野菜需給部
1月の野菜の輸入量は、生鮮野菜をはじめすべての類別で前年を上回ったことから、全体では23%と大幅な増加となった。
(1)平成29年1月(速報値)
平成29年1月の野菜輸入量は、22万9820トン(前年同月比4万2665トン増、23%増)となった。類別に見ると、すべての類別で前年を上回り、特に野菜の輸入量全体の67%占める生鮮野菜および冷凍野菜が、前年を大幅に上回ったことから、全体の輸入量は同23%増と前年をかなり大きく上回り、平成28年7月より8カ月連続の増加となった(図1、表1)。
(2)生鮮野菜
生鮮野菜の輸入量は、かぼちゃやねぎが前年と比較してわずかに減少したものの、特にばれいしょが大幅に増加したほか、生鮮野菜全体の29%を占めるたまねぎをはじめとした主要な品目が前年を大幅に上回ったことから、全体では、30%増と前年を大幅に上回り、7カ月連続の増加となった(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはばれいしょで、5337トン(同5331トン増、88850%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の5284トン、第2位が中国の53トンであった。業務用の輸入は例年2月から本格開始されるが、国産が前年の天候不順の影響による出荷減、またEU産が輸入量の減少による不足感から、前倒しの輸入となったとみられる。
ばれいしょに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、1274トン(同970トン増、319%増)と6カ月連続の増加となった。国別の内訳は、第1位が米国の909トン、第2位がメキシコの294トンであった。国産が前年の天候不順による出荷減で高値が続いた一方で、米国の主産地が天候に恵まれ出荷が良好だったことから、増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはキャベツで、2346トン(同1282トン増、121%増)と3カ月連続の増加となった。国別の内訳は、第1位が中国の1561トン、第2位がベトナムの664トンであった。国産が天候不順による出荷減で高値が続いたこと、また、外食用の加工・半加工品などの需要が増加したことから、輸入量が増加したとみられる。
主な品目のうち最も減少率が高かったのはかぼちゃで、1万1935トン(同360トン減、3%減)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの8309トン、第2位がニュージーランドの3626トンであった。メキシコ産の主産地の切り替わりによる生産量の減少により、輸入量が減少したとみられる。
次いで減少率が高かったのはねぎで、4302トン(同102トン減、2%減)となった。全量が中国からの輸入であった。(表2)。
(3)冷凍野菜等
冷凍野菜の輸入量は、いちご、ごぼう、ブロッコリーなどが前年を大幅に上回るなど、主要な品目が前年を上回ったことから、全体では、19%増と前年を大幅に上回り、8カ月連続の増加となった(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのはいちごで2769トン(同1094トン増、65%増)ととなった。国別の内訳は、第1位が中国の1459トン、第2位がペルーの569トンであった。季節にあわせた販促用の商品開発、商品展開などの業務需要が増加したことから、輸入量が増加したとみられる。
いちごに次いで増加率が高かったのはごぼうで、1009トン(同350トン増、53 %増)と4カ月連続の増加となった。全量が中国からの輸入であった。国産が天候不良の影響による出荷減で、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、4810トン(同1471トン増、44 %増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2579トン、第2位がエクアドルの2070トンであった。中国産が作柄良好により、輸入価格が対前年比65%と下落したことから、輸入量が増加したとみられる。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで2055トン(同233トン増、13%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで2197トン(同742トン増、51%増)、たけのこで8232トン(同2510ト増、44%増)などであった。