[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ

需給動向 1 (野菜情報 2019年8月号)


1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和元年6月)

野菜振興部 調査情報部


【要約】

 東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量が12万5077トン、前年同月比96.2%、価格は1キログラム当たり238円、同101.3%となった。
 大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は3万9095トン、同101.6%、価格は1キログラム当たり206円、同96.7%となった。
 果菜類を中心に低温、干ばつの影響により生育が遅れた品目があったが回復し入荷は順調であった。価格では、前月より続く低迷により、葉物を中心に伸び悩んだ。また、順調な生育により前年に大幅に安値となったにんじん、ばれいしょは価格が持ち直したものの平年比を下回った。

(1)気象概況

上旬は、梅雨前線は沖縄・奄美付近から本州南岸に位置しやすく、沖縄・奄美では曇りや雨の日が多くなり、大気の状態が不安定となって激しい雨が降った所があった。日から日に低気圧が日本海から日本の東海上に通過し、東日本太平洋側や西日本では大雨となった所があった。東海、北陸、関東甲信、東北南部では7日ごろに梅雨入りした。大陸からの暖かい空気に覆われやすく、また、低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだ日もあり、全国的に気温が高かったが、期間の終わりには、東北地方や関東甲信地方では東からの冷たい空気が流れ込み、気温が低くなった日があった。

中旬は、梅雨前線は本州の南海上に停滞したため、東・西日本太平洋側を中心に曇りや雨の日が少なかったが、15日から16日には、前線を伴った低気圧が北・東・西日本を通過して雨が降り、太平洋側を中心に大雨となった所があった。東北北部では15日ごろに梅雨入りした。北からの冷涼な空気が流れ込み、東・西日本では気温が低くなった。

下旬は、期間の前半は梅雨前線が本州の南海上に停滞したため、東・西日本では晴れた日が多かった。一方、上空に寒気が入り大気の状態が不安定となったため、激しい雨が降った所があった。26日ごろには熱帯低気圧が沖縄・奄美に接近し、梅雨前線が北上し、九州北部、四国、中国、近畿の各地方は26日ごろに梅雨入りしたが、それぞれ1951年以降で最も遅い記録となった。さらに27日から28日には台風第号が本州南岸を通過し、その後は梅雨前線の活動が活発となり、東日本、日本海側や西日本太平洋側を中心に大雨となった所があった。北日本では期間のはじめと終わりに、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨の日となった。旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り(図1)。

007a

(2)東京都中央卸売市場

6月の東京都中央卸売市場における野菜全体の入荷状況は、入荷量が12万5077トン、前年同月比96.2%、価格は1キログラム当たり238円、同101.3%となった(表1)。

008a

根菜類は、だいこんは後続の東北産が遅れたものの、残量が多かったことから価格は前年を下回った。にんじんは、順調な生育により前年が安かったため、価格は前年比120%となったものの、平年よりは安かった(図2)。

葉茎菜類は、関東産と高原ものが中心となった。干ばつや低温の影響によりはくさい、レタス入荷が伸び悩んだが、長引く価格低迷から抜け出せず安値となった(図3)。

果菜類は、西南暖地から関東、東北産への切り替わり時期だが、低温や干ばつによる生育遅延見られたものの、5月以降の気温上昇で生育は回復したが、入荷量はすべての品目で平年を下回り、価格はトマト以外は、平年を上回った(図4)。

土物類は、ばれいしょは前年が集中出荷で多かったため価格は大幅に前年を上回ったが、平年よりは安値となった。たまねぎは入荷量が多かった前年よりも価格は安値となり、平年比では割以上と大幅に下回った(図5)。

009a

なお、品目別の詳細については表2の通り。

009b 010a 011a

(3)大阪市中央卸売市場

6月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が3万9095トン、前年同月比101.6%、価格は1キログラム当たり206円、同96.7%となった(表3)。

011b

品目別の詳細については表4の通り。

012a 013a

(4)首都圏の需要を中心とした8月の見通し

昨年の6~8月は、北海道地方で降雨が続いたことが影響して夏野菜の出荷が大幅に出遅れた。そのため7~8月の市場価格は高値で推移した。今年は逆の展開で、地域によっては干ばつが続いており、北海道では全域ではないものの、前年より潤沢な出回りが予想される。

6月の東京市場の野菜の入荷量は12万5077トンで前年比96.2%、価格は238円で同101.3%となり入荷減の価格高となった。価格高といっても平年並みかやや安く、今後、8月についても平年並みの落ち着いた展開を予想している。ただ一部の品目では安値疲れが見え、市場は農家に納得してもらえる情勢の説明が欠かせないであろう。

根菜類 根菜

だいこんは、北海道のしりべし管内では6月下旬から選果を開始したが、平年より2~3日早い傾向である。干ばつの影響は少なく、肥大もよく2LとLで半々である。7月に比べると8月はやや減ってくるが順調にしゅできており、少なかった前年を上回る見込み。 釧路管内では、前年同様7月中旬から増え始め、前半はL中心で最大のピークは8月の盆前後と予想している。

にんじんは、北海道の後志管内では8月初めから選果が始まるが、やや早めである。作付けは前年並みで、計画的に播種しており、少なかった前年より多く、平年並みの見込み。オホーツク管内では、干ばつ気味であるが遅れることはなく、平年通り7月下旬から出荷が始まる見込み。ピークはないが、盆ごろから歩留まりが低下して若干減少しよう。当面M中心のLで、品種は「天翔五寸」「向陽2号」である。

