野菜需給部
7月の野菜の輸入量は、塩蔵等野菜、その他調製野菜などがかなり前年を下回ったものの、生鮮野菜、冷凍野菜などが前年を上回ったことから、全体では1%の増加となった。
(1)平成28年7月(速報値)
平成28年7月の野菜輸入量は、22万7036トン(前年同月比2223トン増、1%増)となった。類別で見ると、塩蔵等野菜、その調整野菜などで前年をかなりの程度下回ったが、生鮮野菜、冷凍野菜などが前年を上回ったため、全体の輸入量は1%増と前年並みとなった。(図1、表1)。
(2)生鮮野菜
生鮮野菜の輸入量は、前月に前年を上回ったばれいしょ、かぼちゃなどが前年を下回ったものの、結球キャベツが2カ月連続で、メロンが今年に入って6月を除き毎月前年を上回ったほか、輸入量の多いたまねぎが、かなりの程度上回ったことなどから、全体では2%増とわずかに前年を上回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのは結球キャベツで、1245トン(同587トン増、89%増)となった。全量が中国からの輸入であった。中国産が作柄良好だったことなどにより輸入価格が前年比50%以下に下がったことから、輸入量が増加したとみられる。
結球キャベツに次いで増加率が高かったのはメロンで、1007トン(同225トン増、29%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の579トン、第2位がメキシコの377トンであった。国産が本格的に出回り、平年は輸入量が減少する時期ではあるが、国産の作柄不良による高値維持により、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはにんじん及びかぶで、7736トン(同685トン増、10%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の7494トン、第2位がニュージーランドの162トンであった。国産の主産地の出荷が、前進出荷により早めに終了したことや、中国産が作柄良好だったことなどにより、輸入価格が下がったことから、輸入量が増加したと見られる。
一方で、主な品目のうち最も減少率が高かったのはばれいしょで、4502トン(同993トン減、18%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の4498トン、第2位が中国の4トンであった。加工・業務用の需要の高まりはあるものの、昨年が在庫調整のため輸入量が多かったことから、相対的に輸入量が減少したとみられる。
ばれいしょに次いで減少率が高かったのは、かぼちゃで、1019トン(同175トン減、15%減)となった。国別の内訳は、第1位が韓国の692トン、第2位がメキシコの327トンであった。6月の輸入量が多く、7月は在庫調整のために輸入量が減少したとみられる(表2)。
(3)冷凍野菜等
冷凍野菜の輸入量は、いちごおよびいんげん豆等をはじめ、そのほかの品目が前年を下回ったものの、スイートコーンおよび輸入量の多いばれいしょが前年を大幅に上回ったことから、全体では前年をやや上回った(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのはスイートコーンで、4693トン(同999トン増、27%増)と3カ月連続の増加となった。国別の内訳は、第1位が米国の3311トン、第2位がタイの763トンであった。前月同様、ファストフードなどの国内需要が堅調で、輸入量が増加したとみられる。
スイートコーンに次いで増加率が高かったのはばれいしょで、3万977トン(同4543トン増、17%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2万2929トン、第2位がオランダの2257トンであった。前月同様、ファストフードなどの国内需要が堅調で、輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはえんどうで、1173トン(同41トン増、4%増)と4カ月連続の増加となった。国別の内訳は、第1位が中国の621トン、第2位が米国の350トンであった。
一方で、減少率が高かったのは、いちごで2082トン(同438トン減、17%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1048トン、第2位がモロッコの511トンであった。業務用需要の谷間による在庫調整により輸入量が減少したとみられる。
いちごに次いで減少率が高かったのは、いんげん豆等で2056トン(同359トン減、15%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1308トン、第2位がタイの628トンであった。前月までの輸入量が多く、7月は在庫調整のため、輸入量が減少したとみられる。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、大きな変動のあった主要な品目の輸入量は、塩蔵等野菜のしょうがで1383トン(同650トン増、89%増)、きゅうり及びガーキンで1387トン(同338トン減、20%減)、乾燥野菜のばれいしょで30トン(同28トン増、1,402%増)、その他調製野菜のにんじんジュースで3802トン(同993トン減、21%減)などであった。