野菜需給部
野菜の輸入量は、その他調製野菜以外の類別が前年を上回り、特に冷凍野菜、トマト加工品が前年を大幅に上回ったことから、前年より10%の増加となった。
平成27年11月の野菜輸入量は、19万8299トン(前年同月比1万7715トン増、10%増)となった。その他調製野菜以外の類別が前年を上回り、特に冷凍野菜、トマト加工品が前年を大幅に上回ったことから、全体として、前年同月を10%上回った(図1、表1)。
生鮮野菜の輸入量は、輸入量の多いたまねぎが前年を下回ったものの、キャベツなどの主要な品目が前年を上回ったため、前年をわずかに上回った(図2)。
主な品目のうち最も増加率が高かったのはキャベツで、2791トン(同2181トン増、357%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2705トン、第2位が韓国の86トンであった。天候不順などにより国産の出荷量が減少して高値で推移したために、輸入量が増えたとみられる。
キャベツに次いで増加率が高かったのはかぼちゃで、4211トン(同1436トン増、52%増)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの1667トン、第2位がトンガの1386トン、第3位がニューカレドニアの1148トンであった。トンガ産およびニューカレドニア産の生産拡大により、輸入量が増えたとみられる。
次いで増加率が高かったのはにんじん及びかぶで、5154トン(同1219トン増、31%増)となった。国別の内訳は第1位が中国の4917トン、第2位が豪州の211トンであった。国産の作柄が良かった前年に比べ、天候不順などで少なかったことにより、輸入量が増加したとみられる。
一方で主な品目のうち最も減少率が高かったのはブロッコリーで、665トン(同349トン減、34%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の476トン、第2位が中国の169トンであった。米国産の現地価格の上昇および円安の影響で輸入価格が上昇していることにより、輸入量が減少したとみられる。
ブロッコリーに次いで減少率が高かったのは、たまねぎで、1万7967トン(同5194トン減、22%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1万7230トン、第2位が米国の724トンであった。国産の作柄が良かったことおよび中国産、米国産の輸入価格が上昇していることにより、輸入量が減少したとみられる。
次いで減少率の高かったのはメロンで、974トン(同169トン減、15%減)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの927トン、第2位が韓国の30トンであった。円安の影響で価格が上昇していたことにより、輸入量が減少したとみられる(表2)。
冷凍野菜の輸入量は、輸入量の多いばれいしょをはじめ、多くの品目が前年を上回ったため、前年を大幅に上回った(図3)。
主な品目のうち増加率が高かったのはばれいしょで3万973トン(同1万2314トン増、66%増)となり、国別の内訳は、第1位が米国の2万2623トン、第2位がベルギーの3132トンであった。前年が米国西海岸港湾の労使交渉難航の影響で輸入量が少なかったために、前年より輸入量が増加したとみられる。
次いで増加率が高かったのはブロッコリーで、4061トン(同477トン増、13%増)となり、国別の内訳は、第1位が中国の2057トン、第2位がエクアドルの1763トンであった。生鮮ブロッコリーが現地価格の上昇などの影響で価格が高く輸入が減少し、代替需要で冷凍ものの輸入量が増加したとみられる。
一方で減少率が高かったのはほうれんそう等で、3383トン(同230トン減、6%減)となり、国別の内訳は、第1位が中国の3280トン、第2位が台湾の62トンであった。
その他減少したものとしてさといもで3304トン(同42トン減、1%減)となり、国別の内訳は、第1位が中国の3299トン、第2位が台湾の5トンであった(表3)。
生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、主要な品目で大きく変動のあったのは、塩蔵等野菜のしょうが2126トン(同1238トン増、139%増)、その他調製野菜のにんじんジュース1608トン(同974トン減、38%減)などであった。