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需給動向 2 (野菜情報 2018年7月号)


2 野菜の輸入動向(平成30年4月)

野菜需給部


【要約】

 4月の輸入量は、生鮮野菜の前年同月比は3%増となったものの、冷凍野菜、トマト加工品、その他調製野菜がかなり増加したことにより、全体では8%の増加となった。

(1) 平成30年4月(速報値)

平成30年4月の野菜輸入量は、26万1312トン(前年同月比2万412トン増、8%増)となった。類別で見ると、塩蔵等野菜、乾燥野菜、酢調製野菜、その他で前年同月を下回ったものの、生鮮野菜、冷凍野菜、トマト加工品、その他調製野菜が前年を上回ったことから、全体の輸入量は同8%増と前年をかなり上回った。(図1、表1)。

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(2) 生鮮野菜

生鮮野菜の輸入量は、ジャンボピーマンやメロンなどが前年をかなり大きく下回ったものの、はくさい、ブロッコリー、キャベツなどの主要な品目が大幅に上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比3%増と、前年をやや上回った(図2)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのは、はくさいの、1191トン(同621トン増、109%増)であった。国別の内訳は、第1位が中国の720トン、第2位が韓国の471トンであった。国産が昨秋の天候不順による不作から一転して、4月は天候回復で国産の出回り量が増加したものの、引き続き加工需要もあったことから、輸入量が前年を大幅に上回った。

はくさいに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、1221トン(同610トン増、100%増)であった。国別の内訳は、第1位が米国の1129トン、第2位が中国の57トンであった。昨秋の天候不順や2月の低温の影響により、国産価格が高騰した影響で、米国からの調達が進んだものとみられる。

次いで増加率が高かったのはキャベツで、9464トン(同2746トン増、41%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の5394トン、第2位が台湾の1454トンであった。はくさいと同様に、引き続き加工需要があり、輸入量が前年を大幅に上回った。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはジャンボピーマンで、3252トン(同672トン減、17%減)となった。国別の内訳は、第1位が韓国の2933トン、第2位がオランダの185トンであった。韓国の多雨、日照不足などによる天候不順の影響から、輸入量が減少した。

ジャンボピーマンに次いで減少率が高かったのはメロンで、3021トン(同572トン減、16%減)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの2258トン、第2位がホンジュラスの378トンであった。メキシコで高温などの異常気象による生育不良の影響で輸入が前年を大幅に下回ったこともあり、輸入量が減少した。

次いで減少率が高かったのは、ごぼうで3778トン(同466トン減、11%減)となった。前年は、国内産の作柄不良により輸入が増加したが、本年は、国内産の生育は平年並みであったこともあり、輸入量が減少したとみられる(表2)。

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(3) 冷凍野菜等

冷凍野菜の輸入量は、えだまめが前年をかなりの程度下回ったものの、えんどう、いちご、ブロッコリーなどどの品目において、前年を大幅に上回ったことから、全体では10%増と前年をかなりの程度上回った(図3)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのはえんどうで、1347トン(同287トン増、27%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の579トン、第2位がアメリカの355トンであった。前月の輸入量が少なかったことから、在庫調整により輸入量が増加したとみられる。

えんどうに次いで増加率が高かったのはいちごで、2868トン(同585トン増、26%増)となった。国別の内訳は第1位がチリの1005トン、第2位がエジプトの792トンであった。前月の輸入量が少なかったことなどによる在庫調整のため、輸入量が増加したとみられる。

次いで増加率の高かったのはブロッコリーで、4821トン(同925トン、24%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の2433トン、第2位がエクアドルの2276トンであった。生鮮と同様、昨秋の天候不順の影響により、国産価格が高騰した影響で、輸入量が増加したとみられる。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはえだまめで6823トン(同609トン減、8%減)となった。国別の内訳は、第1位が台湾の2676トン、第2位がタイの1918トンであった。居酒屋などの外食需要の減少に伴い、輸入量が減少したとみられる(表3)

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生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1335トン(同494トン減、27%減)、トマト加工品のトマトピューレ等関割で2151トン(1369トン増、175%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで、3135トン(同955トン増、44%増)などであった。

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