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需給動向 1 (野菜情報 2014年3月号)


東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(平成26年1月)

~キャベツ、たまねぎは引き続き高値傾向も年明けからの好天により果菜類の生育は回復基調~

野菜需給部 調査情報部


(1) 1月の気象概況

 1月は、上旬は数日の周期で気圧の谷が通過し、その後は冬型の気圧配置となる日が多く、北日本の日本海側では気圧の谷の影響を受けやすく、曇りや雪の日が多かった。中旬は、冬型の気圧配置が強まったことから、全国的に寒気が流れ込み、気温は平年を大きく下回る日が多く、北日本から西日本の日本海側では、曇りや雪、または雨の日が多い一方で、太平洋側は晴れの日が多かった。下旬では、はじめは冬型の気圧配置となり、日本海側では曇りや雪、太平洋側では晴れて気温は全国的に平年を下回ったが、旬の後半は、南から暖かい空気が流れ込んだ影響から、気温が平年を大きく上回る日があるなど、気温は全国的に平年を上回った。晴れの日が多かったことから、月間の日照時間はかなり多く推移し、特に西日本日本海側の月間日照時間は、平年の136パーセント、同太平洋側では127パーセントとなり、1月の日照時間としては、統計を開始した1946年以降、最も多い値を記録した。
 産地においては、中旬の急な冷え込みによる生育停滞が見られた品目があったものの、その後の気温が平年を上回る日が多かったため、順調な生育となった品目が多く見られた。
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り。


(2)東京都中央卸売市場

 1月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が12万2000トン、前年同月比103.6パーセント、価格はキログラム当たり242円、同94.8パーセントとなった。
 野菜全体の入荷量は、北海道、関東、四国および九州ものを主体に出回り、果菜類を中心に好天に恵まれ順調な生育となったことから、前年を上回って推移したが、キャベツなどの葉茎菜類は、昨年の天候不順の影響を受け、引き続き前年同月を下回る少なめの入荷量となるものがあった。一方、価格は、なす、ピーマンなどの果菜類は、比較的安定的な入荷であったことから平年並みとなったが、キャベツを中心とした葉茎菜類の一部は、入荷量が減少したことに伴い平年を上回った。
 類別にみると、葉茎菜類の入荷量は、ねぎ、レタスが月を通して前年を大きく上回り、ほうれんそうおよびはくさいは、上中旬は前年を上回ったものの、下旬は前年を下回る入荷量だった。キャベツは、上旬がほぼ前年並みの入荷量であったものの、中下旬は前年を大きく下回る入荷量であった。価格は、レタスは、高値だった前年を大幅に下回り、平年並みの価格となったが、キャベツおよびほうれんそうは、平年を上回って推移した。なお、需要面について見ると、ほうれんそうは、ビタミンや鉄分などが豊富な野菜であることから、学校給食や医療関係の給食などで底堅い需要があったことが、高値に影響したものと思われる。
 果菜類の入荷量は、なす、ピーマンが、月を通して前年を大きく上回る中、トマトは、上旬は前年をやや下回るも、中旬は前年を上回り、下旬は再び前年を下回った。きゅうりは、上旬から中旬にかけて前年を上回って推移したものの、下旬は前年を大きく下回った。価格は、トマトは平年並み、下旬のきゅうりは、平年を下回って推移した。なお、需要面についてみると、きゅうりは恵方巻き需要にも支えられ、価格は、中旬に持ち直したところがあったが、厳冬期でもあることから、サラダ需要が見込めず、ノロウイルスの流行もあって、食品衛生上、生野菜の提供を控えめにした集団給食等の需要の減少などから、下旬の価格が平年を下回って推移した。
 根菜類は、だいこんおよびにんじんが、月を通して前年並み、もしくは前年をやや上回る入荷量となった。価格は、だいこんは、おおむね平年並みで推移したが、にんじんは、月を通して高値基調で平年を大きく上回った。なお、需要面についてみると、煮物以外にも用途が広く、シチューなど学校給食用向けのメニューとして応用が利くことも影響して、価格が高めに推移した。
 土物類は、さといもが、月を通して大幅に平年を下回る入荷量で、ばれいしょは、上旬が前年をやや下回ったものの、中旬は前年を上回り、下旬に再び前年を下回る入荷量であった。たまねぎは、月を通して平年を下回った。価格は、ばれいしょは平年並み、たまねぎは月を通して前年を大幅に上回って推移した。なお、需要面についてみると、厳冬期のためシチューなどの加熱料理需要により、量販店や学校給食などの集団給食で安定した需要が見られた。
 なお、品目別の詳細については以下の通り。

東京都中央卸売市場の動向(1月速報)

 注: 平年比は過去5ヵ年平均との比較
資料: 東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」

指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

資料:

農林水産省「青果物卸売市場調査」

注  :

