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需給動向 2 (野菜情報 2015年10月号)


2 野菜の輸入動向(平成27年7月)

野菜需給部


【要約】

 7月の野菜の輸入量は、生鮮野菜および乾燥野菜が前年をかなり上回ったものの、冷凍野菜、塩蔵等野菜が前年を下回ったことから、前年より1%とわずかな減少となった。

1 野菜の輸入動向

(1)平成27年7月(速報値)

 平成27年7月の野菜輸入量は、22万4834トン(前年同月比1841トン減、1%減)となった。生鮮野菜、乾燥野菜がかなり前年を上回った一方で、冷凍野菜は、塩蔵等野菜、酢調製野菜、その他調製野菜が前年を下回り、野菜輸入量としては前年を下回った(図1、表1)。

 なお、詳細は、別表1、別表2の通りである。

(2) 生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、輸入量の多いたまねぎが前年を上回り、その他の主要な品目についても前年を上回る品目が多かったことにより前年を上回る数量となった(図2)。

 増加率が高い主な品目はばれいしょで、5495トン(同1576トン増、40%増)となった。国別の内訳は、第1位が米国の5457トン、第2位が中国の38トンであった。国内の在庫が不足したことから、輸入量を増やして対応したためとみられる。

 ばれいしょに次いで増加率が高い品目はジャンボピーマンで、4688トン(同1257トン増、37%増)となった。国別の内訳は、第1位が韓国の3777トン、第2位がオランダの911トンであった。韓国産の輸入量は、減少してくるこの時期に2カ月連続で前年を上回っており、収穫期が後ろにずれたことから輸入量が増加したとみられる。

 次いで増加率の高かった品目はかぼちゃで、1194トン(同199トン増、20%増)となった。国別の内訳は、第1位が韓国の1014トン、第2位がメキシコの180トンであった。国産の出荷が本格化し、平年は輸入量が少なくなる時期ではあるが、国産が高値で推移していたため、前年比では輸入量が増加したとみられる。

 一方で減少した主な品目はメロンで、783トン(同1024トン減、57%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の634トン、第2位がメキシコの119トンであった。6月のメキシコ産の輸入量が多かった反動と米国の天候不順の影響などにより、輸入量が減少したとみられる。
メロンに次いで減少率の高い品目は、ブロッコリーで、2200トン(同1059トン減、32%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2161トン、第2位がメキシコの9トンであった。メロン同様に米国の天候不順の影響などにより、輸入量が減少したとみられる。

 次いで減少率の高い品目は、ごぼうで、4281トン(同646トン減、13%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の4039トン、第2位が台湾の242トンであった。前年が不作で多かったが、本年は国産が順調な出荷であったことから輸入量が減少したとみられる(表2)。

(3) 冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、輸入量の多いばれいしょが減少した影響が大きく、3カ月連続で前年を下回った(図3)。

 減少した主な品目であるばれいしょは、2万6455トン(同5755トン減、18%減)となり、国別の内訳は第1位が米国の1万6590トン、第2位がベルギーの4016トンであった。5月までの数カ月間にわたり輸入量の多い状態が続いたこと、ファストフード業などの不振もあったことから6月に引き続き7月も在庫調整のために輸入量が減少したとみられる。

 次いで減少率の高かったのはさといもで2328トン(同231トン減、9%減)となり、国別の内訳は第1位が中国の2326トン、第2位がベトナムの1トンであった。中国における干ばつの影響およびコストの上昇による単価高により、輸入量が減少したとみられる(表3)。

 一方で、増加した主な品目はブロッコリーで3956トン(同972トン増、33%増)となり、国別の内訳は、第1位が中国の1908トン、第2位がエクアドルの1624トンであった。国産が高値で推移していたことにより輸入量が増加したとみられる。

 次いで増加率の高い品目はほうれんそう等で、3351トン(同531トン増、19%増)となり、国別の内訳は第1位が中国の3028トン、第2位が台湾の158トンであった。ファミリーレストランなどからの需要が増えており、輸入量が増加したとみられる(表3)。

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別において、主要な品目で大きく変動のあった品目は、トマト加工品のピューレ等関割以外が9443トン(同895トン増、10%増)と前年を上回り、塩蔵等野菜のしょうがが733トン(同990トン減、57%減)と前年を大幅に下回った。


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