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需給動向 2 (野菜情報 2014年4月号)


野菜の輸入動向(平成26年1月分)

~生鮮野菜は、キャベツ、かぼちゃ、たまねぎ等の大幅増により、
  1月の輸入量としては8年ぶりの高水準となる~

野菜需給部 調査情報部


(1) 平成26年1月(速報値)の動向

 平成26年1月の野菜輸入量は、26万4564トン(前年同月比112%)となった。類別に見ると、
 ・「生鮮野菜」9万4093トン(同142%)、
 ・「冷凍野菜」8万3766トン(同101%)、
 ・「塩蔵等野菜」9,995トン(同94%)、
 ・「乾燥野菜」5,020トン(同121%)、
 ・「酢調製野菜」3,570トン(同111%)、
 ・「トマト加工品」2万5501トン(同92%)、
 ・「その他調製野菜」3万9298トン(同103%)、
 ・「その他」3,319トン(同104%) であった。
塩蔵等野菜およびトマト加工品は前年を下回る輸入量となったものの、生鮮野菜、冷凍野菜、乾燥野菜、酢調整野菜、その他調整野菜およびその他が前年を上回ったことから、輸入量全体では前年を大きく上回った(過去からの推移は、図1~4を参照)。

(2) 生鮮野菜の動向

 輸入量が増加した主な品目は、
 ・結球キャベツ6,992トン(前年同月比185%)、
 ・かぼちゃ1万9057トン(同185%)、
 ・たまねぎ3万5730トン(同178%)、
 ・アスパラガス1,025トン(同147%) 
 ・にんじん及びかぶ5,934トン(同136%)、
 ・結球レタス3,078トン(同132%)、
 ・にんにく1,658トン(同106%) 等となった。
 結球キャベツは、主産地の愛知県産が夏の高温と少雨のため、根の張りが悪く小玉傾向で少なめの入荷量となり、加工業務用向けを中心にリスク回避のため、輸入ものを手当てする傾向が強まったことから、前年を上回る輸入量となった。輸入量の内訳は、第1位は中国の4,859トン、第2位は韓国の2,132トンであった。
 かぼちゃは、国内産の夏の高温少雨等のため、少なめの入荷量で推移している中で、例年2月から本格出荷となるニュージーランド産が早めの出荷準備を行い、前倒し出荷を行ったことから、前年を大幅に上回る輸入量となった。輸入量の内訳は、第1位はメキシコの1万1360トン、第2位はニュージーランドの7,692トン、第3位は韓国の5トンであった。
 アスパラガスは、メキシコ産が昨年の大寒波の影響により輸入量が少なかった反動から、前年を上回る輸入量となった。輸入量の内訳は、第1位はメキシコの814トン、第2位はペルーの163トン、第3位はフィリピンの29トンであった。
 一方、輸入量が減少した主な品目では、
 ・ブロッコリー2,307トン(前年同月比69%)、
 ・メロン1,697トン(同91%)、
 ・ごぼう3,901トン(同94%)、
 ・ねぎ4,483トン(同97%) であった。
 生鮮野菜全体の輸入量は、円安にも関わらず国産野菜の品薄の影響から前年同月より4割程度多くなり、5カ月連続で前年を上回った。1月の輸入量としては、平成18年以来の9万トン代となり、8年ぶりの高水準となった。

(3) 冷凍野菜等の動向

 輸入量が増加した品目は、
 ・えんどう1,234トン(前年同月比131%)、
 ・ごぼう898トン(同131%)
 ・いんげん豆等2,500トン(同127%)、
 ・さといも3,730トン(同125%)、
 ・ブロッコリー3,702トン(同122%)、
 ・ほうれんそう等3,453トン(同116%)、
 ・えだまめ3,977トン(同115%)、
 ・いちご2,461トン(同102%)、 であった。
 一方、輸入量が減少した品目は、
 ・スイートコーン3,453トン(同82%)、
 ・ばれいしょ2万9525トン(同85%) となった。
 引き続きばれいしょの輸入量は減少しているものの、他の主要品目で前年同月を大きく上回る輸入量となったため、冷凍野菜の輸入量は、3カ月ぶりに前年を上回った。
 その他の類別で増加した主な品目は、
 ・塩蔵等野菜のれんこん740トン(前年同月比130%)、
 ・乾燥野菜のたまねぎ678トン(同125%)、
 ・酢調整野菜のしょうが1,732トン(同105%)、
 ・トマト加工品のトマトケチャップ435トン(同110%)、
 ・その他調製野菜のしょうが(その他)3,031トン(同149%)、
 ・その他のかんしょ(生鮮・乾燥)1,710トン(同105%) と増加している。

(4) 中国の野菜生産動向

 中国農業部(日本の農林水産省に相当)によれば、2013年全国秋冬野菜の作付面積が、前年比約26万7000ヘクタール増加となった(約1,080万ヘクタール、機構推計)。
 野菜の生育においては、2月上旬の南方地域(江西、湖北、広東、湖南など)における低温および降雪、長江以北における低温の影響があるものの、作付面積の増加により供給量は安定している。
 野菜価格は、1月31日~2月6日の春節における消費の増加により1月は堅調に推移し、2月も上旬の天候不順により堅調に推移したものの、2月中旬以降の天候の回復により、3月に入り下落傾向に転じている。
 冬季における輸出産地である福建省においては、生産地域が無霜地帯であることから、主要輸出品目である、ねぎ、にんじんなどの生育は順調となっている。
 冬季のたまねぎは、雲南省が主産地となり、福建省や山東省の輸出企業によるむき球加工の後、対日輸出される。通常、8月~9月に収穫される甘粛省産は、貯蔵・むき球加工により2月まで対日輸出されるが、本年は、残量が多いことから、雲南省産や山東省産の出荷が本格化すれば、輸出価格の下落も予想される。
 2014年1月に、ベトナムから101トンのにんじんが輸入された。近年、ベトナムからの輸入が増加傾向にあるが、ベトナムに進出した中国生産企業による対日輸出も、増加傾向にある模様である。近年の中国における労働者賃金の上昇や生産資材の価格上昇により、中国野菜生産および輸出企業は、賃金が安価な諸国への進出が始まっている模様である。

(5) 輸入動向


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