野菜需給部
2月の野菜の輸入量は、冷凍野菜が前年並みだったものの、生鮮野菜をはじめ他の類別が前年をかなり下回ったことから、全体で前年より6%の減少とかなり下回った。
平成28年2月の野菜輸入量は、19万2302トン(前年同月比1万1913トン減、6%減)となった。すべての類別において前年同月を下回ったことから、全体の輸入量も前年比6%減とかなりの程度下回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、輸入量の多いたまねぎが、前月に引き続き前年を大幅に下回ったことから、全体で前年を下回った (図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはばれいしょで、5349トン(同3113トン増、139%増)となり、全量米国からの輸入であった。国内企業向け加工・原料用の需要が増加したとみられる。
ばれいしょに次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、1471トン(同439トン増、43%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の1071トン、第2位がメキシコの268トンであった。前年同月が米国西海岸港湾労使交渉の難航による荷役作業遅延の影響により大幅に減少していたことから、輸入量が増加したとみられる。ただし、例年(平成25年の2774トンおよび26年の2856トン)に比べて、低水準となった。
次いで増加率が高かったのは結球レタスで、2753トン(同712トン増、35%増)となった。国別の内訳は、第1位が台湾の2679トン、第2位が米国の51トンであった。国産が寒波などの天候不良により作柄がよくなかったため、輸入量が増加したとみられる。
一方で主な品目のうち最も減少率が高かったのはたまねぎで、1万6201トン(同8161トン減、33%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1万4804トン、第2位が米国の458トンであった。国産が前年同様天候に恵まれ作柄が良かった一方で、中国産が寒波などの天候不良の影響を受けたことなどもあり、輸入量が減少したとみられる。
たまねぎに次いで減少率が高かったのはにんにくで、1243トン(同189トン減、13%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1180トン、第2位がスペインの49トンであった。国産の作柄が良かった一方で、中国産が天候不良の影響を受けたことなどもあり、輸入量が減少したとみられる。
次いで減少率の高かったのはねぎで、3429トン(同390トン減、10%減)となった。全量中国からの輸入であった。中国の寒波による天候不良の影響で、輸入量が減少したとみられる(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、ばれいしょが前年を大幅に上回った一方で、スイートコーンやほうれんそう等などが前年を下回ったことから、前年並みとなった(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのは生鮮と同様ばれいしょで2万8422トン(同5479トン増、24%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2万1827トン、第2位がベルギーの2172トンであった。
次いで増加率が高かったのは前月に引き続きブロッコリーで、3590トン(同582トン増、19%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2091トン、第2位がエクアドルの1246トンであった。生鮮ブロッコリーの輸入量が例年より少ないため、引き続き生鮮ブロッコリーの代替品として冷凍ブロッコリーの需要が高く、輸入量が増加したとみられる。
一方で減少率が高かったのはスイートコーンおよびほうれんそう等であった。スイートコーンは3172トン(同1068トン減、25%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の1994トン、第2位がタイの722トンであった。在庫調整のため、輸入が減少したとみられる。ほうれんそう等は2906トン(同974トン減、25%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2715トン、第2位が台湾の52トンであった。秋冬ほうれんそうが中国および台湾の主産地における寒波などの天候不良の影響により輸入量が減少したとみられる(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、主要な品目で大きく変動のあったのは、塩蔵等野菜のしょうがで1415トン(同190トン増、16%増)、酢調製野菜のしょうがで1079トン(同190トン減、15%減)、その他調製野菜のにんじんジュースで、1754トン(同554トン減、24%減)などであった。