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需給動向 2 (野菜情報 2015年7月号)


2 野菜の輸入動向(平成27年4月)

野菜需給部


【要約】

 4月の野菜の輸入量は、冷凍野菜が大幅に、乾燥野菜がやや、いずれも前年を上回ったものの、生鮮野菜など、前年を下回ったことから、前年より1%の減少となった。

(1)平成27年4月(速報値)

 平成27年4月の野菜輸入量は、25万2328トン(前年同月比3675トン減、1%減)となった。類別で見ると、生鮮野菜は前年を下回った一方で、冷凍野菜は前年を上回った。それ以外の類別では乾燥野菜のみ前年を上回った。4月の野菜輸入量全体では、前年をわずかに下回った(表1)。

(2) 生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、メロン、ブロッコリーなど多くの品目が前年を下回ったことから、8カ月連続で前年を下回った。

 最も減少率の高い品目はメロンで、2493トン(同1666トン減、40%減)となった。国別の内訳は、第1位がメキシコの2469トン、第2位が韓国の24トンであった。円安による輸入価格の上昇などにより、少なくなったとみられる。

 次いで減少率の高い品目はブロッコリーで、2532トン(同1056トン減、29%減)となった。国別の内訳は、第1位が米国の2287トン、第2位がメキシコの159トンであった。米国のブロッコリーの産地であるカリフォルニア州の干ばつによる減産、円安による輸入価格の上昇などにより少なくなったとみられる。

 次いで減少率の高い品目はキャベツで、2998トン(同916トン減、23%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2576トン、第2位が韓国の372トンであった。国産が不作となり輸入量が多かった前年に比べ、今年は国産が順調な生育、出荷となったことから、前年を大幅に下回った。

 一方で、増加した主な品目はしょうがで、2199トン(同735トン増、50%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2113トン、第2位がタイの86トンであった。昨年は主要輸入先である中国における干ばつにより、輸入量が少なかったが、今年は生産量が回復したことによるとみられる。

 次いで増加率が高い品目はジャンボピーマンで、3724トン(同746トン増、25 %増)となった。国別の内訳は、第1位が韓国の2982トン、第2位がニュージーランドの479トンであった。日本国内での需要が堅調であることを背景に、輸入量が増加したとみられる。

 次いで増加率の高かった品目はにんにくで、1852トン(同309トン増、20%増)となった。国別の内訳は、第1位が中国の1801トン、第2位がスペインの45トンであった。国内産地が干ばつ傾向により入荷量が減少し、日本国内価格が堅調に推移していたことにより、輸入量が増加したとみられる(表2)。

(3) 冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、冷凍野菜の輸入量の約半分を占めるばれいしょが前年を大幅に上回ったことから、前年を上回った。

 ばれいしょは3万9761トン(同1万1551トン増、41%増)となり、国別の内訳は、第1位が米国の2万8509トン、第2位がベルギーの3590トンであった。これは、米国西海岸港湾労使交渉の暫定合意による港湾の状況の改善したこと、コンビニエンスストアなどが米国産から欧州産への切り替えにより引き続きヨーロッパからも輸入されたことが要因とみられる。

 次いで増加率の高い品目はほうれんそうで、3693トン(同646トン増、21%増)となり、国別の内訳は第1位が中国の3255トン、第2位がベトナムの221トンであった。国内の3月の低温などの天候不順により、国産野菜が高値で推移しており、葉茎菜類も高値で推移していたことが要因とみられる。次いで増加率の高い品目はスイートコーンで、4276トン(同675トン増、19%増)となり、国別の内訳は第1位が米国の2930トン、第2位がタイの762トンであった。引き続き、国産の冷凍スイートコーンの在庫が不足しているとみられ、輸入量が前年を上回った。

 一方で、減少した品目で最も減少率の高い品目はいちごで、2123トン(同614トン減、22%減)となり、国別の内訳は第1位がエジプトの600トン、第2位がチリの514トンであった。昨年はスムージー需要などで輸入量が多かったとみられる。

 次いで減少率の高かったのはさといもで2574トン(同291トン減、10%減)となり、全量中国からの輸入であった。引き続き中国での生産コスト増による現地価格の上昇および円安による輸入価格の上昇が要因とみられる。

 次いで減少率が高い品目はブロッコリーで、微減ではあるが、3637トン(同104トン減、3%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2007トン、第2位がエクアドルの1432トンであった(表3)。

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別においては、乾燥野菜のみ前年を上回った。また、品目別では主要な品目のうち増加率が高かったのは、トマト加工品のトマトピューレ等関割が2156トン(同263トン増、14%増)、一方減少率が高かったのは、その他調製野菜のにんじんジュースが2477トン(同1808トン減、42%減)であった。


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