[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準

  • 大きく

お問い合わせ

需給動向 2 (野菜情報 2015年6月号)


野菜の輸入動向(平成27年3月)

野菜需給部


【要約】

 3月の野菜の輸入量は、冷凍野菜で前年をやや上回ったものの、それ以外の類別で前年を大幅に下回ったことから、前年より9%の減少となった。

1 野菜の輸入動向

(1)平成27年3月(速報値)

 平成27年3月の野菜輸入量は、22万7009トン(前年同月比2万2095トン減、9%減)となった。類別で見ると、冷凍野菜は前年をやや上回ったものの、それ以外の多くの類別で前年を大幅に下回ったことから、3月の野菜輸入量は、前年を下回った(表1)。

(2) 生鮮野菜

 生鮮野菜の輸入量は、前月に引き続きたまねぎ、にんじん及びかぶなど主要な品目を含む多くの品目で前年を下回ったことから、7カ月連続で前年を下回った。

 最も減少量の多い品目はたまねぎで、2万7509トン(同5378トン減、16%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2万1305トン、第2位が米国の2889トンであった。北海道産の不作により輸入量が多かった前年に比べ、北海道産が順調な生育出荷となったこと、また昨年7月に中国産たまねぎから基準値以上の農薬成分が検出されたことなどから、輸入量は前年を下回った。

 次いで減少量の多かったのはにんじん及びかぶで、5693トン(同2854トン減、33%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の4230トン、第2位がベトナムの852トンであった。国産が順調な生育出荷となったことから、輸入量は前年を大幅に下回った。

 次いで減少量の多かったのはキャベツで、2351トン(同2696トン減、53%減)となった。国別の内訳は、第1位が中国の2050トン、第2位が韓国の301トンであった。国産が不作となり輸入量が多かった前年に比べ、今年は国産が順調に生育、出荷となったことから前年を大幅に下回った。

 一方で、増加した主な品目はかぼちゃおよびばれいしょで、2万2981トン(同7857トン増、52%増)となった。国別の内訳は、第1位がニュージーランドの2万2738トン、第2位がメキシコの242トンであった。ニュージーランド産が天候の影響で生育が遅れ、2月出荷分が3月にずれ込んだために前年を大幅に上回ったとみられる。

 次いで増加したのはばれいしょで、6557トン(同2574トン増、65%増)となった。全量米国からの輸入で、米国西海岸港湾労使交渉の暫定合意により港湾荷役作業の状況が改善したことが要因とみられる(表2)。

(3) 冷凍野菜等

 冷凍野菜の輸入量は、全体の約半分を占めるばれいしょが前年を大幅に上回ったことから、前年を上回った。

 ばれいしょは3万5145トン(同8260トン増、31%増)となり、国別の内訳は、第1位が米国の2万5864トン、第2位がカナダの3281トンであった。生鮮ばれいしょ同様、米国西海岸港湾労使交渉の暫定合意により港湾荷役作業の状況が改善したことが要因とみられる。

 次いで増加量の多かったスイートコーンは4333トン(同1133トン増、35%増)となり、国別の内訳は第1位が米国の2929トン、第2位がタイの711トンであった。国産の冷凍スイートコーンが、昨年の加工時の歩留まりが悪く平年に比べて在庫が少ないため、輸入量が前年を上回ったとみられる。

 一方で、最も減少量の多かったのはさといもで、1601トン(同1186トン減、43%減)となり、国別の内訳は第1位が中国の1594トン、第2位が台湾の7トンであった。中国での生産コスト増による現地価格の上昇および円安による輸入価格の上昇が要因とみられる。
次いで減少量の多かったほうれんそうは2464トン(同470トン減、16%減)となり、国別の内訳は第1位が中国の2036トン、第2位がベトナムの193トンであった。2月の輸入量が平年より多く、国内在庫が豊富なため、3月の輸入量が少なくなったとみられる(表3)。

 生鮮野菜および冷凍野菜以外の類別においては、全ての類別で前年を大幅に下回った。品目別では、その他調製野菜のたけのこが4219トン(同3545トン減、46%減)、トマト加工品のトマトピューレ等関割以外が6788トン(同3402トン減、33%減)となった。


元のページへ戻る


このページのトップへ