野菜需給部
7月の輸入量は、酢調製野菜、トマト加工品が減少したものの、猛暑や北日本の長雨の影響により国産野菜が品薄となり、生鮮野菜や冷凍野菜が増加したことから、全体では1%の増加となった。
平成30年7月の野菜輸入量は、23万1711トン(前年同月比3270トン増、1%増)となった。類別で見ると、酢調製野菜、トマト加工品で前年同月を下回ったものの、生鮮野菜、冷凍野菜、塩蔵等野菜、乾燥野菜、その他調製野菜などが前年を上回ったことから、全体の輸入量は同1%増と前年並であった。(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、かぼちゃ、たまねぎなどの主要な品目が大幅に下回ったものの、キャベツ、にんじん、ねぎなどが前年を大幅に上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比6%増と、前年をかなりの程度上回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのは、キャベツの2374トン(同1346トン増、131%増)であった。国別の内訳は、全量が中国からの輸入であった。7月の猛暑と干ばつ、北日本の長雨、西日本の大雨と天候不順が重なり国内産が品薄となったことから、輸入量が前年を大幅に上回った。
キャベツに次いで増加率が高かったのはにんじんで、8917トン(同2134トン増、31%増)であった。国別の内訳は、第1位が中国の8377トン、第2位が豪州の455トンであった。キャベツと同様に、国内産の天候不順により出回りが不安定であったことから、輸入量が前年を大幅に上回った。次いで増加率が高かったのはねぎで、5,350トン(同795トン増、17%増)となった。国別の内訳は、第1位は中国の5341トン、第2位がベトナムの8トンであった。国内産の天候不順により生育が遅れた影響により輸入量が前年を大幅に上回った。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはかぼちゃで、1240トン(同322トン減、21%減)となった。国別の内訳は、第1位が韓国の695トン、第2位がメキシコの531トンであった。前年の韓国産が前進化により輸入量が大幅に増加したこともあり、多かった前年を大幅に下回った。
かぼちゃに次いで減少率が高かったのは、たまねぎで2万1266トン(同2766トン減、12%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2万264トン、第2位が豪州の621トンであった。輸入量が多かった前年をかなり大きく下回った(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、えんどう、えだまめなどが前年を下回ったものの、いちご、ブロッコリー、ほうれんそう等などの主要品目において、前年を大幅に上回ったことから、全体では3%増と前年をやや上回った(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのはいちごで、3750トン(同1220トン増、48%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の946トン、第2位のエジプトの936トンであった。在庫調整により、輸入量が増加したとみられる。
いちごに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、4366トン(同729トン増、20%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の2167トン、第2位がエクアドルの2032トンであった。国内産の天候不順の影響により、高値で推移していたことから、前月に引き続き輸入量が前年を大幅に上回った。
次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、3917トン(同373トン増、11%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の3713トン、第2位がベトナムの74トンであった。前月に引き続き天候不順による国内産の不作から輸入量が増加したものとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはえんどうで1087トン(同192トン減、15%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の545トン、第2位が米国の304トンであった。国産原料(主に九州(春先))の作柄が良好であったことから、輸入量が減少したとみられる。
えんどうに次いで減少率の高かったのはえだまめで、8455トン(同874トン減、9%減)となった。国別の内訳は、第1位が台湾の3766トン、第2位が中国の2247トンであった。5月、6月と輸入量が増加したこともあり、当月は在庫調整により、輸入量が減少したとみられる。
次いで減少率の高かったのはばれいしょで、3万3642トン(同2575トン減、7%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2万2730トン、第2位がオランダの3277トンであった。在庫調整により、輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、酢調製野菜のしょうがで1527トン(同108トン増、8%増)、トマト加工品のピューレ等関割以外で8745トン(同522減、6%減)、その他調製野菜のにんじんジュースで、3568トン(同459トン減、11%減)などであった。