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需給動向 1 (野菜情報 2012年11月号)


東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(平成24年9月)

~9月は残暑厳しく気温高で推移。入荷量はトマトなど一部品目を除き潤沢で、卸売価格は大幅な安値~

野菜需給部 調査情報部


(1) 9月の気象概況

 9月は、全国的に残暑の影響が強く、各地で気温が平年より高くなる傾向となった。このうち、北・東日本においては、勢力を強めた太平洋高気圧に覆われ、南から暖かい空気が流れ込んだことにより、気温がかなり高くなった。特に北日本では、月平均気温が統計を開始した1946年以降最も高く、記録的な高温となった。また、秋雨前線の活動による影響が少なかったことから、東日本における月間の日照時間がかなり多くなり、特に東日本日本海側は統計を開始して以降、最も多い時間を記録した。これに伴い、一部では降水量が少なく、7月下旬から少雨の傾向が続いたため、取水制限が実施されるなどの影響をもたらした。一方、西日本では南から湿った空気が流れ込んだ影響で大気の状態が不安定となり、曇りや雨となることが多かった。これに加え、月の中ごろには台風16号、月の終わりには台風17号が通過し、大雨、暴風、高波、高潮をもたらした。なお、台風17号については、全国的に大雨をもたらしたため、一部で実施されていた取水制限は解除された。
平均気温は、月を通して北・東日本でかなり高くなり、西日本でも上下旬は平年並みとなったものの、中旬は高くなった。
 降水量は、上旬は北・東日本日本海側、西日本太平洋側で多く、北・東日本太平洋側、西日本日本海側では平年並みだった。中旬は北日本太平洋側でかなり少なかった一方、西日本太平洋側で多く、北日本日本海側、東日本、西日本日本海側では平年並みだった。下旬は東日本日本海側、西日本太平洋側で多く、北日本、東日本太平洋側で平年並みだった。一方、西日本日本海側では少なかった。
 日照時間は、上旬は西日本は平年並みとなったが、それ以外の地域で多く、北日本日本海側ではかなり多くなった。中旬も西日本では平年並みとなるもそれ以外の地域では多く、北日本太平洋側、東日本でかなり多くなった。下旬は一転して、北日本で少なく、東・西日本で多かった。

(2)東京都中央卸売市場

 9月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が13万トン、前年同月比103%、価格はキログラム当たり194円、同80%となった。
 野菜全体の入荷量は、関東、東北および北海道ものを主体に出回り、生育は順調であったことから、月全体では前年同月を上回って推移した。価格は、ほとんどの品目で前年および平年を下回り、全体でも大きく下回った。
 類別にみると、葉茎菜類のうちレタスは、月を通して入荷量が平年を上回ったが、その他の品目については、上中旬にかけてはくさい、ほうれんそうなどが平年を下回り、特に下旬はキャベツ、ほうれんそう、ねぎで平年を下回る入荷となった。価格は、ほうれんそうを除き月を通して平年を大きく下回った。
 果菜類は、上中旬は平年を大きく上回る入荷量となったが、下旬にかけてはきゅうりとなすが平年を大きく下回った。価格は、トマトを除き、月を通して平年を大きく下回った。
 根菜類は、だいこんは上下旬は平年を下回る入荷量となったが、中旬は平年をやや上回った。にんじんは月を通して平年を大きく上回る入荷量となった。価格は、いずれも平年を大きく下回って推移した。
 土物類は、ばれいしょとたまねぎが北海道産の本格的な出回りにより、ばれいしょは中旬から、たまねぎは月を通して平年を上回る入荷量となった。価格は、ばれいしょが月を通して大きく下回って推移し、たまねぎは上旬は平年を大きく上回っていたものの、その後は落ち着き、下旬には平年を下回る価格となった。
 なお、品目別の詳細については以下のとおり。

東京都中央卸売市場の動向(9月速報)

 注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」

指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

注  :

平年とは、過去5ヵ年(平成19~23年)の旬別価格の平均値である。

資料:

農林水産省「青果物卸売市場調査」

(3)大阪市中央卸売市場

 9月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万7千トン、前年同月比105.6%、価格はキログラム当たり192円、同80.7%であった。
 入荷量は、月を通して前年を上回って推移し、上旬はレタス、きゅうり、なす、はくさい、キャベツで、中旬はさといも、ばれいしょ、にんじん、ねぎ、トマトを除く多くの品目で、下旬は根菜類、ほうれんそう、はくさい、キャベツを除く多くの品目で前年を上回った。
 価格は、月を通して前年を下回って推移し、上旬はたまねぎを除く多くの品目で、中旬はたまねぎ、トマト、にんじん、ねぎを除く多くの品目で、下旬はほうれんそう、トマトを除く多くの品目で前年を下回った。
 なお、品目別の詳細については以下のとおり。

(執筆者:東果大阪株式会社 福重 博美) 

大阪市中央卸売市場の動向(9月速報)

  注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料:農林水産省「青果物卸売市場調査」

指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

注  :

平年とは、過去5カ年(19~23年)の旬別価格の平均値である。

資料:

農林水産省「青果物卸売市場調査」


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