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需給動向 1 (野菜情報 2018年5月号)


1 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(平成30年3月)

野菜需給部 調査情報部


【要約】

 東京都中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量が13万737トン、前年同月比102.4%、価格は1キログラム当たり259円、同99.1%となった。
 大阪市中央卸売市場における野菜の入荷は、入荷量は4万1225トン、同110.0%、価格は1キログラム当たり230円、同95.0%となった。
 日照時間も長くなり、気温の上昇と適度な降雨にも恵まれたことから、各産地とも生育が回復した。価格は、昨年は不作により高騰したばれいしょは、前年の半値以下となり大幅に前年を下回った。

(1)気象概況

上旬は、低気圧と高気圧が交互に通過したが、日本の東で高気圧の勢力が強く、低気圧が発達しながら日本海を北東に進むことが多かった。低気圧に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込み、各地で大雨となったほか、1日は近畿地方と関東地方で、5日は九州南部・奄美地方で「春一番」が吹いた。また、8日から9日にかけて、北海道では記録的な大雨と急速な雪解けの影響で、低地の浸水や河川の増水などによる被害が発生した。降水量は、北日本日本海側で平年と比較して292%、北日本太平洋側で同569%、東日本太平洋側で同436%となり、それぞれ上旬では昭和36(1961)年の統計開始から1位の多雨となった。また、北日本日本海側の日照時間は平年と比較して53%となり、上旬では昭和36(1961)年の統計開始から1位の寡照となった。

中旬は、低気圧と高気圧が交互に通過したが、東日本、西日本や沖縄・奄美を中心に移動性高気圧に覆われて晴れた日が多かった。日本付近を寒冷前線が南下し、大陸から一時的に寒気が流れ込む日はあったものの、低気圧は日本の北を東進することが多く、日本付近は南よりの非常に暖かい空気が流れ込んだ日が多かった。

下旬は、はじめは低気圧が南岸を東進し、東北地方や関東甲信地方の内陸や山沿いを中心に大雪となった所があり、西日本では前半にかけて寒気が流れ込んだ。その後は、移動性高気圧に覆われて全国的に晴れた日が多かった。南高北低の気圧配置となって南よりの暖かい空気が流れ込み、北日本から西日本にかけては気温がかなり高く、28日から30日にかけては各地で3月としては、記録的な高温となった。平均気温は、北日本で平年差プラス3.0度、東日本でプラス3.7度となり、いずれも3月下旬としては昭和36(1961)年の統計開始から1位の高温となった。また、日照時間は、北日本日本海側で平年と比較し159%、東日本日本海側で167%、西日本日本海側で平年と比較して184%、西日本太平洋側で平年と比較して173%、となり、いずれも3月下旬としては昭和36(1961)年の統計開始から1位の多照となった。(図1)。

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(2)東京都中央卸売市場

3月の東京都中央卸売市場における野菜全体の入荷状況は、入荷量が13万737トン、前年同月比102.4%、価格は1キログラム当たり259円、同99.1%となった(表1)。

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気温の上昇に加え適度な降雨と日照時間により、各品目とも生育が回復し順調な入荷となった。根菜類は、だいこんが前年並みであったのに対し、にんじんは大幅に前年を下回った。葉茎菜類は、全般的に入荷量が増え、特にレタス類は前月比約1.3倍となった。果菜類は、なす、ピーマンが生育不良で前年を下回ったが、きゅうり、トマトは上回った。土物類は、前年が不作だったばれいしょは前年よりもやや上回った。

