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需給動向 2 (野菜情報 2014年7月号)


野菜の輸入動向(平成26年4月分)

~生鮮野菜は、たまねぎ、ごぼう、かぼちゃ等の大幅増により、
  4月の輸入量としては8年ぶりの高水準となる~

野菜需給部 調査情報部


(1)平成26年4月(速報値)の動向

 平成26年4月の野菜輸入量は、生育期の天候不順による国内産たまねぎ等の減産により、25万5936トン(前年同月比104%)となった。類別に見ると、

・「生鮮野菜」
・「冷凍野菜」
・「塩蔵等野菜」
・「乾燥野菜」
・「酢調製野菜」
・「トマト加工品」
・「その他調製野菜」
・「その他」

9万7188トン(同118%)
7万9779トン(同96%)
9520トン(同100%)
3939トン(同91%)
3408トン(同94%)
2万1591トン(同98%)
3万8882トン(同99%)
1629トン(同63%)

 

であった。「生鮮野菜」を除く類別で前年並みか前年を下回ったものの、「生鮮野菜」が前年を大幅に上回ったことから、輸入量全体では前年を上回った(過去からの推移は、図1~4を参照)。

(2)生鮮野菜の動向

 前年同月と比べて輸入量が増加した主な品目は、

・たまねぎ
・ごぼう
・ばれいしょ
・かぼちゃ
・キャベツ
・メロン
・ねぎ

3万3677トン(同164%)
4244トン(同152%)
4759トン(同129%)
1万8892トン(同114%)
3914トン(同111%)
4159トン(同108%)
4559トン(同107%)

 

などとなった。

 たまねぎは、主産地の佐賀県産が、前年の単価安の影響で作付面積が減少したことに加え、北海道産の切りあがりが早まったことから、国産が少なめの入荷量となった。また、国産が小玉傾向であったため、加工・業務用向けの大玉の需要が引き続き高かったことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。輸入量の内訳は、第1位は中国の2万6001トン、第2位はニュージーランドの5879トン、第3位はオーストラリアの1299トンであった。なお、ニュージーランド産は、生食用として量販店からの需要などもあったことから、輸入量は前年同月比273%と前年を大幅に上回った。

 メロンは、メキシコ産が豊作となり、日本向けの輸出量が潤沢となったことに加え、量販店などからのカットフルーツ用としての需要が高かったことから、前年を上回る輸入量となった。輸入量の内訳は、第1位はメキシコの4138トン、第2位は韓国の21トンであった。
一方、輸入量が減少した主な品目では、

・にんじん及びかぶ
・アスパラガス
・しょうが
・ジャンボピーマン
・ブロッコリー

7204トン(同72%)
1064トン(同81%)
1464トン(同83%)
2978トン(同88%)
3588トン(同95%)

 

であった。

 にんじん及びかぶは、主産地の徳島県産が天候に恵まれ順調な生育となり、潤沢な出荷量となったことから、中国産から国産への切り替えが進み、前年を下回る輸入量となった。輸入量の内訳は、第1位は中国の5255トン、第2位はベトナムの783トン、第3位は台湾の697トンであった。

 生鮮野菜全体の輸入量は、全体の3割を占めるたまねぎが、前年を大幅に上回る輸入量となったことから、8カ月連続で前年を上回った。

(3)冷凍野菜等の動向

 前年同月と比べて輸入量が増加した品目は、

・いちご
・ブロッコリー

2737トン(同148%)
3741トン(同107%)

 

であった。

 一方、輸入量が減少した品目は、

・いんげん豆等
・ごぼう
・スイートコーン
・えだまめ
・さといも
・ほうれんそう等

1993トン(同83%)
655トン(同84%)
3601トン(同85%)
6342トン(同86%)
2865トン(同93%)
3046トン(同93%)

 

となった。

 冷凍野菜の輸入量は、全体の4割近くを占めるばれいしょが前年並みとなり、多くの主要品目で前年同月を下回る輸入量となったことから、3カ月ぶりに前年を下回った。

 その他の類別で増加した主な品目は、

・塩蔵等野菜のしょうが
・乾燥野菜のたまねぎ
・酢調整野菜のきゅうり及びガーキン
・トマト加工品のトマトケチャップ
・その他調製野菜のにんじんジュース

2332トン(同114%)
655トン(同120%)
616トン(同135%)
592トン(同157%)
4286トン(同128%)

 

であった。

(4)中国の野菜生産動向等

①中国における冷凍加工の関連情報

 中国における冷凍野菜の加工工場は、山東省に多い。現在、山東省の冷凍野菜の冷凍加工率は10%弱で、国内のほかの地域よりは上回っているが、先進国に比べるとまだ低い状況である。山東省野菜加工企業の規模は、龍大食品集団有限公司や恒潤食品有限公司のような比較的規模の大きい野菜加工企業は少数で、中小企業が多数である。

 近年、山東省の冷凍野菜加工企業における冷凍野菜の加工コストは、年々上昇しつつある。大きな要因は、従業員給与の増加にある。

 平成22年には、中国には冷凍倉庫が約2万棟弱あり、冷凍能力容量が880万トンである。そのうち、冷蔵が140万トンで、冷凍が740万トンであった。

②冷凍野菜の輸出状況について

 中国産冷凍野菜のほとんどは輸出用であり、輸出先国および輸出量ともに、年々増加する傾向にある。日本、韓国、米国、ドイツ、香港など、30余りの国と地域に輸出されている。冷凍野菜の輸出先国トップ3は、日本、韓国および米国となっており、特に、日本の数量実績は年々増加している。

 中国における冷凍野菜輸出量の多い地域は山東省であり、輸出総量の約半分を占める。ほかには、福建省、浙江省、江蘇省などがある。

 平成25年の主な品目別の輸出動向は、以下の通りである。

 冷凍ばれいしょは、山東省の輸出量が8788トン、中国全体の輸出量の91%を占めた。そして、山東省が輸出した冷凍ばれいしょのうち、約90%が日本へ輸出された(図5)。

 冷凍ほうれんそうは、山東省の輸出量が約55万トン、同輸出量の90%を占めた。そして、山東省が輸出した冷凍ほうれんそうのうち、約半分が日本へ輸出された(図6)。

 冷凍さといもは、山東省の輸出量が約5.6万トン、同輸出量の87%を占めた。そして、山東省が輸出した冷凍ほうれんそうのうち、約70%が日本へ輸出された(図7)。

 冷凍いんげんは、浙江省、山東省、福建省および江蘇省が主要輸出省であり、この4省の輸出量が同輸出量の90%を占めた。また、主要な輸出先国は日本である(図8)。

 

(5) 輸入動向


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