野菜需給部 調査情報部
2月は、月の初めに暖かい空気が流れ込んだ影響で、上旬は前月までの低温傾向から一転して全国的に顕著な高温を記録した。しかし、その後は再び寒気の影響を受けやすい状況となり、北・東日本では低温となり、北~西日本の日本海側では、雨や雪を記録することが多く、同太平洋側でも数日の周期で雨や雪を観測した。
中旬の終わりから下旬にかけては、冬型の気圧配置が強まり、北日本を中心に顕著な低温となった。また、北日本日本海側から北陸地方にかけて大雪となり、26日には、青森県酸ヶ湯で積雪深566センチを記録するなど全国9の観測地点で年間の積雪深の記録を更新し、記録的な積雪となった。
産地においては、日照時間は平年並みでおおむね確保され、上旬にかけては大きく気温が上がったことから一時的に生育の回復が見られたが、その後の冷え込みで、再び生育が鈍るなどの影響が一部見受けられた。
旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下のとおり。
2月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が12万トン、前年同月比97%、価格はキログラム当たり222円、同87%となった。
野菜全体の入荷量は、北海道、関東、四国および九州ものを主体に出回り、これまでレタスなど一部の葉茎菜類を中心に少なめの入荷量となっていたが、2月上旬の暖かい気候の影響で入荷量が回復傾向となった。全体の入荷量は前年比97%とやや下回ったが、前年はうるう年で1日多かったことを考慮すると、市場における不足感が前年に比べて小さく、価格は、高かった前年を大きく下回って推移した。
類別にみると、葉茎菜類の入荷量は、気温の上昇による生育の回復が見受けられ、はくさい、キャベツおよびほうれんそうの入荷量が増加し、平年を上回った。また、レタスも上旬は少なかったものの、中下旬にかけて入荷量が増加した。価格は、はくさいは月を通して横ばいで推移したものの、ほうれんそうは上中旬が平年を下回り、上旬に高かったレタスとキャベツは値を下げ、中下旬は平年並みとなった。
果菜類は、1月からの好天の影響を受け、きゅうりは月を通して平年を上回って推移し、なすおよびピーマンも、月を通して安定した数量での入荷となった。トマトは、下旬にかけてやや入荷量が落ち込んだ。価格は、トマトが月を通して平年を上回り、下旬には高値で推移し、きゅうりおよびなすは、中旬に値を下げるも下旬には値を戻した。ピーマンは、月を通して価格が下がり、中下旬にかけては平年を下回って推移した。
根菜類のうちだいこんは、上中旬は安定した入荷量となったものの、下旬はややペースが落ちた。にんじんは、月を通して入荷量が減少して推移した。価格は、上旬はいずれも高値となったが、だいこんは中旬以降値を下げた一方、にんじんは高値のまま下旬まで推移した。
土物類は、ばれいしょやたまねぎの主産地である北海道産が豊作基調であることから、安定した入荷量となり、いずれも中下旬にかけて平年を上回った。価格は、月を通して平年を下回って推移した。
なお、品目別の詳細については以下のとおり。
東京都中央卸売市場の動向(2月速報)
注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5ヵ年(平成20~24年)の旬別価格の平均値である。
資料:
農林水産省「青果物卸売市場調査」
2月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万4千トン、前年同月比105%、価格はキログラム当たり198円、同82%であった。
入荷量は、上旬はほうれんそう、レタス、はくさい、キャベツ、なすおよびにんじんで前年を上回り、中旬もさといも、だいこんおよびばれいしょを除く多くの品目で前年を上回ったが、下旬はキャベツ、にんじん、なす、ほうれんそうおよび土物類で前年を下回った。
価格は、月を通して前年を下回って推移し、上旬は根菜類およびたまねぎを除く品目で、中旬および下旬はたまねぎを除く多くの品目で前年を下回った。
なお、品目別の詳細については以下のとおり。
(執筆者:東果大阪株式会社 福重 博美)
大阪市中央卸売市場の動向(2月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料:農林水産省「青果物卸売市場調査」
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5カ年(20~24年)の旬別価格の平均値である。
資料:
農林水産省「青果物卸売市場調査」