野菜需給部
8月の野菜の輸入量は、冷凍野菜、その他調製野菜などが増加したものの、生鮮野菜、トマト加工品が減少したことから、全体では1%の減少となった。
平成29年8月の野菜輸入量は、21万4708トン(前年同月比1417トン減、1%減)となった。類別で見ると、冷凍野菜、その他調製野菜は前年を上回ったものの、輸入量の26%を占める生鮮野菜や、トマト加工品が前年を下回ったことから、全体の輸入量は前年同月比1%減と前年をわずかに下回り、15カ月ぶりに前年を下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、ばれいしょやキャベツが前年を大幅に上回ったものの、ブロッコリーが前月に引き続き前年を大幅に下回ったほか、にんじんやたまねぎなどの主要な品目が下回ったことから、全体での輸入量は前年をやや下回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはばれいしょで、1732トン(同1729トン増、5万7633%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の1715トン、第2位が中国の17トンであった。業務用の輸入は例年7月まで行われるが、本年は天候不順の影響による国産原料の不足感から、8月も前年を大幅に上回る輸入量となった。
ばれいしょに次いで増加率が高かったのはキャベツで、1427トン(同449トン増、46%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1416トン、第2位が米国の10トンであった。加工、半加工などの需要が堅調なため、輸入量が大幅に増加したとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはブロッコリーで、1322トン(同925トン減、41%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の1194トン、第2位が豪州の128トンであった。前月に引き続き、前年が国産が不作で高かったことに加え、本年の国産の出荷が順調であったことから、輸入量が大幅に減少したとみられる。
次いで減少率が高かったのはにんじんで、6187トン(同1155トン減、16%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の6024トン、第2位が豪州の152トンであった。国産の出荷が順調であったことから、輸入量が減少したとみられる。
次いで減少率が高かったのはしょうがで、1696トン(同136トン減、7%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1627トン、第2位がタイの44トンであった。前月に引き続き、中国産が生育期の多雨などの天候不順による作柄不良により輸入価格が上昇したことから、輸入量が減少したとみられる(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、スイートコーンおよびさといもが前年を下回ったものの、輸入量の多いばれいしょを始め、ブロッコリーなどが前年を上回ったことから、全体では2%増と前年をわずかに上回った(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのはブロッコリーで、4552トン(同518トン増、13%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2303トン、第2位がエクアドルの1978トンであった。家庭での消費も増えていることもあり、輸入量が増加したとみられる。
ブロッコリーに次いで増加率が高かったのはいちごで、2287トン(同198トン増、9%増)となった。第1位が中国の1322トン、第2位がモロッコの300トンであった。業務用需要が高まっていることもあり、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはばれいしょで、3万2682トン(同2506トン増、8%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2万3756トン、第2位がベルギーの3796トンであった。ファストフードなどの国内需要が引き続き堅調であり、国産での加工用の数量確保が難しいことなどから、全体で輸入量が増加したとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはスイートコーンで、3654トン(同1069トン減、23%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2143トン、第2位がタイの775トンであった。米国産は、前年の輸入量がファストフードの需要が堅調なこともあり増加したことから、輸入量が減少したとみられる。
スイートコーンに次いで減少率が高かったのはさといもで、2337トン(同422トン減、15%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2331トン、第2位が台湾の4トンであった。関東の主産地が好天により作柄が良好であったことから、輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、酢調製野菜のしょうがで、1648トン(同339トン増、26%増)、その他調製野菜のスイートコーンで、5812トン(同497トン増、9%増)、にんじんジュースで、3490トン(同455トン増、15%増)などであった。