野菜需給部
8月の輸入量は、7月に引き続き猛暑や北日本の長雨などの影響により国産野菜が品薄となり、かぼちゃやキャベツなどの生鮮野菜が大幅に増加したことから、全体でも4%の増加となった。
平成30年8月の野菜輸入量は、22万4379トン(前年同月比9661トン増、4%増)となった。類別で見ると、乾燥野菜、酢調製野菜、その他調製野菜などで前年同月を下回ったものの、生鮮野菜、冷凍野菜、塩蔵野菜等、トマト加工品が前年を上回ったことから、全体の輸入量は同4%増と前年をやや上回った。(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、たまねぎ、しょうがなどの主要な品目が前年を下回ったものの、かぼちゃ、キャベツ、結球レタスなどが前年を大幅に上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比17%増と、前年を大幅に上回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのは、かぼちゃの1763トン(同1373トン増、352%増)であった。国別の内訳は、第1位が韓国の1601トン、第2位がメキシコで162トンであった。曇雨天による定植作業の遅れやその後も天候不順による生育の遅れの影響から国内産が品薄となったことから、輸入量が前年を大幅に上回った。
かぼちゃに次いで増加率が高かったのはキャベツで、6062トン(同4635トン増、325%増)であった。国別の内訳は、第1位が中国の5972トン、第2位が韓国の79トンであった。6月下旬以降の長雨・日照不足や、7月の猛暑と干ばつの影響から国内産が品薄となり出回りが不安定であったことから、前月に引き続き輸入量が前年を大幅に上回った。
次いで増加率が高かったのは結球レタスで、1070トン(同687トン増、179%増)となった。国別の内訳は、第1位は米国の904トン、第2位が中国の166トンであった。キャベツと同様に国内産の天候不順により出回りが不安定であったことから、輸入量が前年を大幅に上回った。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはたまねぎで、2万1924トン(同1549トン減、7%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2万1325トン、第2位が米国の303トンであった。輸入量が多かった前年をかなりの程度下回った。
たまねぎに次いで減少率が高かったのは、しょうがで1605トン(同91トン減、5%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1583トン、第2位がタイの22トンであった。輸入の大部分を占める中国において、29年産が水害の影響から生産量が減少したことに伴い、輸入量が減少したとみられる(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、えだまめ、いんげん豆等などが前年を下回ったものの、いちご、スイートコーン、さといもなどの主要品目において、前年を上回ったことから、全体では2%増と前年をわずかに上回った(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのはいちごで、2947トン(同659トン増、29%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の1415トン、第2位の米国の572トンであった。業務用需要が強いことから、前月に引き続き輸入量が前年を大幅に上回った。
いちごに次いで増加率が高かったのはスイートコーンで、4137トン(同483トン増、13%増)となった。国別の内訳は第1位が米国の2546トン、第2位がタイの866トンであった。前月の輸入量が少なかったこともあり、在庫調整により、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはさといもで、2452トン(同116トン増、5%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の2440トン、第2位がミャンマーの10トンであった。九州産が病害の発生により、生産量が減少したことから、輸入量が増加したものとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはえだまめで、7661トン(同721トン減、9%減)となった。国別の内訳は、第1位が台湾の3088トン、第2位が中国の2227トンであった。在庫調整により、輸入量が減少したとみられる。
えだまめに次いで減少率の高かったのはいんげん豆等で、2120トン(同179トン減、8%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1133トン、第2位がタイの635トンであった。中国の主産地において、生育期における低温の影響から生産量が減少し、輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで1052トン(同293トン増、39%増)、トマト加工品のピューレ等関割で5023トン(同1194トン増、31%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで、3965トン(同475トン増、14%増)、酢調製野菜のしょうがで1403トン(同246トン減、15%減)などであった。