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需給動向 2 (野菜情報 2017年10月号)


2 野菜の輸入動向(平成29年7月)

野菜需給部


【要約】

 7月の野菜の輸入量は、生鮮野菜や乾燥野菜などが前年より減少したものの、冷凍野菜やその他調製野菜などが増加したことから、全体では1%の増加となった。

(1) 平成29年7月(速報値)

平成29年7月の野菜輸入量は、22万8441トン(前年同月比1356トン増、1%増)となった。類別に見ると、生鮮野菜では前年をかなり大きく下回ったものの、輸入量全体の41%を占める冷凍野菜で前年をかなり大きく上回ったことから、全体の輸入量は前年同月比1%増と前年をわずかに上回り、14カ月連続で前年を上回った(図1、表1)。

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(2) 生鮮野菜

生鮮野菜の輸入量は、かぼちゃやばれいしょが前年を大幅に上回ったものの、ブロッコリーが前月に引き続き前年を下回ったほか、たまねぎ等の主要な品目が大幅に減少したことから、全体では、13カ月ぶりに前年を下回った(図2)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのはかぼちゃで、1562トン(同542トン増、53%増)となった。国別の内訳は、第1位が韓国の1059トン、第2位がメキシコの501トンであった。メキシコ産の主産地の切り上がりが早かったことや、韓国産は前年が輸入量調整で平年より少なかったことから、輸入量が増加した。

かぼちゃに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、5660トン(同1158トン増、26%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の5644トン、第2位が中国の16トンであった。国産の出荷減や、加工業務用の国内需要が堅調なため、輸入量が大幅に増加したとみられる。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはブロッコリーで、1166トン(同814トン減、41%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の1088トン、第2位が豪州の78トンであった。国産の出荷が順調であったことから、輸入量が減少したとみられる。

次いで減少率が高かったのはたまねぎで、2万4032トン(同8072トン減、25%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2万690トン、第2位が豪州の1956トンであった。主な輸入国である中国の5月までの輸入量が多かったことから、在庫調整により輸入量が減少したとみられる。

次いで減少率が高かったのはしょうがで、1436トン(同404トン減、22%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1367トン、第2位がタイの44トンであった。中国の主産地における生育期の多雨などの天候不順による輸入価格の上昇や、生産コストの上昇などにより、輸入量が減少したとみられる(表2)。

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(3) 冷凍野菜等

冷凍野菜の輸入量は、ばれいしょ、スイートコーンなど、主要な品目の多くが前年を上回ったことから、全体では11%増と前年をかなり大きく上回った(図3)。

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主な品目のうち増加率が高かったのはいちごで、2530トン(同448トン増、22%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1016トン、第2位がモロッコの761トンであった。在庫調整により、輸入量が増加したとみられる。

いちごに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、3万6218トン(同5240トン増、17%増)となった。第1位が米国の2万5230トン、第2位がベルギーの3868トンであった。ファストフードなどの国内需要が引き続き堅調なことから、全体で輸入量が増加したとみられる。

次いで増加率が高かったのはスイートコーンで、5335トン(同642トン増、14%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の3443トン、第2位がタイの979トンであった。ファストフードなどの国内需要が引き続き堅調であり、タイ産などが大きく増加したことから、全体で輸入量が増加したとみられる。

一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはさといもで、2166トン(同171トン減、7%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2165トン、第2位がエクアドルの1トンであった。九州の主産地が好天により出荷が豊富であったことから、輸入量が減少したとみられる(表3)。

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生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、その他調製野菜のスイートコーンで、5561トン(同1029トン増、23%増)、しょうが(その他)で、2022トン(同332トン増、20%増)などであった。

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