野菜需給部
2月の野菜の輸入量は、キャベツやにんじんの増加により生鮮野菜の輸入量が前年を上回ったものの、冷凍野菜などが前年を下回ったことから、全体では前年並みとなった。
平成29年2月の野菜輸入量は、19万2756トン(前年同月比454トン増、0%増)となった。類別に見ると、生鮮野菜およびトマト加工品が前年を上回ったものの、冷凍野菜、乾燥野菜などの類別で前年を下回ったことから、全体の輸入量は前年同月並みとなった(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、結球レタスやブロッコリーが前年と比較して大幅に減少したものの、特にキャベツや生鮮野菜全体の27%を占めるたまねぎが大幅に増加したことから、全体では、10%増と前年をかなりの程度上回り、8カ月連続の増加となった(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはキャベツで、4420トン(同3508トン増、385%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の4220トン、第2位が豪州の77トンであった。中国産が作柄良好により、輸入価格が対前年比より下落したことや、1月以降の低温で国産の出荷量が減少し高値だったこともあることから、加工需要が増加したことにより、輸入量が増加したとみられる。
キャベツに次いで増加率が高かったのはにんじんで、6450トン(同2966トン増、85%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の5118トン、第2位がベトナムの737トンであった。中国産が天候不順で品質への影響があったものの、国産が天候不順による大幅な出荷減で価格が高騰したことから、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはたまねぎで、1万9269トン(同3068トン増、19%増)と4カ月連続の増加となった。国別の内訳は、第1位が中国の1万7665トン、第2位がタイの816トンであった。加工・業務用の加工・半加工などの需要が堅調なことから、輸入量が増加したとみられる。
主な品目のうち最も減少率が高かったのは結球レタスで、1755トン(同998トン減、36%減)となった。国別の内訳は、第1位が台湾の1692トン、第2位が米国の64トンであった。台湾産および米国産の天候不順による出荷減に加え、国産の価格が平年より安値傾向であったことから、輸入量が減少したとみられる。
次いで減少率が高かったのはブロッコリーで、1076トン(同395トン減、27%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の842トン、第2位がメキシコの169トンであった。国産が今年に入ってから好天により出荷量が多かったことにより、輸入量が減少したとみられる(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、さといも、ばれいしょなどが前年を下回るなど、主要な品目が前年を下回ったことから、全体では、8%減と前年をかなりの程度下回り、10カ月ぶりに減少となった(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのはスイートコーンで3833トン(同661トン増、21%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2858トン、第2位がタイの679トンであった。米国産は一昨年並の輸入量であったものの、前年が天候不良のため減少したことから、輸入量が増加したとみられる。
スイートコーンに次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、3220トン(同314トン増、11%増)と5カ月連続の増加となった。第1位が中国の2932トン、第2位が台湾の203トンであった。国産の天候不良による出荷減に加え、在庫調整および業務用需要の増加で、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはえだまめで、4288トン(同218トン増、5%増)となった。国別の内訳は、第1位が台湾の1833トン、第2位がタイの1174トンであった。在庫調整および台湾産が前年の輸入価格と比較して5%ほど下がったため、輸入量が増加したとみられる。
主な品目のうち最も減少率が高かったのはさといもで、1540トン(同925トン減、38%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1534トン、第2位がミャンマーの5トンであった。中国産の主産地の天候不順により、輸入量が減少したとみられる。
次いで減少率が高かったのはばれいしょで、2万4170トン(同4252トン減、15%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の1万7739トン、第2位がベルギーの1974トンであった(表3)。在庫調整により、輸入量が減少したとみられる。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで1878トン(同463トン増、33%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで2024トン(同270トン増、15%増)などであった。