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需給動向 1 (野菜情報 2013年12月号)


東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(平成25年10月)

~台風、長雨、気温の寒暖の差の影響を受け、野菜価格は全般的に平年を上回る~

野菜需給部 調査情報部


(1) 10月の気象概況

 10月は、上旬において太平洋高気圧の勢力が平年より強かったことから、全国的に高温となり、旬の平均気温では1961年以降最も高い気温で推移した。特に台風24号が日本海を通過した上旬後半に南から暖かい空気が流れ込んだため、新潟県糸魚川市では10月として観測史上最高記録となる気温35.1度の猛暑日を観測し、北日本から西日本にかけて厳しい暑さとなった。中旬は、台風26号が発達しながら南海上を北上し、強い勢力を保ちながら関東地方沿岸に接近したため、家屋被害、土砂災害、河川の氾濫などが発生した。特に伊豆大島では、平年の10月の降水量の2.5倍に相当する記録的な大雨となり、大規模な土砂災害に見舞われた。下旬は、台風27号と秋雨前線の影響から東・西日本を中心に大雨となり、特に北日本の太平洋側の旬の日照時間は、1961年の統計開始以降で最も少ない値を記録した。また、後半は一時的な冬型の気圧配置となったことから、ほぼ全国的に気温は低く推移した。
 旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下の通り。


(2)東京都中央卸売市場

 10月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量及び価格は、入荷量が14万1000トン、前年同月比97.5パーセント、価格はキログラム当たり220円、同112.0パーセントとなった。
野菜全体の入荷量は、関東、北海道および東北ものを主体に出回り、一部の産地で台風26号の影響から特に果菜類を中心に影響を受け、入荷量は減少し、全体の入荷量においても前年同月を下回って推移した。価格は、前年価格安値であったキャベツ、だいこんを中心に前年同月を大幅に上回り、その他の品目において、前年同月を上回って推移した。
 類別にみると、葉茎菜類の入荷量は、上旬は各品目で平年を上回る入荷量であったが、中旬ははくさい以外の品目で平年を下回り、下旬ははくさい、ねぎで平年を上回ったものの、キャベツ、ほうれんそう、レタスで平年を下回る入荷量であった。価格は、上中旬ははくさい、ほうれんそう、ねぎで平年を下回って推移し、下旬はすべての品目で平年を上回る価格となった。なお、キャベツは月を通して平年を上回っており、特に下旬は、平年と比べ160パーセントと大幅に値を上げた。
 果菜類の入荷量は、上旬はおおむね平年を上回る入荷量であったが、中下旬はトマトを除くその他の品目では平年並みもしくは平年を下回る入荷量となった。価格は、トマトにおいて中旬のみ平年を下回ったものの、その他の品目では平年並みもしくは平年を上回る価格で推移した。
 根菜類は、だいこんおよびにんじんは、上旬と下旬は平年を上回る入荷量となったが、中旬は台風の影響で収穫に遅れが出たことなどから、平年を下回る入荷量であった。価格は、だいこんは、月を通して平年を上回って推移した。
 土物類の入荷量は、おおむね平年並みもしくは平年をやや上回って推移し、価格は、月を通して平年をおおむね上回る価格で推移した。
 なお、品目別の詳細については以下の通り。

東京都中央卸売市場の動向(10月速報)

 注: 平年比は過去5ヵ年平均との比較
資料: 東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」

指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

資料:

農林水産省「青果物卸売市場調査」

注  :

平年とは、過去5カ年(平成20~24年)の旬別価格の平均値である。

(3)大阪市中央卸売市場

 10月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万9792トン、前年同月比96.9パーセント、価格は、キログラム当たり213円、同114.5パーセントであった。
 野菜全体の入荷量は、果菜類のピーマンおよびトマトの夏秋産地で、生育が順調であったことから入荷が順調に進んだが、土物類のさといもを中心に、曇雨天により収穫作業が進まなかったことから入荷量が伸びず、前年を下回った。
 価格は、入荷量が大きく伸びたトマトを中心に前年を下回ったものの、多くの品目で前年が安値で推移していたことから、前年を上回った。
 類別にみると、葉茎菜類全般の入荷量は、生育不良の中、価格高による集約出荷などにより、前年をやや上回る入荷量になった。価格は、前年が安値で推移したことから、多くの品目で前年を上回った。特にキャベツは、前年が安値であったことに加え、高冷地の残量が少なかったことと、後続産地の生育不良から、前年の2倍を超える価格となった。
 果菜類は、秋冬産地が順調に生育したピーマンおよびトマトは入荷量が前年を上回ったものの、抑制ものが早く切り上がったきゅうりや、台風などの天候不順が響いたなすは、入荷量が前年を下回った。価格は、前年が安値で推移したことから平年を上回ったが、トマトは、上旬までの高値からの反動と、中旬以降の入荷量が増加したことにより、前年を下回った。
 根菜類は、主産地の北海道の入荷量が安定しない中、後続産地の生育不良などにより入荷量が伸びず、前年を下回った。価格は、入荷量が伸びなかったことから、前年を上回った。
 土物類は、天候不良により収穫作業が進まなかったことなどから、前年を下回った。価格は、入荷量が伸びなかったことから、前年を上回った。
なお、品目別の詳細については次の通り。

(執筆者:東果大阪株式会社 福重 博美) 

大阪市中央卸売市場の動向(10月速報)

資料:農林水産省青果物卸売市場調査
 注:平年比は過去5カ年平均との比較

指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

資料:

農林水産省青果物卸売市場調査

 注:

平年とは、過去5カ年(平成20~24年)の旬別価格の平均値である。


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