葉茎菜類葉茎菜類

キャベツは、群馬産は高原キャベツの出荷となっており、梅雨入り後、降雨が続いているが、玉の肥大は順調である。8月については平年並みを予想している。

ほうれんそうは、群馬産の利根沼田エリアの雨よけ物の生育は今のところ順調である。8月下旬には一旦減って、9月中旬には再び増える見込み。

ねぎは、北海道の道南では平年通り7月下旬から出荷が始まり、ピークは8~10月の3カ月である。品種は「北の匠」が80~90%で、2L中心である。青森産では、ハウス物の出荷が7月いっぱいで終わり、その後は露地物の出荷となり、ピークが盆明けごろで10月まで出荷が続く見込み。

レタスは、長野産では7月の気温が低めで、やや日照不足だったが適度な降雨もあり、定植し直した分に加えLサイズも多いことから増量した。8月以降も順調に出荷が続く見込み。群馬産については、梅雨時期にやや傷みも出始めたことから7月に比べて現象してくる。平年通り9月下旬ごろに後半のピークが来て10月中旬までの出荷となる。

セルリー(セロリ)は、長野産では7月にハウスから露地に切り替わり、盆前後までやや増えながら推移し、10月中旬まで大きな変動なく出荷が続くと予想している。

ブロッコリーは、北海道のオホーツク管内では平年並みに始まり7月中下旬のピーク後、減少しながら推移し8月中下旬にもう一回ピークが来ると予想している。作付面積は前年の110%と増えている。長野産では、7月下旬から8月下旬ころまで少なく、その後、徐々に増えて9月下旬をピークに最終は11月上旬ころまで出荷される。8月は梅雨時期の降雨やその後の気温上昇など、難しい場面もあるが平年並みを予想している。

果菜類果菜類

きゅうりは、福島産は、8月は露地中心となりピークは月上中旬、9月上旬にもう一回ピークが来る見込み。ハウス物は、抑制物が月上旬にピークとなる見込み。

なすは、栃木産は5月の干ばつや天候不順で10日程遅れているが花は付いており、盆前までは増えながら推移し、その後9月までは安定した生産が予想される。

トマトは、青森の日本海側では、やませが続いて着色が遅れているが、生育は順調である。品種は「桃太郎セレクト」に戻っている。ミニトマトは増えており、現状の面積は半々であるが、大玉と同様の展開となろう。

ピーマンは、福島産は露地のみで最初のピークは盆前ごろと予想しているが、ほぼ平年並のペースである。2回目のピークは9月に入ってから。作付けは減っているが、生産量については前年並を見込んでいる。本年産は降雨のタイミングに恵まれ、豊作基調である。品種は「みおぎ」中心である。茨城産の春物は7月で終了し、8月は「秋ピーマン」の出始めとなる。生育は順調で、ピークは9~10月である。岩手産の露地物は、朝晩の冷え込みで生育遅れもあったが、現状は回復しており、8月の盆明けにピークが来る見込み。露地と施設の面積は半々程度で、いずれも作付けは前年並みである。

かぼちゃは、北海道の道南では8月の盆前後から出荷が始まるが生育は順調で、品種は「くり将軍」が中心である。上川管内は露地作であり、8月中旬から出荷が始まる見込み。品種は「くりゆたか」「くりゆたか7」「甘ほく」「味平」などが中心である。栃木産は、平年より遅れて6月末ごろから始まったが、ピークは7月で8月は減少し盆前までとなる見込み。品種は「イーティー」「ほっこり133」「ほっこりえびす」である。

スイートコーンは、北海道の道南では地元への出荷は7月中旬から、東京市場への出荷は8月上旬からとなる。作付面積は前年の90%程度と減少しているが、それでも少なかった前年を上回ると予想している。出荷のピークは盆明けで、品種は「恵味」中心に後半「味来390」も出荷の見込み。

十勝管内では作付けは若干増えており、干ばつにより前半はやや遅れ気味であったが、その後回復して、盆前にピークが来ると予想している。品種は前半「ゴールドラッシュ」後半は「ハニーショコラ」である。千葉産は、7月上旬から出荷がスタートし、ピークは盆前ごろだが平年より2~3日遅いと予想している。品種は「ゴールドラッシュ」で、作付けは前年並みである。

豆類豆類

えだまめは、山形産の「だだちゃまめ」が平年通り7月末から出荷開始となり、前半のピークは8月前半、後半のピークは8月末から9月始めころと予想している。作付けは平年並である。

土物類土物類

さといもは、千葉産の石川早生となるが、現状は遅れ気味である。出荷のピークは9月に入ってからで、8月の出荷はそれ程多くないと予想している。

ばれいしょは、北海道は干ばつ傾向であるが生育順調で、平年より一週間程度早まっている。早出し物は7月下旬から始まり9月上旬まで。量的には少なかった前年を上回る見込み。十勝管内の「メークイン」は月の最終週から始まるが、胆振管内に産地が移っており面積は減っている。胆振管内では盆明けから出荷が始まるが、当初は干ばつであったが、6月から気温も上昇し肥大については心配く、8月としては少なかった前年を上回る見込みである。

たまねぎは、北海道のオホーツク管内では平年と同様に盆前ごろから出荷が始まり、ピークは9月と見込んでおり、肥大については問題なくやや大きめと予想される。

かんしょは、香川産の高系14号は生育が順調で、平年通り6月末に出荷が始まり、ピークは7月下旬から8月いっぱいを予想している。

ながいもは、青森産は3月の春掘り物を5月中旬から11月まで計画的に出荷しており、計画では前年比130%と多い見込み。

にんにくは、青森産の出荷開始は8月後半からとなるが、本格的な出荷は9月以降となる。本年産は作柄良好で、大玉傾向である。

(執筆者:千葉県立農業者大学校 講師 加藤 宏一)

クリックすると拡大します。

クリックすると拡大します。


元のページへ戻る


このページのトップへ