野菜振興部
6月の輸入量は、生鮮野菜やトマト加工品が前年より増加したものの、冷凍野菜や塩蔵等野菜が減少したことから、全体では1%とわずかに減少した。
令和元年6月の野菜輸入量は、23万1041トン(前年同月比2623トン減、1%減)となった。生鮮野菜、乾燥野菜、酢調製野菜、トマト加工品が前年同月を上回ったものの、冷凍野菜、塩蔵等野菜、その他調製野菜などが前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は同1%減と前年をわずかに下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、ばれいしょ、たまねぎ、にんじんなどが前年を下回ったものの、キャベツ、にんにく、ごぼうなどが前年を大幅に上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比1%増と前年をわずかに上回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはキャベツで、2935トン(同1092トン増、59%増)で、全量が中国からの輸入であった。作柄が良好で、輸出価格が安値で推移したことから輸入量は大幅に増加した。
キャベツに次いで増加率が高かったのはにんにくで、1675トン(同314トン増、23%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1495トン、第2位がスペインの167トン、第3位が米国の11トンであった。前月同様、輸入業者による在庫調整で輸入量が少なかった前年を大幅に上回る輸入量となった。
次いで増加率が高かったのはごぼうで、3511トン(同449トン増、15%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の3415トン、第2位が台湾の96トンであった。主要な輸入先国である中国において、前年は、秋作が台風などにより大幅な減産となったことに対し、本年の春作は作付面積が増加し、作柄が良好であったことから、前年をかなり上回る輸入量となった。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはばれいしょで、3615トン(同511トン減、12%減)といなった。全量が米国からの輸入であった。加工業者の在庫調整により輸入量が増加した前年をかなり下回る輸入量となった。
ばれいしょに次いで減少率が高かったのはたまねぎで、2万6019トン(同1409トン減、5%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2万3965トン、第2位がニュージーランドの1519トン、第3位が豪州の520トンであった。国産価格が平年の7割以下の価格となったことから、前年を下回った。
次いで減少率が高かったのはにんじんで、6353トン(同138トン減、2%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の6137トン、第2位が豪州の133トン、第3位がニュージーランドの74トンであった。国産品の生育が順調であったことから、前年を下回った(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、いちご、ばれいしょなどが前年を上回ったものの、スイートコーン、いんげん豆等などが前年を大幅に下回ったことから、全体では前年同月比2%減と前年をわずかに下回った(図3)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはいちごで、3619トン(同416トン増、13%増)となった。国別の内訳は、第1位がエジプトの1340トン、第2位がモロッコの786トン、第3位が中国の633トンであった。
いちごに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、3万2727トン(同350トン増、1%増)となった。国別の内訳は第1位が米国の2万3820トン、第2位がベルギーの2689トン、第3位がオランダの2110トンであった。在庫調整により輸入量が増加したとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはスイートコーンで、3824トン(同1787トン減、32%減)となった。国別の内訳は第1位が米国の2379トン、第2位がタイの509トン、第3位がニュージーランドの373トンであった。在庫調整により輸入量が減少したとみられる。
スイートコーンに次いで減少率が高かったのはいんげん豆等で、1748トン(同370トン減、17%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の1016トン、第2位がタイの540トン、第3位がベルギーの91トンであった。主要な輸入先国である中国の多雨など、天候不順による不作により減少したとみられる。
次いで減少率が高かったのはさといもで、1929トン(同324トン減、14%減)となった。全量が中国からの輸入であった。天候不順による減産から輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1133トン(同704トン減、38%減)、その他調製野菜のにんじんジュースで3052トン(同1544トン減、34%減)などであった。