価格は、気温の上昇に加え適度な降雨と日照時間により、各品目とも生育が回復し、多くの品目で下旬にかけて価格を下げ、ばれいしょは半値以下となった。

類別の動向は以下の通り。

ア 根菜類

入荷量は、だいこんは前年並みであったが、にんじんは大幅に前年を下回った。

価格は、だいこんは下旬にかけて下がったものの、上中旬の高値の影響で前年を大幅に上回った。にんじんも高値だった前年をかなり上回った(図2)。

イ 葉茎菜類

入荷量は、天候の回復から全体的に前年を上回ったが、特に高値の続いていたはくさい、ほうれんそう、レタス類は前月を大きく上回った。

価格は、はくさい、キャベツ類は上旬の高値から月間では前年を上回った。ほうれんそう、レタス類は前年をかなり下回り、ねぎは前年をかなり上回った(図3)。

ウ 果菜類

入荷量は、きゅうり、トマトで前年をやや上回ったが、なすは低温からの生育不良により前年を大幅に下回り、ピーマンも生育不良から前年をかなり下回った。

価格は、きゅうり、なすは前年をかなり上回り、ピーマンは安値だった前年を大幅に上回ったがトマトは入荷が順調であったことから前年をやや下回った。(図4)。

エ 土物類

入荷量は、ばれいしょは前年をやや上回ったが、さといもは小玉傾向で前年を大幅に下回ったほか、たまねぎはかなり前年を下回った。

価格は、ばれいしょが前年の約4割と安値になったほか、さといもは前年をかなり上回ったが、たまねぎは需要が堅調であったことから前年をわずかに下回った。(図5)。

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なお、品目別の詳細については表2の通り。

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(3)大阪市中央卸売市場

3月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が4万1225トン、前年同月比110.0%、価格は1キログラム当たり230円、同95.0%となった(表3)。

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前月までの低温から一転して、各地で急激に気温が上昇し高温が続いた。上旬、中旬には降水量が多かったが長く続くことはなく、日照時間は中旬以降に多かったことから生育が進み、特に葉茎菜類の入荷量は前年を上回った。

価格は、急落した葉茎菜類の影響から前年を下回ったが、前月まで高騰が続いたため平年をやや上回る程度となった。

類別の動向は以下の通り。

ア 根菜類

入荷量は、だいこんは、前年よりやや下回ったが、にんじんはかなり大きく下回った。

価格は、だいこんは下旬にかけて下がったものの月間では前年比1.3倍となり、にんじんも絶対量不足から前年比で約1.3倍と大幅に上回った。

イ 葉茎菜類

入荷量は、気温の上昇から全体的に前年をかなり上回った。特にレタス類では約1.5倍と前年を大幅に上回った。

価格は、はくさい、ほうれんそう、レタス類では前年を下回ったが、キャベツ類とねぎは前年を上回った。

ウ 果菜類

入荷量は、きゅうり、トマトは前年をかなり大きく上回った。なすは前年並み、ピーマンは前年をやや下回った。

価格は、きゅうり、なすはピーマンは前年を上回った。トマトは前年をかなりの程度、下回った。

エ 土物類

入荷量は、ばれいしょが不作だった前年の1.3倍となったが、さといもは前進出荷の影響、たまねぎは生育遅延から大幅に前年を下回った。

価格は、ばれいしょで前年の約4割と大幅に下回ったが、さといも、にんじんは前年をやや上回った。

なお、品目別の詳細については表4の通り。

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(4)首都圏の需要を中心とした5月の見通し

3月から4月上旬に長く晴天が続いたが、5月以降は季節の進みが早いとの報道もあり、ちょうど、この時期、結実期にあたるメロン・すいか類では大玉で高品質なものが期待できるのではないかと見込んでいる。

5月に入ると、西南暖地産や関東平野で生産された野菜が潤沢に入荷され、食卓を大いに賑わす季節となる。東北の産地では4月に遅い降雪もあったが、基本的には生育は早まると予想され、だいこんやキャベツなどは断続的な入荷が期待できると見込んでいる。ただし、日中の高温が予想されていることに加え、夜温が下がらない状態になると果菜類の生育が停滞することも想定される。また、季節外れの高温により、家庭での日持ちが悪くなることも想定されるので、早めに調理して召し上がっていただきたい。

産地側の事情として、この時期は全国的に田植えも始まることから、野菜の出荷が後手に回るという状況も想定される。また、このまま梅雨に突入すると、春を飛び越して夏に突入するという展開も見込まれ、ハウスの温度管理にも気を使う日々が続くと思われる。

根菜類 根菜

だいこんは、千葉産は月上旬がピークで月末まで出荷が続く。肥大・生産量ともに例年並である。青森産は、例年、連休明けからハウス栽培の出荷が本格的に始まるが、今年はスタートが早まると予想される。

にんじんは、徳島産の出荷が徐々に増え、月中旬から月中旬までピーク続く。サイズ的にはMS中心の小振りが中心の出荷となり、肥大の回復は月下旬と予想している。そのため豊作だった前年に比べると不作となるのではと予想している。千葉県の春にんじんは5月中旬ごろから出荷が始まり月にピークとなるが、作付けは微増傾向である。

宮崎産、鹿児島産が月中旬から本格的に出荷される新ごぼうは、月から月の低温の影響を受けておらず、平年並を見込んでいる。ごぼうは、作付け面積が増えており平年より多い出回りを予想しているが、気温が上昇してからの火山灰の飛散によっては、出荷に影響が出る可能性もある。

