野菜需給部
3月の野菜の輸入量は、生鮮野菜や冷凍野菜などが前年を大きく上回ったことから、全体では13%とかなりの増加となった。
平成29年3月の野菜輸入量は、26万238トン(前年同月比3万537トン増、13%増)となった。類別に見ると、塩蔵等野菜で大幅に下回ったものの、輸入量全体の71%を占める生鮮野菜および冷凍野菜が前年を上回ったことから、全体の輸入量は同13%増と前年をかなり大きく上回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、ブロッコリーやかぼちゃが前年と比較して大幅に減少したものの、キャベツやにんじんをはじめとした主要な品目が大幅に増加したことから、全体では、15%増と前年をかなり大きく上回り、9カ月連続の増加となった(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはキャベツで、7321トン(同6539トン増、837%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の6886トン、第2位が台湾の236トンであった。前月に引き続き中国産が作柄良好により、輸入価格が対前年比で下落したことや、干ばつや低温で国産の出荷量が減少し高値であったこともあることから、輸入量が増加したとみられる。
キャベツに次いで増加率が高かったのはにんじんで、1万511トン(同4834トン増、85%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の7972トン、第2位がベトナムの1172トンであった。中国産の輸入価格が対前年比で大幅に下落したことや、国産が天候不順による大幅な出荷量の減少で価格が高騰したことから、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはたまねぎで、2万8338トン(同1万1605トン増、69%増)と5カ月連続の増加となった。国別の内訳は、第1位が中国の2万3564トン、第2位がニュージーランドの3568トンであった。中国の主産地の生育が順調であったことや前年の国産価格が安く、輸入量が少なかったこともあり、輸入量が増加したとみられる。
主な品目のうち最も減少率が高かったのはブロッコリーで、885トン(同1547トン減、64%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の552トン、第2位がメキシコの250トンであった。国産が今年に入ってから好天により出荷量が増加したことにより、輸入量が減少したとみられる。
次いで減少率が高かったのはかぼちゃで、1万1604トン(同1万2205トン減、51%減)となった。国別の内訳は、第1位がニュージーランドの1万1277トン、第2位がメキシコの327トンであった。ニュージーランド産が天候不順による大幅な出荷量の減少に加え、輸入価格が対前年比でかなりの程度上昇したことから、輸入量が減少したとみられる(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、ブロッコリー、ほうれんそう等、スイートコーンなどが前年を大幅に上回るなど、主要な品目が前年を上回ったことから、全体では16%増と前年を大幅に上回った(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのはブロッコリーで4401トン(同1374トン増、45%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2066トン、第2位がエクアドルの2051トンであった。加工業務用の需要が堅調であること、前年の中国産の天候不順などによる輸出量の減少から在庫調整のため、輸入量が増加したとみられる。
ブロッコリーに次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、3894トン(同1046トン増、37%増)と6カ月連続の増加となった。第1位が中国の3554トン、第2位がベトナムの145トンであった。国産が天候不良による出荷量の減少に加え、業務用需要の増加で、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはスイートコーンで、4456トン(同1004トン増、29%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の3041トン、第2位がタイの692トンであった。米国産は前年の輸入量が天候不良により減少したことから、一昨年並みの輸入量であったものの、輸入量が増加した。
主な品目のうち最も減少率が高かったのはいちごで、1579トン(同374トン減、19%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の710トン、第2位が米国の392トンであった。前年12月および1月の輸入量が多かったために、在庫調整で3月は輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで1560トン(同1446トン減、48%減)、その他調製野菜のにんじんジュースで2625トン(同1212トン増、86%増)などであった。