野菜需給部
11月の野菜の輸入量は、国内の天候不順の影響ではくさいやレタスなどの生鮮野菜の輸入量が大幅に増加したことから、全体でも20%と大幅な増加となった。
(1)平成28年11月(速報値)
平成28年11月の野菜輸入量は、23万8746トン(前年同月比4万438トン増、20%増)となった。類別に見ると、乾燥野菜を除くすべての類別が前年を上回り、特に輸入量全体の35%を占める生鮮野菜が前年を大幅に上回ったことから、全体の輸入量は前年同月比20%増と前年を大幅に上回った(図1、表1)。
(2)生鮮野菜
生鮮野菜の輸入量は、ジャンボピーマンが前年と比較して大幅に減少したものの、全体の17%を占めるにんじん及びかぶをはじめ、キャベツなどの主要な品目が前年を大幅に上回ったことから、全体では、62%増と前年を大幅に上回った。(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのははくさいで、1184トン(同1070トン増、934%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1168トン、第2位が韓国の16トンであった。国産が天候不順による出荷減で高値が続いた一方で、中国の主産地の天候が良好で、輸入単価が前年並みだったことにより、輸入量が増加したとみられる。
はくさいに次いで増加率が高かったのは結球レタスで、1338トン(同1078トン増、415%増)と2カ月連続の増加となった。国別の内訳は、第1位が米国の1154トン、第2位が台湾の184トンであった。米国産の出荷が良好だった一方で、国産が天候不順による出荷減で高値が続いたため、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、2550トン(同1885トン増、284%増)と4カ月連続の増加となった。国別の内訳は、第1位が米国の2521トン、第2位が中国の20トンであった。米国の主産地が天候に恵まれ出荷が良好であった一方で、北海道産が天候不順による出荷減で高値が続いたことで、増加したとみられる。
主な品目のうち最も減少率が高かったのはジャンボピーマンで、2805トン(同773トン減、22%減)となった。国別の内訳は、第1位が韓国の2088トン、第2位がニュージーランドの588トンであった。韓国産が天候不順の影響で価格が前年同月比37%と大幅に上がったため、輸入量が減少したとみられる(表2)。
(3)冷凍野菜等
冷凍野菜の輸入量は、いちごおよびばれいしょが前年を下回ったものの、スイートコーン、いんげん豆等などが前年を大幅に上回ったことから、全体では、6%増と前年をかなり上回った。(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのはスイートコーンで4722トン(同1145トン増、32%増)と7カ月連続の増加となった。国別の内訳は、第1位が米国の3189トン、第2位がタイの1010トンであった。国産が天候不順の影響を受けて在庫が少ない状態であったことや、ファストフードなどの国内需要が堅調なことから、輸入量が増加したとみられる。
スイートコーンに次いで増加率が高かったのはいんげん豆等で、2626トン(同630トン増、32%増)の増加となった。国別の内訳は、第1位が中国の1642トン、第2位がタイの816トンであった。国産が天候不順による出荷減などで、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはほうれんそう等で、4313トン(同931トン増、28 %増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の4121トン、第2位がタイの61トンであった。
一方で、減少率が高かったのは、いちごで1962トン(同609トン減、24%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1444トン、第2位が米国の213トンであった。業務用需要の引き合いの弱まりが影響し、在庫調整により輸入量が減少したとみられる。
いちごに次いで減少率が高かったのは、ばれいしょで3万163トン(同810トン減、3%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2万1748トン、第2位がベルギーの2667トンであった。在庫調整やEUの主産国の減産等により輸入量が減少したとみられる。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで1581トン(同545トン減、26%減)、酢調製野菜のしょうがで1697トン(同213トン増、14%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで3683トン(同2075トン増、129%増)、しょうが(その他)で2250トン(同276トン減、11%減)などであった。