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需給動向 2 (野菜情報 2019年6月号)


2 野菜の輸入動向(平成31年3月)

野菜振興部


【要約】

 3月の輸入量は、前月に引き続き国内の天候が順調であったことなどを背景に、キャベツや結球レタスなどの生鮮野菜が大幅に減少し、全体でも14%の減少となった。

(1) 平成31年3月(速報値)

平成31年3月の野菜輸入量は、24万5194トン(前年同月比4万511トン減、14%減)となった。冷凍野菜などで前年同月を上回ったものの、生鮮野菜などで前年同月を下回ったことから、全体の輸入量は前年同月比14%減と前年をかなり大きく下回った(図1、表1)。

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2) 生鮮野菜

生鮮野菜の輸入量は、ジャンボピーマンおよびにんにくが前年を上回ったものの、キャベツ、結球レタス、メロンなどが前年を大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比39%減と前年を大幅に下回った(図2)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのはジャンボピーマンで、3115トン(同207トン増、7%増)であった。国別の内訳は、第1位が韓国の2718トン、第2位がニュージーランドで389トンであった。前月同様、前年は、韓国の低温、日照不足およびニュージーランドの高温などによる天候不順の影響により輸入量が大きく減少していたため、本年の輸入量は前年をかなり程度上回った。

ジャンボピーマンに次いで増加率が高かったのはにんにくで、1899トン(同104トン増、6%増)であった。国別の内訳は、第1位が中国の1670トン、第2位がスペインの88トンであった。主要な輸入先国である中国は、生鮮および貯蔵物が潤沢であったため、前年を大幅に上回った。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはキャベツで、3630トン(同2万3956トン減、87%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2890トン、第2位がベトナムの394トン、第3位が台湾の189トンであった。前月同様、前年は、一昨年秋の天候不順および台風の影響により国内価格が高騰したことに伴い輸入量が大幅に増加したことに加え、本年は天候に恵まれ生育が前進化し、加工業者などが潤沢に在庫を抱えていることなどから、前年を大幅に下回る輸入量となった。

キャベツに次いで減少率が高かったのは結球レタスで、1005トン(同1978トン減、66%減)となった。国別の内訳は、第1位が台湾の983トン、第2位が米国の14トン、第3位が中国の8トンであった。前年は、加工需要が高い中、国産の価格高騰が長期化したことにより輸入量が増加したのに対し、本年は、国産が降雨と気温の上昇により肥大が順調で、出荷がやや前進傾向となったことから、前年を大幅に下回る輸入量となった。

レタスに次いで減少率が高かったのはメロンで、2125トン(同2444トン減、53%減)となった。国別の内訳は、第1位がホンジュラスの811トン、第2位がメキシコの614トン、第3位がグアテマラの344トンであった。前月同様、主産地のメキシコにおいて、降雨・低温などの天候不順による大幅な減産から、前年を大幅に下回る輸入量となった(表2)。

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(3)冷凍野菜等

冷凍野菜の輸入量は、いちご、さといもなどを中心に、ほとんどの品目で前年を大幅に上回ったことから、全体では前年同月比16%増と前年を大幅に上回った(図3)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのはいちごで、3259トン(同1124トン増、53%増)となった。国別の内訳は、第1位がエジプトの1104トン、第2位がチリの891トン、第3位が中国の827トンであった。当月は在庫調整により輸入量が増加したとみられる。

いちごに次いで増加率が高かったのはさといもで、2795トン(同724トン増、35%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の2781トン、第2位がベトナムの9トン、第3位が台湾の5トンであった。

さといもに次いで増加率が高かったのはいんげん豆等で、2091トン(同372トン増、22%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の1067トン、第2位がタイの599トン、第3位がベルギーの179トンであった。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはえだまめで、6335トン(同284トン減、4%減)となった。国別の内訳は第1位が台湾の2703トン、第2位がタイの1807トン、第3位が中国の1505トンであった。当月は在庫調整により輸入量が減少したとみられる。

えだまめに次いで減少率が高かったのはスイートコーンで、4110トン(同33トン減、1%減)となった。国別の内訳は第1位が米国の3102トン、第2位がタイの411トン、第3位が中国の285トンであった。えだまめ同様、当月は在庫調整により輸入量が減少したとみられる(表3)。

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生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、酢調製野菜のしょうがで1572トン(同530トン増、51%増)などであった。

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