野菜需給部 調査情報部
1月は、前月に引き続き寒気の流入の影響が強く、沖縄・奄美地方を除く地域で冷え込みの強い月となり、東・西日本では3ヵ月連続して低温を記録した。一方で、日照時間は沖縄・奄美地方を除く地域で多くなり、特に北~西日本の太平洋側では晴れの日が多く、福島県若松や愛知県名古屋で1月の日照時間の最長記録を更新した。
13~14日にかけては、低気圧が発達しながら日本の南岸を通過したため、全国的に荒れた天気となり、東日本や東北地方太平洋側では平地でも積雪を記録し、横浜市では積雪13センチを記録するなど大雪となったところもあった。月末にかけても、一部の東日本太平洋側で積雪を記録した。
産地においては、日照時間はおおむね確保できたものの、引き続き冷え込みによる生育停滞や、積雪による収穫作業の遅延など、生育や出荷への影響が見受けられた。
旬別の平均気温、降水量、日照時間は以下のとおり。
1月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が12万トン、前年同月比99%、価格はキログラム当たり256円、同103%となった。
野菜全体の入荷量は、北海道、関東、四国および九州ものを主体に出回り、レタスなど一部の葉茎菜類を中心に11月からの低温の影響を受け、少なめの入荷量となった。一方、価格は、レタスを中心に価格高騰があったことに加え、比較的安定入荷であったキャベツなども代替品目として引き合いが強く、全体的に前年を上回る品目が多かったことから、高値だった前年と比べても103%とやや上回った。
類別にみると、葉茎菜類の入荷量は、レタスが月を通して平年を大きく下回り、ほうれんそうおよびねぎも下旬にかけて数量を伸ばしたものの、全体では平年を下回った。はくさいは、月を通しておおむね平年を上回る入荷量となった。価格は、全ての品目で平年を大きく上回って推移し、特にレタスが平年の1.7倍と高騰した。
果菜類は、きゅうり、なすおよびピーマンが上中旬にかけて入荷量が平年を下回り、下旬にかけて回復傾向になるも、月を通して平年を下回る入荷量となった。トマトは、前月に引き続き月を通して平年を上回る入荷量で推移した。価格は、下旬にかけてきゅうりおよびトマトで下落の傾向があったものの、月全体では全ての品目で平年を上回って推移した。
根菜類のうちだいこんは、上下旬は平年を上回ったものの、中旬は平年を下回る入荷量となり、にんじんは、平年を下回る入荷量となった。価格は、いずれも月を通して平年を大きく上回って推移した。
土物類は、ばれいしょやたまねぎの主産地である北海道産が豊作基調であることから、安定した入荷量となった。
なお、品目別の詳細については以下のとおり。
東京都中央卸売市場の動向(1月速報)
注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5ヵ年(平成20~24年)の旬別価格の平均値である。
資料:
農林水産省「青果物卸売市場調査」
1月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万2千トン、前年同月比102%、価格はキログラム当たり232円、同101%であった。
入荷量は、上旬はピーマン、きゅうりおよびだいこんを除く多くの品目で前年を上回ったが、中旬はトマト、ほうれんそう、たまねぎおよびはくさいを除く品目で前年を下回り、下旬はレタス、さといもおよびだいこんを除く多くの品目で前年を上回った。
価格は、上旬はピーマン、きゅうり、レタス、だいこん、はくさいおよびねぎを除く品目で前年を下回ったが、中旬は土物類、キャベツ、トマト、にんじんおよびなすを除く品目で前年を上回り、下旬はレタス、根菜類などを除く多くの品目で前年を下回った。
なお、品目別の詳細については以下のとおり。
(執筆者:東果大阪株式会社 福重 博美)
大阪市中央卸売市場の動向(1月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料:農林水産省「青果物卸売市場調査」
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5カ年(20~24年)の旬別価格の平均値である。
資料:
農林水産省「青果物卸売市場調査」