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需給動向 2 (野菜情報 2017年1月号)


2 野菜の輸入動向(平成28年10月)

野菜需給部


【要約】

 10月の野菜の輸入量は、トマト加工品などが前年を下回ったものの、国内の天候不順の影響で、にんじん及びかぶなど生鮮野菜の輸入量が増加したことから、全体では5%の増加となった。

(1)平成28年10月(速報値)

平成28年10月の野菜輸入量は、21万4780トン(前年同月比9795トン増、5%増)となった。類別に見ると、トマト加工品、乾燥野菜などが前年を下回ったものの、輸入量全体の34を占める生鮮野菜が前年をかなり大きく上回ったことから、全体の輸入量は5%増と前年をやや上回った(図、表)。

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(2)生鮮野菜

生鮮野菜の輸入量は、キャベツが前年と比較して半減したものの、全体の割弱を占めるにんじん及びかぶのほか、結球レタス、ブロッコリーなどが前年を大幅に上回ったことから、全体では、13増と前年をかなりの程度上回った(図)。

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主な品目のうち最も増加率が高かったのは結球レタスで、2251トン(同1759トン増、357増)となった。国別の内訳は、第位が米国の2007トン、第位が韓国の218トンであった。国産の天候不順による出荷減で高値が続いた一方で、米国の主産地の天候が良好だったことにより、輸入量が増加したとみられる。

結球レタスに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、3200トン(同2041トン増、176増)とカ月連続の増加となった。国別の内訳は、第位が米国の3066トン、第位が豪州の97トンであった。国産の天候不順による出荷減で高値が続いた一方で、米国産の出荷が好調で、単価が対前年比76と大幅に下落したことにより、輸入量が増加したとみられる。

次いで増加率が高かったのはにんじん及びかぶで、万2059トン(同7321トン増、155増)とカ月連続の増加となった。国別の内訳は、第位が中国の万825トン、第位が豪州の1155トンであった。北海道産の天候不順による出荷減で高値が続いたことや、中国の主産地が天候に恵まれ出荷が良好で、輸入単価が前年同月比の57と大幅に下落したことから、増加したとみられる。

主な品目のうち最も減少率が高かったのはキャベツで、3600トン(同3786トン減、51減)となった。国別の内訳は、第位が中国の3487トン、第位が韓国の112トンであった。国産が天候不良により出荷量が減少したため、輸入量は増加したものの、前年の輸入量が、国産の天候不順の影響で、大幅に多かったことから、対前年では輸入量が減少した。

キャベツに次いで減少率が高かったのはかぼちゃで、2049トン(同413トン減、17減)となった。国別の内訳は、第位がトンガの1247トン、第位がニューカレドニア(仏)の629トンであった。主要な輸入先であるニュージーランドおよびメキシコが天候不順により出荷が減少したため、輸入量が減少したとみられる。

次いで減少率が高かったのはにんにくで、1492トン(同160トン減、10減)であった。国別の内訳は、第位が中国の1317トン、第位がスペインの161トンであった。中国産の作柄不良により輸入量が減少したと見られる(表)。

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(3)冷凍野菜等

冷凍野菜の輸入量は、いんげん豆等およびえだまめが前年を下回ったものの、冷凍野菜の輸入量の38を占めるばれいしょや、スイートコーンおよびブロッコリーなどが上回ったことから、全体では前年をやや上回った(図)。

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主な品目のうち増加率が高かったのはスイートコーンで、4502トン(同703トン増、19増)とカ月連続の増加となった。国別の内訳は、第位が米国の3060トン、第位がタイの1020トンであった。国産が天候不順の影響を受けて在庫が少ない状態であったことや、ファストフードなどの国内需要が堅調なことから、輸入量が増加したとみられる。

スイートコーンに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、3974トン(同530トン増、15増)とカ月連続の増加となった。国別の内訳は、第位が中国の1895トン、第位がエクアドルの1809トンであった。中国産地の作付の増加に加え、外食・中食などの業務用需要が堅調に増加していることなどから、輸入量が増加したとみられる。

次いで増加率が高かったのはさといもで、3421トン(同369トン増、12増)となった。国別の内訳は、第位が中国の3420トン、第位がタイのトンであった。

一方で、減少率が高かったのは、いんげん豆等で1860トン(同219トン減、11減)となった。国別の内訳は、第位が中国の1059トン、第位がタイの707トンであった。業務用需要の引き合いの弱まりが影響し、在庫調整により輸入量が減少したとみられる。

いんげん豆等に次いで減少率が高かったのは、えだまめで4482トン(同455トン減、9%減)となった。国別の内訳は、第位が台湾の1559トン、第位が中国の1547トンであった。国産の出荷がほぼ終盤を迎えたものの、台湾産が台風や長雨などの影響により、輸入量が減少したとみられる。

生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、カ月連続で増加した塩蔵等野菜のきゅうり及びガーキンで1626トン(同378トン増、30増)、その他調製野菜のスイートコーンで6921トン(同1983トン増、40増)、にんじんジュースで3528トン(同1149トン増、48増)などであった。

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