葉茎菜類葉茎菜類

キャベツは、神奈川産で再定植や月から月の低温、干ばつにより、月から月前半の出荷が大きく遅れたが、月中旬頃から本格化し月10日ごろまでがピークで、出荷は月まで続く見込み。サイズ、出荷量ともに平年並みを見込んでいる。千葉県は月中旬から月の連休ごろ回目のピーク、回目のピークは月初旬頃で月いっぱいの出荷を予想している。サイズについては平年並みと予想している。

はくさいは、茨城産は春はくさいのピークとなるが、好天続きで週間ほどの前倒しとなっている。月も引続きピーク続くものの、月よりも減ってくると予想している。通常は月始め頃まであるが、切り上がりが早まる可能性も。

ねぎは、茨城産の夏ねぎは生育は非常に順調で月から月がピークとなる。作付面積は微増であり、さらに肥大も良好で前年を上回る見込み。千葉産は月から夏ねぎが始まってくるが、品質に乱れの大きかった秋冬物よりも真っ直ぐで肥大も回復してくると予想している。

レタスは、長野産の準高冷地の産地では生育が順調で、出荷は平年より始まりピークは月となる見込み。作付けは前年並である。茨城産は月15日頃から連休までピークで、その後は初夏レタスに切り替わる。6月に入り切り上がるが、現状は肥大も良好で前年より順調である。

ブロッコリーは、埼玉産は月に入り急増し、連休はやや少なめを見込んでいる。月は中旬も出荷が続くが月間の総量としては少なめの可能性もある。

果菜類果菜類

きゅうりは、宮崎産の生育は順調で月に続き月も豊作で最大のピークは月中旬頃と予想している。群馬産は月に入り生産のサイクルが早まっているが、月についても引続き順調で出荷が増えてくると予想している。

なすは、高知産で月下旬からの出荷ピークが4月下旬にいったん落ち着く見込み。その後、連休にかけてピークが来ると予想している。昨年と同様に好天が続けば月いっぱいまで出荷できると予想している。ピークを迎えている福岡産の長なすは、天候に恵まれて1ヵ月近く前進している。樹がしっかりしており、出荷は月まで続く。

トマトは、熊本産は前年より多めの出荷となっており、ピークは連休前頃から連休にかけてで、月20日頃まで出荷が続く。サイズはM中心のLと平年並である。栃木産は連休にかけて出荷のピークとなり、月いっぱい続くと見込んでいる。品種は、桃太郎系と麗容が中心となり、生育は極めて順調だが、やや小玉傾向と予想される。

ミニトマトは、熊本産で4月に入り花付きが良くなっており、生育も順調で、気温の上昇とともに月中旬から出荷量が増えてピークが続くと予想している。

ピーマンは、茨城産の春ピーマンの生育は順調で月から月に出荷がピークとなる見込み。

にがうり(ゴーヤ・レイシ)は、沖縄県で月から月にかけて少雨傾向だったことから、作柄は良好で「ゴーヤの日(日)」には出荷が間に合う見込み。最大のピークは遅れ気味で、月後半になる見込み。

メロンは、茨城産の貴味たかみメロンはハウス産が月末頃から出荷が始まるが平年並みのペースを見込む。トンネル栽培は生産者が減っており、月は平年より少なめの出荷を見込む。

すいかは、熊本産で月から月の低温の影響により一週間程度の遅れがみられる。さらに着果が順調でないものもあり、月までは平年を下回る出荷を見込んでいる。連休には出荷が回復し、連休明けから中旬頃がピークとなる。作付面積は95%と微減傾向だが、大玉で高品質の仕上がりが見込まれる。

豆類豆類

そらまめは、鹿児島産で月上旬にまとまって出荷されるが、その後はかなり減っていくが月間総量は平年並みを見込む。

グリーンピースも鹿児島産からの出荷が月以降に急増し、月後半にかけてピークとなり徐々に数量を減らして月上旬まで出荷される見込み。

えだまめは、月下旬からの好天で生育が急回復しており、関東地区のハウス産は月から出荷が本格化する。昨年と異なり、種子不足の懸念もなく順調に生産が行われている。露地物は関東の平野部は高齢化により若干の減少もあるが、群馬の中山間地・東北は機械化の進展もあって面積は前年並みとなる見込み。えだまめの作業は稲刈り前に終了できるので、面積減少の不安はないようである。

(執筆者:千葉県立農業者大学校 講師 加藤 宏一)

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