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需給動向 2 (野菜情報 2014年9月号)


野菜の輸入動向(平成26年6月分)

~生鮮たまねぎ、冷凍ばれいしょの大幅増により、 
 生鮮野菜、冷凍野菜ともに前年を大きく上回る~

野菜需給部 調査情報部


1 平成26年6月(速報値)の動向

 平成26年6月の野菜輸入量は、23万366トン(前年同月比114%)となった。類別に見ると、

・「生鮮野菜」
・「冷凍野菜」
・「塩蔵等野菜」
・「乾燥野菜」
・「酢調製野菜」
・「トマト加工品」
・「その他調製野菜」
・「その他」

7万1648トン(同122%)
8万5712トン(同121%)
8026トン(同104%)
3474トン(同109%)
3102トン(同98%)
2万1698トン(同92%)
3万5283トン(同108%)
1422トン(同89%)

 

であった。

 「酢調製野菜」「トマト加工品」および「その他」は、前年を下回ったもののその他の類別では前年を上回ったことから、輸入量全体では前年をかなり上回った(過去からの推移は、図1~4を参照)。

2 生鮮野菜の動向

 前年同月と比べて輸入量が増加した品目は、

・キャベツ
・ばれいしょ
・にんじん及びかぶ
・ごぼう
・セルリー
・たまねぎ
・にんにく
・しょうが
・ジャンボピーマン
・ねぎ

1445トン(同210%)
2430トン(同186%)
6503トン(同147%)
3300トン(同142%)
946トン(同140%)
3万5136トン(同136%)
1328トン(同116%)
1333トン(同114%)
3855トン(同113%)
4425トン(同110%)

 

などとなった。

 にんじん及びかぶは、中国産の作柄が順調で現地価格が安く、加工・業務用向けに価格面でメリットがあったことから、前年を上回る輸入量となった。輸入量の内訳は、第1位は中国の6277トン、第2位はニュージーランドの141トン、第3位は豪州の42トンであった。

 ジャンボピーマンは、韓国産が、平地から高冷地への産地の切り替わり時期に出荷が重複して潤沢となったことから、前年を上回る輸入量となった。輸入量の内訳は、第1位は韓国の3599トン、第2位はオランダの256トンであった。なお、オランダは現地の需要増により現地価格が高騰していることから輸入量は前年同月に比べて半減している。
一方、輸入量が減少した主な品目では、

・かぼちゃ
・メロン

3083トン(同53%)
2069トン(同95%)

 

であった。

 かぼちゃは、メキシコ産についての作柄が順調だったものの、作付面積の減少や前進出荷の影響により切り上がりが早まったことから、前年を下回る輸入量となった。輸入量の内訳は、第1位はメキシコの3071トン、第2位は韓国の12トンであった。

 生鮮野菜全体の輸入量は、全体の半数近くを占めるたまねぎについて、この時期の主産地の佐賀県産が、作付面積の減少などにより少なめの出荷量となったことから、国産の価格が高値で推移したことに加え、中国産の作柄が順調で現地価格が安く、加工業務用向けに需要が高かったことから、前年を大幅に上回る輸入量となり、全体でも10カ月連続で前年を上回った。

3 冷凍野菜等の動向

 前年同月と比べて輸入量が増加した品目は、

・いちご
・ブロッコリー
・ほうれんそう等
・ばれいしょ
・えんどう
・ごぼう
・いんげん豆等
・スイートコーン
・さといも

2336トン(同147%)
3129トン(同143%)
2886トン(同137%)
3万4880トン(同134%)
1402トン(同133%)
586トン(同116%)
2082トン(同114%)
4164トン(同107%)
2383トン(同104%)

 

であった。

 一方、輸入量が減少した品目は、

・えだまめ

7479トン(同94%)

 

となった。

 冷凍野菜の輸入量は、全体の4割を占めるばれいしょについて、キャンペーン用の在庫を確保するなどの理由から大手ファストフードからの引き合いが強く、前年を大幅に上回る輸入量となり、その他の主要品目でも前年同月を上回る輸入量となったことから、3カ月ぶりに前年を上回った。

 その他の類別では、その他調製野菜が前年同月を8%上回った。これは今春の野菜ジュースの新商品の発売などに伴い、にんじんジュースの輸入量が前年同月比130%と大幅に増加したことが影響している。

4 中国の野菜生産動向等

(1)にんじんの生産動向

 中国では、にんじんは主要な野菜であり、また輸出量も多い。にんじんの生産量が多い山東省の主な産地は、濰坊市、青島市および東営市であり、濰坊市の生産量が最多となっている。濰坊市の平均収量は7.5トン/10アールである。

 山東省のにんじんは、露地栽培での生育となっており、春に栽培される春にんじんと、秋に栽培される秋にんじんがある。春にんじんは、2月下旬から3月上旬には種し、6月上中旬に収穫を行う。一方、秋にんじんは、7月下旬から8月上旬には種し、10月中下旬に収穫を行うのが一般的であるが、マルチフィルムやにんじんの葉でにんじんを被覆して保温や凍害防止を行って、ほ場内で収穫期間を調整し、翌年2月に収穫して、販売する生産者もいる。

  平成23年は、天候に恵まれたことから、山東省ではにんじんが豊作となり、23年10月中旬の収穫時期より、価格が下落傾向となった。23年10月には、庭先価格が1.0~1.2元(17~20円)/キログラムであったが、11月初めには、0.4~0.6元(6~10円)/キログラムまで下落し、低価格での販売となった。

  24年は、山東省のにんじんの栽培面積が減少し、生産量も減少した(図5)。その影響で、24年の年末から価格が回復傾向となったが、25年は、栽培面積が増加したことに加え、生育が順調で、特に、秋にんじんの生産量が増加したことから、供給量が需要量を上回り、安値傾向となった。

注:1元は16.96円(26年7月末日TTS相場)

(2)にんじんの輸出動向

 中国のにんじんの主要な輸出地域は、日本、韓国および東南アジアであり、対日輸出量は全体の10~15%を占めている。関係者によると、中国のにんじんの最近の全体の輸出量は約50~60万トン、うち山東省産が約20%を占めているという。そして、山東省莱西市店埠鎮は、山東省にんじんの最大の輸出基地であり、山東省のにんじん輸出量の約9割を占めている。

5  輸入動向


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