野菜需給部
9月の野菜の輸入量は、冷凍野菜、トマト加工品、その他調製野菜などが増加したものの、にんじんやたまねぎなどの減少により生鮮野菜が大幅に減少したことから、全体では5%の減少となった。
平成29年9月の野菜輸入量は、20万1520トン(前年同月比1万42トン減、5%減)となった。類別で見ると、輸入量の41%を占める冷凍野菜は前年を上回ったものの、生鮮野菜等が前年を大幅に下回ったことから、全体の輸入量は前年同月比5%減と前年をやや下回り、2ヵ月連続で前年を下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、キャベツやにんにくが前年を上回ったものの、にんじんやたまねぎなどの主要な品目が大幅に下回ったことや、ブロッコリーが前月に引き続き前年を大幅に下回ったことから、全体での輸入量は前年同月比29%減と、前年を大幅に下回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはキャベツで、2213トン(同865トン増、64%増)となった。全量が中国からの輸入であった。春先までの国産の高値および品薄感により、業務用の手配を行ったことや、8月の天候不順による国産の価格の高騰により、輸入量が増加したとみられる。
キャベツに次いで増加率が高かったのはにんにくで、1874トン(同158トン増、9%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1711トン、第2位がスペインの119トンであった。前年が中国産の天候不良や人件費などの高騰により輸入単価が高く、輸入量が少なかったことから、増加したとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはにんじんで、5750トン(同9512トン減、62%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の5633トン、第2位が豪州の109トンであった。国産の出荷が順調であったことから、輸入量が減少したとみられる。
次いで減少率が高かったのはブロッコリーで、1675トン(同1480トン減、47%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の1558トン、第2位が豪州の118トンであった。前月に引き続き、前年が国産が不作で高かったことに加え、本年の国産の出荷が順調であったことから、輸入量が大幅に減少したとみられる。
次いで減少率が高かったのはたまねぎで、2万1557トン(同9789トン減、31%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2万1398トン、第2位が米国の133トンであった。一昨年並の輸入量であったものの、前年の国産が台風による出荷減で輸入量が多かったことから、輸入量が減少したとみられる。
冷凍野菜の輸入量は、ブロッコリーおよびさといもが前年を下回ったものの、輸入量の多いばれいしょをはじめ、ほうれんそう等が前年を上回ったことから、全体では10%増と前年をかなりの程度上回り、7カ月連続で前年を上回った(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのはばれいしょで、2万9049トン(同4467トン増、18%増)となった。第1位が米国の2万1108トン、第2位がオランダの2272トンであった。ファストフードなどの国内需要が引き続き堅調であることから、輸入量が増加したとみられる。
ばれいしょに次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、3694トン(同480トン増、15%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の3585トン、第2位がイタリアの55トンであった。総菜商品などの販売促進による需要が増えており、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはいちごで、3193トン(同409トン増、15%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1635トン、第2位が米国の784トンであった。業務用需要が高まっていることもあり、輸入量が増加したとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはブロッコリーで、3725トン(同216トン減、5%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1815トン、第2位がエクアドルの1757トンであった。前月の輸入量が多かったため、在庫調整により、輸入量が減少したとみられる。
ブロッコリーに次いで減少率が高かったのはさといもで、2576トン(同63トン減、2%減)となった。全量が中国からの輸入であった。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで、1077トン(同647トン増、150%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで、4583トン(同1442トン増、46%増)などであった。