野菜需給部
5月の輸入量は、冷凍野菜、乾燥野菜、その他調製野菜が増加したものの、生鮮野菜やトマト加工品がかなり大きく減少したことから、全体では4%の減少となった。
平成30年5月の野菜輸入量は、24万8635トン(前年同月比1万1536トン減、4%減)となった。類別で見ると、冷凍野菜、塩蔵等野菜、乾燥野菜、その他調製野菜が前年同月を上回ったものの、生鮮野菜、酢調製野菜、トマト加工品、その他が前年をかなりの程度減少したことから、全体の輸入量は同4%減と前年をやや下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、ブロッコリーやにんじんなどが前年を大幅に上回ったものの、たまねぎ、かぼちゃなどの主要な品目が大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比14%減と、前年をかなり大きく下回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはブロッコリーで、1278トン(同272トン増、27%増)であった。国別の内訳は、全量米国からの輸入であった。前年は米国において熱波による影響から輸入量が大幅に減少したこともあり、前年を大幅に上回った。
ブロッコリーに次いで増加率が高かったのはにんじんで、9354トン(同1961トン増、27%増)であった。国別の内訳は、第1位が中国の7534トン、第2位がベトナムの954トンであった。国産価格が5月上旬までは他品目と比べ高値で推移していたこともあり、前年を大幅に上回った。
次いで増加率が高かったのはねぎで、5295トン(同855トン増、19%増)となった。国別の内訳は全量中国からの輸入であった。国内の主産地において、低温・乾燥により生育が停滞し、国産価格が高値で推移したこともあり、前年を大幅に上回った。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはばれいしょで、1480トン(同5718トン減、79%減)となった。国別の内訳は、第1位がアメリカの1460トン、第2位が中国の20トンであった。前年は、国内産の作柄不良により価格が高騰し、輸入量が多かったことに加え、今年は、国内産が豊作基調であることもあり、前年を大幅に下回った。
ばれいしょに次いで減少率が高かったのはかぼちゃで、9954トン(同6585トン減、40%減)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの7773トン、第2位がニュージーランドの2180トンであった。ニュージーランドで天候不順の影響から小玉傾向で、切り上がりが早まったことから、前年を大幅に下回った。
次いで減少率が高かったのは、たまねぎで2万2618トン(同4842トン減、18%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1万9362トン、第2位がニュージーランドの2129トンであった。ニュージーランドで天候不順による播種の遅れや病気の発生による不作により、前年を大幅に下回ったとみられる(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、えんどうが前年を大幅に下回ったものの、えだまめ、ブロッコリー、さといもなどの主要品目において、前年を大幅に上回っていることから、全体では7%増と前年をかなりの程度上回った(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのはえだまめで、9200トン(同2014トン増、28%増)となった。国別の内訳は第1位が台湾の3484トン、第2位がタイの2677トンであった。前月の輸入量が少なかったことから、需要期に向けた在庫調整により輸入量が増加したとみられる。
えだまめに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、4870トン(同969トン増、25%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の2448トン、第2位がエクアドルの2205トンであった。国内需要が堅調に推移していることもあり、前月に引き続き輸入量が前年を大幅に上回った。
次いで増加率の高かったのはさといもで、2436トン(同426トン、21%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の2434トン、第2位が台湾の2トンであった。前年の中国産が天候不順による不作のため少なかったことに加え、一定の国内需要に対応するための在庫調整により、輸入量が増加したとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはえんどうで、1260トン(同365トン減、22%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の720トン、第2位が米国の266トンであった。前年の中国産の生育が順調で多かったことに加え、前月の輸入量が多かったことなどから、輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1,922トン(同174トン増、10%増)、トマト加工品のピューレ等関割以外で8161トン(同5893減、42%減)、その他調製野菜のスイートコーンで、6706トン(同1593トン増、31%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで、3244トン(同821トン減、20%減)などであった。