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需給動向 2 (野菜情報 2018年12月号)


2 野菜の輸入動向(平成30年9月)

野菜需給部


【要約】

 9月の輸入量は、天候不順による国産野菜の品薄の影響からにんじんやトマトなどの生鮮野菜が大幅に増加し、全体でも4%の増加となった。

(1)平成30年9月(速報値)

平成30年9月の野菜輸入量は、20万8919トン(前年同月比7399トン増、4%増)となった。類別で見ると、冷凍野菜、塩蔵等野菜、乾燥野菜、酢調製野菜、トマト加工品などで前年同月を下回ったものの、生鮮野菜が前年を大幅に上回ったことから、全体の輸入量は同4%増と前年をやや上回った。(図1、表1)。

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(2) 生鮮野菜

生鮮野菜の輸入量は、メロン、キャベツなどの品目が前年を下回ったものの、にんじん、トマト、ねぎなどが前年を大幅に上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比21%増と、前年を大幅に上回った(図2)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのは、にんじんの1万1288トン(同5538トン増、96%増)であった。国別の内訳は、第1位が中国の1万1149トン、第2位が豪州で113トンであった。国内の主産地が天候不順による影響から国内産が品薄となったことから、輸入量が前年を大幅に上回った。

にんじんに次いで増加率が高かったのはトマトで、1048トン(同309トン増、42%増)であった。国別の内訳は、第1位が韓国の325トン、第2位がカナダ269トンであった。曇雨天の影響に伴う日照不足から国内産が品薄となり、出回りが不安定であったことから、引き続き輸入量が前年を大幅に上回った。

次いで増加率が高かったのはねぎで、6015トン(同1067トン増、22%増)となった。国別の内訳は、全量が中国であった。国内産の天候不順により出回りが不安定で、国産の価格が高値となったこともあり、輸入量が前年を大幅に上回った。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはメロンで、1008トン(同419トン減、29%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の969トン、第2位が韓国の39トンであった。米国の主産地において、8月の多雨などの天候不順の影響による収穫の遅れから、生産量が減少したことに伴い、輸入量が減少したものとみられる。

メロンに次いで減少率が高かったのは、キャベツで1762トン(同451トン減、20%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1750トン、第2位が米国の9トンであった。国内の主産地において、8月の高温・干ばつの影響が解消され、順調な出回りとなったことに伴い、輸入量が減少したとみられる。

次いで減少率が高かったのは、ジャンボピーマンで、2617トン(同458トン減、15%減)となった。国別の内訳は、第1位がオランダの1297トン、第2位が韓国の1097トンであった。主要な輸入先国であるオランダにおいて、高温などの影響から生産量が減少したことに伴い、輸入量が減少したとみられる(表2)。

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(3)冷凍野菜等

冷凍野菜の輸入量は、ブロッコリーなどが前年を上回ったものの、スイートコーン、いちご、さといもなどの主要品目において、前年を下回ったことから、全体では1%減と前年をわずかに下回った(図3)。

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主な品目のうち増加率が高かったのはブロッコリーで、4444トン(同719トン増、19%増)となった。国別の内訳は第1位がエクアドルの2269トン、第2位の中国の2017トンであった。前年は国産の作柄が順調で輸入量が少なかったこともあり、対前年では輸入量が増加したものとみられる。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはスイートコーンで3677トン(同1061トン減、22%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2374トン、第2位がタイの894トンであった。前月の輸入増に伴う在庫調整により、輸入量が減少したとみられる。

スイートコーンに次いで減少率の高かったのはいちごで、2630トン(同563トン減、18%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1561トン、第2位が米国の433トンであった。前年は輸入量が多かったこともあり、対前年では減少しものとみられる。

次いで減少率の高かったのはさといもで、2198トン(同378トン減、15%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2191トン、第2位がエクアドルの6トンであった。前月および前々月の輸入増に伴う在庫調整により、輸入量が減少したとみられる(表3)。

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生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1061トン(同357トン減、25%減)、トマト加工品のピューレ等関割以外で6899トン(同1240トン減、15%減)、その他調製野菜のスイートコーンで、4859トン(同993トン減、17%減)などであった。

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