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需給動向 2 (野菜情報 2015年8月号)


2 野菜の輸入動向(平成27年5月)

野菜需給部


【要約】

 5月の野菜の輸入量は、生鮮野菜がやや増加したものの、それ以外の類別が前年を下回ったことから、前年より5%の減少となった。

1 野菜の輸入動向

(1)平成27年5月(速報値)

 平成27年5月の野菜輸入量は、23万130トン(前年同月比1万2643トン減、5%減)となった。生鮮野菜が前年をやや上回った一方で、それ以外の類別は前年を下回り、野菜輸入量としては前年を下回った(表1)。

(2) 生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、輸入量の多いたまねぎがおおむね前年並みとなり、前年をやや上回る程度の数量となった。

 増加した主な品目はばれいしょで、1997トン(同1251トン増、168%増)となった。全量米国からの輸入となった。米国西海岸港湾労使交渉の暫定合意による港湾の状況の改善により、引き続き輸入量が前年を大幅に上回ったとみられる。

 次いで増加率が高い品目はキャベツで、3626トン(同1183トン増、48%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の3444トン、第2位が台湾の98トンであった。国産が春先の天候不順により高値で推移していたことにより、輸入量が増加したとみられる。

 次いで増加率の高かった品目はかぼちゃで、1万3172トン(同2370トン増、22%増)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの8561トン、第2位がニュージーランドの4612トンであった。ニュージーランド産は天候不順で生育が遅れていたが、輸入の終盤になり、ようやくまとまった数量が輸入されたとみられる。

 一方で減少した主な品目はブロッコリーで、2294トン(同1598トン減、41%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2147トン、第2位がメキシコの113トンであった。アメリカの主産地であるカリフォルニア州の干ばつなどの天候不順により不作となっており、現地価格も上昇しているため輸入量が減少したとみられる。

 次いで減少率の高い品目は、メロンで、3177トン(同1742トン減、35%減)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの3150トン、第2位が韓国の26トンであった。メキシコ産が干ばつなどの天候不順により不作となり輸入量が減少したとみられる。

 次いで減少率の高い品目は、ごぼうで、2733トン(同748トン減、21%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2277トン、第2位が台湾の456トンであった。国産が不作となり輸入量が多かった前年に比べ、今年は国産が潤沢であったことから輸入量が減少したとみられる(表2)。

(3) 冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、多くの品目で前年を下回る輸入量となったため、全体として前年を下回った。

 増加した主な品目はスイートコーンで3957トン(同636トン増、19%増)となり、国別の内訳は、第1位が米国の2675トン、第2位がタイの750トンであった。引き続き国産在庫が不足している状態が続いており、輸入量が増加しているとみられる。

 次いで増加率の高い品目はいんげん豆等で、1686トン(同111トン増、7%増)となり、国別の内訳は第1位が中国の995トン、第2位がタイの517トンであった。国産在庫がややひっ迫していることから、輸入量が増加したとみられる。次いで増加率の高い品目はえんどうで、1241トン(同56トン増、5%増)となり、国別の内訳は第1位が中国の608トン、第2位が米国の374トンであった。いんげん豆と同様に国産在庫がややひっ迫しており、そのために輸入量が増加したとみられる。

 一方で、減少した主な品目はえだまめで、6708トン(同1135トン減、14%減)となり、国別の内訳は第1位が台湾の2816トン、第2位が中国の1902トンであった。前月の輸入量が多く、今月は在庫調整のために減少したとみられる。

 次いで減少率の高かったのはさといもで2252トン(同298トン減、12%減)となり、国別の内訳は第1位が中国の2251トン、第2位がタイの1トンであった。引き続き中国での生産コスト増による現地価格の上昇および円安による輸入価格の上昇が要因とみられる。

 次いで減少率が高い品目はほうれんそうで、3154トン(同334トン減、10%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2828トン、第2位がベトナムの171トンであった。ほうれんそうも前月の輸入量が多く、今月は在庫調整のために減少したとみられる(表3)。

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別においては、すべての類別で前年を下回った。また、品目別でも前年を下回った品目が多く、主要な品目ではその他調製野菜のにんじんジュースが3639トン(同3112トン減、46%減)、トマト加工品のトマトピューレ等関割以外が8127トン(同2400トン減、23%減)と大幅に前年を下回った。


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