平年とは、過去5カ年(平成20~24年)の旬別価格の平均値である。

(3)大阪市中央卸売市場

 1月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万3562トン、前年同月比104.9パーセント、価格は、キログラム当たり229円、同101.3パーセントであった。
 入荷量は、土物類のさといもやたまねぎを中心に前年を下回ったが、果菜類のなすを中心に、多くの品目で前年を上回ったことから、野菜全体では前年を上回った。
 価格は、葉茎菜類のレタスが、生育の回復から入荷量が伸びたことなど、指定野菜14品目のうち、過半数の品目で前年を下回ったが、12月に引き続き、入荷が伸びなかったさといもなどが、前年を大きく上回ったことから、野菜全体では前年をやや上回った。
 類別に見ると、葉茎菜類の入荷量は、兵庫産の入荷が順調であったレタスが、前年を上回るなど、多くの品目で入荷量は前年を上回った。価格は、入荷量が伸びたレタスが、前年をかなり下回ったものの、キャベツは、前年が安値で推移したことから、前年を上回った。
 果菜類の入荷量は、すべての品目で順調な入荷となったことから、前年を上回った。価格は、入荷量の増加により価格の下げが止まらなかったきゅうりを中心に、前年をかなり下回った。
 根菜類の入荷量は、出遅れていた残量の順調な入荷により、すべての品目で前年を上回った。価格は、入荷量の増加により一段下げとなり、前年を下回った。
 土物類の入荷量は、ばれいしょが、メークインの入荷が伸びたものの、他の品目で生育不良や小玉傾向となり、前年を大きく下回った。価格は、入荷量が伸びなかったことから、前年を大きく上回った。
 なお、品目別の詳細は次の通り。

(執筆者:東果大阪株式会社 福重 博美) 

大阪市中央卸売市場の動向(1月速報)

資料:農林水産省青果物卸売市場調査
 注:平年比は過去5カ年平均との比較

指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

資料:

農林水産省青果物卸売市場調査

 注:

平年とは、過去5カ年(平成20~24年)の旬別価格の平均値である。

(4)市場担当者から

①3月の市場開市および休市
 3月の市場開市日数は22日で、休市日数は9日となっている。
②需要を中心とした3月の見通し
 3~4月の関東以西の天候は、総じて晴天が続き、干ばつ傾向となりがちである。この干ばつ傾向により、地温は上がらず、日照があっても春の露地野菜の生育は抑制される。キャベツ、だいこん、はくさい等の春ものが前進しないことで、生産者も秋冬の最終ものの出荷は加速しないと思われる。露地の春ブロッコリー等も含めて市場出荷の多い少ないは、雨の降り方で決まってくるであろう。
 果菜類については、トマトを始め日照時間に問題なければ、寒さが厳しくとも量的な心配は要らないであろう。しかし、年末からハウスの温度を理想通り高くできず、遅れた分が3月に多く入荷し、思わぬ低迷の時期があると予想している。その場合、量販店には、思い切って店頭の価格を下げて売ってもらいたいところである。
 アスパラガスは売れ筋の春野菜であり、量販店では最も力の入るアイテムである。輸入ものの中心であるメキシコ産については、円安傾向であっても中旬まで潤沢となることが予想される。佐賀産は、中旬から本格化するが、株の養成も十分で順調であると予想される。
 3月には本格的に春商材に切りかわるが、レタス等は、ノロウィルス騒動が完全に終息した方が動きは良くなるであろう。最大の供給リスクは降雪であり、降り方によっては出回りが減って高値の可能性もある。
 山形産など、東北地方中心の山菜類は、量販店はもちろん、業務筋にとっての3月の重要商材である。たらのめおよびうるいについては、平成20年前後をピークに、減少しながら推移している。群馬産のふきのとうは、増える傾向にある。
 福岡産のたけのこは、作の表年傾向で、2月20日過ぎから本格化し、3月がメインの出荷となると思われる。価格次第で収穫を調整することから、価格は堅調に推移すると思われる。家庭消費は4月に入ってからということで、静岡産がメインになる。
 その他野菜類の供給を阻害する要因として、水耕栽培タイプのみつばの種が不作で、供給量が少なくなっていることから、出荷量も少ない見込みである。種苗メーカーは安定供給に向けて努力しているものの、昨年の早生たまねぎにおける種不足の問題等、世界的な異常気象で、計画通りの採種が難しくなっていることなど、種子供給に関する供給リスクも無視できないと思われる。
 近年、野菜を取り巻く資材および燃料コストの上昇は著しく、再生産価格を上昇させる要因となっている。市場価格は、需要と供給により決定されるものであることから、生産者手取り向上のためにも、量販店による一層の売り込みと、活発な末端消費を期待したいところである。

(執筆者:東京青果株式会社 加藤 宏一)


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