりわずかに減少したが、冷凍野菜、トマト加工品など多くの類別が増加したことから、全体では8%とかなり増加した。

(1) 令和元年7月(速報値)

令和元年7月の野菜輸入量は、24万9723トン(前年同月比1万8011トン増、8%増)となった。生鮮野菜およびその他が前年同月を下回ったものの、冷凍野菜、塩蔵等野菜、乾燥野菜、トマト加工品などが前年同月を上回ったことから、全体の輸入量は同8%増と前年をかなりの程度上回った(図1、表1)。

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(2) 生鮮野菜

生鮮野菜の輸入量は、メロン、かぼちゃ、ジャンボピーマンなどが前年を上回ったものの、ブロッコリー、にんじん、キャベツなどが前年を下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比2%減と前年をわずかに下回った(図2)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのはメロンで、1305トン(同520トン増、66%増)で、国別の内訳は、第1位がメキシコの793トン、第2位が米国の463トン、第3位が韓国の31トンであった。低温、長雨による生育遅れとなっていた主要な輸出国であるメキシコが、収穫期終盤で生育遅れのものが収穫となったことで増加したと思われる。

メロンに次いで増加率が高かったのはかぼちゃで、1706トン(同467トン増、38%増)となった。国別の内訳は、第1位が韓国の1233トン、第2位がメキシコの473トンあった。主要な輸出国である韓国からの輸入量が増加したことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。

次いで増加率が高かったのはジャンボピーマンで、5011トン(同488トン増、11%増)となった。国別の内訳は、第1位が韓国の4719トン、第2位がオランダの251トン、第3位がカナダの28トンであった。安定したサラダなどによる需要がある中、主要な輸出国である韓国の為替レートが円高水準になっていたことから前年をかなり大きく上回る輸入量となった。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはブロッコリーで、1047トン(同317トン減、23%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の978トン、第2位が豪州の70トンであった。入荷量の増加により国産価格が前年の1割安となったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。

ブロッコリーに次いで減少率が高かったのはにんじんで、7193トン(同1724トン減、19%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の6992トン、第2位が豪州の143トン、第3位がニュージーランドの49トンであった。入荷量の増加により国産価格が前年の2割安となったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。

次いで減少率が高かったのはキャベツで、2129トン(同245トン減、10%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2118トン、第2位が米国の11トンであった。入荷量の増加により国産価格が前年の3割安となったことに加え、前年の輸入量が多かったことから前年をかなりの程度下回る輸入量となった(表2)。

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(3) 冷凍野菜等

冷凍野菜の輸入量は、いちご、えだまめなどが前年を下回ったものの、さといも、えんどう、ばれいしょなどが前年を上回ったことから、全体では前年同月比10%減と前年をかなりの程度上回った(図3)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのはさといもで、3516トン(同1206トン増、52%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の3512トン、第2位が台湾の4トンであった。在庫調整により輸入量が増加したとみられる。

さといもに次いで増加率が高かったのはえんどうで、1287トン(同200トン増、18%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の674トン、第2位が米国の294トン、第3位がニュージーランドの248トンであった。

次いで増加率が高かったのはばれいしょで、3万8728トン(同5085トン増、15%増)となった。国別の内訳は第1位が米国の2万6680トン、第2位がオランダの3403トン、第3位がベルギーの3062トンであった。えんどうおよびばれいしょとも、在庫調整により前年輸入量が減少したことから、前年をかなり大きく上回った。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはいちごで、3097トン(同653トン減、17%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の1523トン、第2位がモロッコの680トン、第3位がチリの321トンであった。在庫調整により前年は輸入量が増加したことから、前年を大幅に下回った。

いちごに次いで減少率が高かったのはえだまめで、8242トン(同213トン減、3%減)となった。国別の内訳は第1位が台湾の3843トン、第2位がタイの2349トン、第3位が中国の1781トンであった。在庫調整により輸入量が減少したとみられる(表3)。

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生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで1775トン(同316トン増、22%増)、酢調製野菜のしょうがで1852トン(同324トン増、21%増)、トマト加工品の混合野菜ジュースで1437トン(同1269トン増、755%増)などであった。

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