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需給動向 2 (野菜情報 2019年8月号)


2 野菜の輸入動向(令和元年5月)

野菜振興部


【要約】

 5月の輸入量は、国産野菜の順調な供給量を背景にほとんどの類別で減少したことから、全体でも6%の減少となった。

(1) 令和元年5月(速報値)

令和元年5月の野菜輸入量は、23万2830トン(前年同月比1万5806トン減、6%減)となった。乾燥野菜が前年同月を上回ったものの、それ以外の類別が前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は同6%減と前年を下回った(図1、表1)。

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(2) 生鮮野菜

生鮮野菜の輸入量は、ばれいしょ、しょうが、にんにくなどが前年を大幅に上回った中、キャベツ、にんじん、メロンなどが前年を大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比5%減と前年を下回った(図2)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのは、ばれいしょの5007トン(同3527トン増、238%増)で、全量がポテトチップス加工用として、米国からの輸入であった。前月同様、輸入先国である米国において、低温などによる生育遅れからの回復により輸入量は大幅に増加した。

ばれいしょに次いで増加率が高かったのはしょうがで1754トン(同221トン増、14%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1665トン、第2位がタイの65トン、第3位がインドネシアの25トンであった。前年は、中国の主産地が生育期の天候不順により生産量が少なかったことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。

次いで増加率が高かったのはにんにくで2060トン(同227トン増、12%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1877トン、第2位がスペインの172トン、第3位が米国の11トンであった。前年は、輸入業者による在庫調整で輸入量が少なかったことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのは、キャベツで1911トン(同1701トン減、47%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1829トン、第2位が韓国の70トン、第3位が米国の11トンであった。前月同様、前年は、一昨年秋の台風の影響などにより国内価格が高騰したことに伴い輸入量が大幅に増加したことに加え、本年は天候に恵まれ生育が前進化し、加工業者などが潤沢に在庫を抱えていたことなどから、前年を大幅に下回る輸入量となった。

キャベツに次いで減少率が高かったのは、にんじんで6504トン(同2850トン減、30%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の6181トン、第2位が豪州の122トン、第3位が台湾の113トンであった。前月同様、国産価格が前年の半分近い価格となったことから、前年を大幅に下回った。

次いで減少率が高かったのはメロンで2693トン(同801トン減、23%減)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの2282トン、第2位がグアテマラの130トン、第3位がコスタリカの89トンであった。メキシコ産の春作の収穫が終盤となったことから、輸入量が減少した(表2)

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(3) 冷凍野菜等

冷凍野菜の輸入量は、いちご、ブロッコリーなどが前年を大幅に上回ったものの、さといも、ほうれんそう等、えだまめなどが前年を大幅に下回ったことから、全体では5%減と前年を程度下回った(図3)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのは、いちごで3475トン(同1053トン増、43%増)となった。国別の内訳は、第1位がエジプトの1392トン、第2位がチリの736トン、第3位が中国の512トンであった。

いちごに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、5496トン(同627トン増、13%増)となった。国別の内訳は第1位がエクアドルの2798トン、第2位が中国の2491トン、第3位がメキシコの62トンであった。いちごおよびブロッコリーとも、在庫調整により輸入量が増加したとみられる。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのは、さといもで1949トン(同487トン減、20%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の1945トン、第2位が台湾の4トンであった。在庫調整により輸入量が減少したとみられる。

さといもに次いで減少率が高かったのは、ほうれんそう等で3519トン(同845トン減、19%減)となった。国別の内訳は第1位が中国の3278トン、第2位がイタリアの118トン、第3位がミャンマーの32トンであった。前年は、昨秋から春先にかけての天候不順による国内産の不作から、輸入量が増加したが、本年は、国産価格が低迷していたことから輸入量は減少した。

次いで減少率が高かったのは、えだまめで7531トン(同1669トン減、18%減)となった。国別の内訳は第1位が台湾の3302トン、第2位がタイの2121トン、第3位が中国の1735トンであった(表3)

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生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで1374トン(同580トン減、30%減)、その他調製野菜のスイートコーンで4497トン(同2209トン減、33%減)などであった。

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