野菜需給部
6月の野菜の輸入量は、生鮮野菜が前年並みとなったものの、前月に引き続き冷凍野菜やトマト加工品、その他調製野菜などが増加したため、全体でも6%の増加となった。
平成29年6月の野菜輸入量は、24万8610トン(前年同月比1万3823トン増、6%増)となった。類別に見ると、生鮮野菜を除くすべての類別で前年を上回ったことから、全体の輸入量は前年同月比6%増と前年をかなりの程度上回り、13カ月連続で前年を上回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、にんじんやジャンボピーマンが前年を大幅に上回ったものの、ブロッコリーやかぼちゃが大幅に減少したことから、全体では、12カ月ぶりに前年並みの輸入量となった(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはにんじんで、8711トン(同2204トン増、34%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の8456トン、第2位がニュージーランドの124トンであった。中国産は、好天により価格が対前年比で大幅に下落したことや、前年の輸入量が天候不順により平年より少なかったことから、一昨年並みの輸入量であったものの、輸入量が増加した。
にんじんに次いで増加率が高かったのはジャンボピーマンで、5744トン(同1043トン増、22%増)となった。国別の内訳は、第1位が韓国の5529トン、第2位がオランダの198トンであった。主産地である韓国産の生育が順調であったことから、輸入量が大幅に増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはキャベツで、1626トン(同251トン増、18%増)となった。全量が中国からの輸入であった。前年の国内の天候不順により、春先まで価格が高かったことから、輸入量が増加したとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはブロッコリーで、1325トン(同767トン減、37%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の1120トン、第2位がメキシコの136トンであった。国産の出荷が順調であったことから、輸入量が減少したとみられる。
次いで減少率が高かったのはかぼちゃで、5861トン(同2830トン減、33%減)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの5856トン、第2位が米国の5トンであった。メキシコ産は生育が前進したことで、4月に輸入が集中したため5月および6月の輸入量が減少したとみられる(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、えんどうやえだまめが前年をかなり大きく下回ったものの、ほうれんそう等、いちご、スイートコーンなどが前年をかなりの程度上回ったことから、全体では3%増と前年をやや上回った(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのはほうれんそう等で、3399トン(同405トン増、14%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の3256トン、第2位がベトナムの41トンであった。国産の天候不順による出荷減により、輸入量が増加したとみられる。
ほうれんそう等に次いで増加率が高かったのはいちごで、2669トン(同304トン増、13%増)となった。第1位が中国の864トン、第2位がエジプトの623トンであった。販促用の商品開発、商品展開の多様化による業務需要が高まったことにより、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはスイートコーンで、4858トン(同409トン増、9%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の3381トン、第2位がタイの777トンであった。ファストフードなどの国内需要が引き続き堅調であり、タイ産などが大きく増加したことから、全体で輸入量が増加したとみられる。
一方、主な品目のうち最も減少率が高かったのはえんどうで、1032トン(同188トン減、15%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の525トンl、第2位が米国の246トンであった。5月の輸入量が前年比26%増と大幅に増加したことから、在庫調整により輸入量が減少したとみられる。
えんどうに次いで減少率が高かったのはえだまめで、7763トン(同1114トン減、13%減)となった国別の内訳は、第1位が台湾の3563トン、第2位がタイの1914トンであった。台湾産の輸入量が前年並みであったものの、タイの主産地が天候不順により、輸入量が前年比27%減と大幅に減少したことから、全体の輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで、1891トン(同240トン増、15%増)、その他調製野菜のばれいしょで、1188トン(同667トン増、128%増)、にんじんジュースで、4099トン(同621トン増、18%増)などであった。