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需給動向 2 (野菜情報 2015年9月号)


2 野菜の輸入動向(平成27年6月)

野菜需給部


【要約】

 6月の野菜の輸入量は、生鮮野菜、トマト加工品などがかなり前年を上回ったものの、冷凍野菜、塩蔵等野菜が前年を下回ったことから、前年より1%とわずかな増加となった。

1 野菜の輸入動向

(1)平成27年6月(速報値)

 平成27年6月の野菜輸入量は、23万2988トン(前年同月比2561トン増、1%増)となった。
生鮮野菜が前年を上回った一方で、冷凍野菜は前年を下回り、野菜輸入量としては前年をわずかに上回った(図1、表1)。

 なお、詳細は、別表1、別表2のとおりである。

(2) 生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、輸入量の多いたまねぎが前年を上回り、主要な品目についても前年を上回る品目が多かったことにより、前年をかなり大きく上回る数量となった(図2)。
増加した主な品目はかぼちゃで、6251トン(同3168トン増、103%増)となった。全量メキシコからの輸入となった。天候不順の影響で国産が少ない状態となっていたため、輸入量が増加したとみられる。

 かぼちゃに次いで増加率が高い品目はメロンで、3388トン(同1325トン増、64%増)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの3339トン、第2位が韓国の48トンであった。メキシコ産が出荷終盤の天候が良く、順調な出荷となったため輸入量が増加したとみられる。

 次いで増加率の高い品目はにんじん及びかぶで、8478トン(同1975トン増、30%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の8216トン、第2位がニュージーランドの164トンであった。国産が天候不順の影響により高値で推移していたため、輸入量が増加したとみられる。

 一方で減少した主な品目はブロッコリーで、1708トン(同1259トン減、42%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の1667トン、第2位がオーストラリアの41トンであった。米国の主産地であるカリフォルニア州の干ばつなどの天候不順の影響を受けて、現地価格が上昇しているため輸入量が減少したとみられる。

 ブロッコリーに次いで減少率の高い品目はキャベツで、1170トン(同275トン減、19%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1151トン、第2位が韓国の18トンであった。国産が順調な出荷となり、輸入量が減少したとみられる。

 次いで減少率の高い品目は、ごぼうで、2800トン(同500トン減、15%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2330トン、第2位が台湾の470トンであった。キャベツと同様に国産が順調な出荷であったことから輸入量が減少したとみられる(表2)。

(3) 冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、輸入の多いばれいしょをはじめ多くの品目で前年を下回る輸入量となったため、前年をかなり大きく下回った(図3)。

 減少した主な品目はばれいしょで、2万4219トン(同1万662トン減、31%減)となり、国別の内訳は第1位が米国の1万4390トン、第2位がカナダの4142トンであった。5月までの数カ月にわたり輸入量の多い状態が続いており、6月は在庫調整およびファーストフード業界などの不振のために輸入量が減少したとみられる。

 ばれいしょに次いで減少率の高い品目はえんどうで、1136トン(同266トン減、19%減)となり、国別の内訳は第1位が中国の572トン、第2位が米国の348トンであった。5月の輸入量が多く、6月は在庫調整のために輸入量が減少したとみられる。

 次いで減少率が高い品目はいんげん豆等で、1796トン(同287トン減、14%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1119トン、第2位がタイの614トンであった。えんどう同様に5月の輸入量が多く、6月は在庫調整のために輸入量が減少したとみられる。

 一方で増加した主な品目はブロッコリーで、4041トン(同912トン増、29%増)となり、国別の内訳は、第1位が中国の1983トン、第2位がエクアドルの1668トンであった。業務用の需要が増えていることや国産が高値で推移していたことにより輸入量が増加したとみられる。
ブロッコリーに次いで増加率の高い品目はえだまめで、8626トン(同1148トン増、15%増)となり、国別の内訳は第1位が台湾の3819トン、第2位がタイの2472トンであった。5月の輸入量が少なかったことや夏場の需要期を控えていることにより、輸入量が増加したとみられる。

 次いで増加率の高い品目はほうれんそう等で、3208トン(同322トン増、11%増)となり、国別の内訳は第1位が中国の2944トン、第2位が台湾の117トンであった。ファミリーレストランなどからの需要が増えており、輸入量が増加したとみられる(表3)。

(4) その他の類別

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別においては、乾燥野菜、トマト加工品で前年を上回り、塩蔵等野菜、酢調製野菜、その他調製野菜で前年を下回った。主要な品目で大きく変動のあった品目は、トマト加工品のトマトピューレ等関割以外が1万1421トン(同3781トン増、49%増)と前年を大幅に上回り、塩蔵等野菜のしょうがが670トン(同800トン減、54%減)と前年を大幅に下回った。


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