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需給動向 2 (野菜情報 2018年3月号)


2 野菜の輸入動向(平成29年12月)

野菜需給部


【要約】

 12月の輸入量は、昨年秋の天候不順の影響によりキャベツやレタスなどの生鮮野菜の増加により、全体では3%の増加となった。
 また、平成29年通年では、生鮮野菜は前年並みだったものの、冷凍野菜、トマト加工品などの増加により、全体では5%の増加となった。

(1)平成29年12月(速報値)

平成29年12月の野菜輸入量は、24万5083トン(前年同月比6773トン増、3%増)となった。類別で見ると、輸入量が類別で最多の冷凍野菜が前年をやや下回ったものの、輸入量の34%を占める生鮮野菜が前年をかなりの程度上回ったことから、全体の輸入量は前年同月比3%増と前年をやや上回り、5ヵ月ぶりに前年を上回った(図1、表1)。

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(2)生鮮野菜

生鮮野菜の輸入量は、ブロッコリーやごぼうが前年を大幅に下回ったものの、キャベツや結球レタスなどの主要な品目が大幅に上回ったことから、全体での輸入量は前年同月比6%増と、前年をかなりの程度上回り、7カ月ぶりに前年を上回った(図2)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのはキャベツで、5075トン(同2858トン増、129%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の5006トン、第2位が韓国の37トンであった。関東産が昨秋の天候不順および台風の影響により、国産の価格が高騰したことから、輸入量が増加したとみられる。

次いで増加率が高かったのは結球レタスで、3746トン(同1256トン増、50%増)となった。国別の内訳は、第1位が台湾の2142トン、第2位が米国の1168トンであった。キャベツと同様に、国産が昨秋の天候不順および台風の影響により価格が高騰したことから、輸入量が増加したとみられる。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはブロッコリーで、1517トン(同676トン減、31%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の1035トン、第2位が中国の263トンであった。米国の主産地が高温の影響で不作であったことから、輸入量が減少したとみられる。

次いで減少率が高かったのはごぼうで、4049トン(同809トン減、17%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の4013トン、第2位が台湾の36トンであった。前年は国産が8月の台風の影響により価格が高騰し、輸入量が多かったことから、対前年で輸入量が減少した。

次いで減少率が高かったのはかぼちゃで、1万4388トン(同1882トン減、12%減)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの1万4138トン、第2位がニューカレドニア(仏)の175トンであった。前年は、ごぼうと同様に国産が台風の大雨の影響により価格が高騰し、輸入量が多かったことから、対前年で輸入量が減少した(表2)

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(3)冷凍野菜等

冷凍野菜の輸入量は、えんどうおよびえだまめが前年を上回ったものの、いちごやさといもが前年をかなり大きく下回ったことから、全体では3%減と前年をやや下回り、10カ月ぶりに前年を下回った(図3)。

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主な品目のうち増加率が高かったのはえんどうで、1177トン(同305トン増、35%増)となった。第1位が中国の685トン、第2位が米国の270トンであった。国産が昨秋の天候不順および台風の影響により価格が高騰したことから、業務用需要もあり、輸入量が増加したとみられる。

えんどうに次いで増加率が高かったのはえだまめで、4681トン(同232トン増、5%増)となった。国別の内訳は、第1位が台湾の1727トン、第2位が中国の1618トンであった。えんどうと同様に、業務用との契約産地が昨秋の天候不順などの影響で生産が減少したことから、輸入量が増加したとみられる。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはいちごで、1905トン(同652トン減、26%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1287トン、第2位がペルーの234トンであった。在庫調整により、輸入量が減少したとみられる。

いちごに次いで減少率が高かったのはさといもで、3181トン(同429トン減、12%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の3180トン、第2位が台湾の1トンであった。中国産の作柄が良好であったものの、国内需要が強く中国内で消費されたこともあり、輸入量が減少したとみられる。

次いで減少率が高かったのはスイートコーンで、3793トン(同505トン減、12%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2265トン、第2位がタイの914トンであった。前年が、天候不順により国産の在庫が少なかったことや、ファストフードなどの需要が堅調で輸入量が多かったことから、対前年で輸入量が減少したとみられる(表3)

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生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、酢調製野菜のしょうがで、1819トン(同301トン増、20%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで、2391トン(同596トン増、33%増)などであった。

(4)平成29年の輸入動向

29年の全体の輸入量は、275万2129トン(同12万819トン増、5%増)となった。

類別では、生鮮野菜が、上半期ではキャベツやにんじんなどの主要な品目が、国産の天候不順の影響などから前年を上回ったことから、生鮮野菜全体も上回ったものの、下半期では、にんじんやたまねぎなどをはじめとした国産が作柄良好であり、生鮮野菜全体の輸入量が減少したことから、年間の輸入量は86万2085トン(同331トン減、0%減)と前年並みであった。その他、冷凍野菜が102万5877トン(同6万4307トン増、7%増)、塩蔵等野菜が8万6383トン(同668トン増、1%増)、乾燥野菜が4万6248トン(同2167トン増、5%増)、酢調製野菜が3万5624トン(同112トン増、0%増)、トマト加工品が25万7364トン(同2万7053トン増、12%増)、その他調製野菜が41万7228トン(同2万4809トン増、6%増)、その他が2万1320トン(同2035トン増、11%増)となり、生鮮野菜を除く全ての類別で前年を上回った。

また、輸入金額は、28年に比べ円安傾向だったことや、中国などで人件費の高騰により輸入価格が上がったことなどの影響により、前年をかなりの程度上回ったとみられる(図4)。

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