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需給動向 2 (野菜情報 2016年3月号)


2 野菜の輸入動向(平成27年12月)

野菜需給部


【要約】

 12月の野菜の輸入量は、冷凍野菜、塩蔵等野菜、トマト加工品が前年を上回ったものの、生鮮野菜がかなり前年を下回ったことから、前年より1%の減少となった。
また、平成27年通年では、前年より3%の減少となり、3年連続で前年を下回った。

(1)平成27年12月(速報値)

 平成27年12月の野菜輸入量は、21万4908トン(前年同月比1308トン減、1%減)となった。冷凍野菜、塩蔵等野菜、トマト加工品が前年を上回ったものの、生鮮野菜、酢調整野菜、その他調整野菜、その他が前年を下回り、特に生鮮野菜がかなりの程度、前年を下回ったことから、全体としては、前年を1%下回った(図1、表1)。

(2) 生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、輸入量の多いたまねぎが前年を下回り、生鮮野菜全体も前年を下回った(図2)。

 主な品目のうち最も増加率が高かったのはジャンボピーマンで、3210トン(同472トン増、17%増)となった。国別の内訳は、第1位が韓国の2388トン、第2位がニュージーランドの817トンであった。韓国産が作付面積の増加に加えて作柄が良く、順調な出荷となっていたために輸入量が増えたとみられる。

 ジャンボピーマンに次いで増加率が高かったのはごぼうで、4964トン(同559トン増、13%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の4927トン、第2位が台湾の37トンであった。

 国産が天候不順の影響で作柄があまりよくなかったために、輸入量が増えたとみられる。

 次いで増加率が高かったのはしょうがで、1419トン(同93トン増、7%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の1393トン、第2位がインドネシアの25トンであった。ごぼうと同様に国産が天候不順の影響で作柄があまりよくなかったために、輸入量が増えたとみられる。

 一方で主な品目のうち最も減少率が高かったのはブロッコリーで、342トン(同748トン減、69%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の182トン、第2位が米国の82トンであった。米国産の作柄が良くない一方で、国産が順調な出荷となっていたことから輸入量が減少したとみられる。ブロッコリーに次いで減少率が高かったのは、たまねぎで、1万9507トン(同7300トン減、27%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1万8989トン、第2位が米国の490トンであった。国産の作柄が良かったことおよび中国産、米国産の輸入価格が上昇していることから、輸入量が減少したとみられる。

 次いで減少率の高かったのはメロンで、1293トン(同289トン減、18%減)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの1287トン、第2位が中国の3トンであった。メキシコ産が天候不順の影響で作柄があまりよくなかったために輸入量が減少したとみられる(表2)。

(3) 冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、輸入量の多いばれいしょが前年を大幅に上回ったことなどから、前年を上回った(図3)。

 主な品目のうち増加率が高かったのはばれいしょで2万9495トン(同5998トン増、26%増)となり、国別の内訳は、第1位が米国の2万1726トン、第2位がベルギーの2660トンであった。前月に引き続き、前年が米国西海岸港湾の労使交渉難航の影響で輸入量が少なかったために、輸入量が増加したとみられる。

 次いで増加率が高かったのはいちごで、2450トン(同504トン増、26%増)となり、国別の内訳は、第1位が中国の1596トン、第2位が米国の376トンであった。増加した要因の一つとして、最近いちごを使ったアイスクリームなどの新商品が発売されていることから輸入量が増加したとみられる。

 次いで増加率が高かったのはスイートコーンで、3330トン(同253トン増、8%増)となり、国別の内訳は、第1位が米国の2176トン、第2位がタイの736トンであった。ばれいしょ同様に前年が米国西海岸港湾の労使交渉難航の影響で輸入量が少なかったために、輸入量が増加したとみられる。

 一方で減少率が高かったのはさといもで、3419トン(同852トン減、20%減)となり、全量中国からの輸入であった。10月、11月は前年並みではあったものの、8月から輸入量が多い状態が続いていたために、在庫調整で輸入量が少なかったとみられる(表3)。

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、主要な品目で大きく変動のあったのは、塩蔵等野菜のしょうが1886トン(同518トン増、38%増)、その他調製野菜のスイートコーンで3832トン(同615トン減、14%減)などであった。

(4) 平成27年の輸入動向

 27年の全体の輸入量は、257万9175トン(前年比9万1047トン減、3%減)となった。生鮮野菜において輸入量の多いたまねぎの北海道産の作柄が良く、特に上半期において生鮮野菜の輸入量が前年を下回ったことから、年間の輸入量においても前年をかなり下回った。類別では生鮮野菜が82万6833トン(同5万7902トン減、7%減)、冷凍野菜が93万2382トン(同1万5827トン増、2%増)、塩蔵等野菜が8万6171トン(同6339トン減、7%減)、乾燥野菜が4万3515トン(同48トン増、0%増)、酢調整野菜が3万5715トン(同2292トン減、6%減)、トマト加工品が24万1334トン(同4887トン減、2%減)、その他調整野菜が39万4249トン(同3万2847トン減、8%減)、その他が1万8975トン(同2655トン減、12%減)となり、冷凍野菜と乾燥野菜のみ前年を上回った。

 一方で、円安や主要輸入先国である中国、米国における天候不順などによる価格の上昇などの影響により、輸入金額は5037億円(同333億円増、7%増)となり、前年をかなり上回った(図4)。


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