[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準

  • 大きく

お問い合わせ

需給動向 1 (野菜情報 2012年10月号)


東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(平成24年8月)

~好天により関東・東北・北海道産が潤沢に入荷。卸売価格は大幅な安値で推移~

野菜需給部 調査情報部


(1) 8月の気象概況

 8月は、太平洋高気圧が本州付近に張り出した影響で猛暑日を記録する地点が多く、全国的に平均気温が高い月となった。月の初めに台風10号が九州の南を通過して以降は、気温が大幅に上がり、広い範囲で猛暑日を記録した。その後、中旬にかけては平年並みの気温に落ち着いたが、下旬にかけて再び上昇し、北日本では統計を開始した1961年以降、最も高い値を記録した。日照時間も北日本、東日本では多くなり、特に小名浜、軽井沢、水戸など5地点では、8月の月間日照時間の多い方からの1位を更新した。これと連動して、北日本から東日本では降水量が少なくなり、河口湖では8月の月降水量の少ない方からの1位を更新した。一方、西日本では日照時間、降水量は平年並みで推移したものの、太平洋高気圧の縁を回る湿った空気や寒気の流入の影響で大気が不安定となり、局所的な大雨が発生した。特に13日から14日にかけては集中豪雨を記録している。沖縄・奄美では、台風9号、11号、14号が通過したほか、大型の15号が本島付近を通過した影響で、統計を開始した1946年以降、降水量が最も多くなった。
 平均気温は、上旬は西日本で高く、北・東日本で平年並みだった。中下旬は全国的に高く、特に下旬の北・東日本ではかなり高くなった。
 降水量は、上旬は北日本、東日本日本海側、西日本太平洋側で平年並みで、東日本太平洋側で少なかった。中旬は北日本日本海側でかなり多く、東日本太平洋側、西日本で多かった。一方、北日本太平洋側では少なかった。下旬は西日本では平年並みで、北日本、東日本太平洋側でかなり少なく、東日本日本海側で少なかった。
 日照時間は、上旬は東日本日本海側でかなり多く、東日本太平洋側、西日本日本海側で多かった一方、北日本太平洋側で少なかった。中旬は全国的に平年並みとなり、下旬も少なかった西日本太平洋側を除き平年並みであった。

(2)東京都中央卸売市場

 8月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が13万トン、前年同月比103%、価格はキログラム当たり191円、同87%となった。
 野菜全体の入荷量は、関東、東北および北海道ものを主体に出回り、生育は順調であったことから、月全体では前年同月を上回って推移した。価格は、品目別で一部を除き前年および平年を下回り、全体でも大きく下回り、過去5年中最も安い価格となった。
 類別にみると、葉茎菜類は、中旬は開市日数の関係で入荷量が平年を下回ったが、上下旬はおおむね入荷量が平年を上回り潤沢な入荷となった。価格は、月を通して平年を大きく下回った。
 果菜類は、上旬はピーマンを除き平年を大きく上回る入荷量となり、中旬は入荷量が落ち込んだが、下旬には再び平年を上回る入荷量となった。価格は、月を通して平年を大きく下回った。
 根菜類は、だいこんは上旬は平年を上回る入荷量となったが、中下旬は平年をやや下回った。にんじんは月を通して平年を大きく上回る入荷量となった。価格は、いずれも平年を大きく下回って推移した。
 土物類は、ばれいしょは中旬は平年を下回ったが、上下旬は大きく上回る入荷量となった。たまねぎは府県産の不作の影響が残り、月を通して平年を大きく下回る入荷量となった。価格は、ばれいしょが月を通して大きく下回って推移した一方、たまねぎは平年を大きく上回ったまま推移した。
 なお、品目別の詳細については以下のとおり。

東京都中央卸売市場の動向(8月速報)

 注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」

指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

注  :

平年とは、過去5ヵ年(平成19~23年)の旬別価格の平均値である。

資料:

農林水産省「青果物卸売市場調査」

(3)大阪市中央卸売市場

 8月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万6千トン、前年同月比101.2%、価格はキログラム当たり192円、同91.9%であった。
 入荷量は、上旬はなす、トマト、にんじんを除く品目で前年を下回り、中旬もにんじん、ばれいしょ、なす、はくさいを除く品目で前年を下回ったが、下旬はだいこん、さといも、ピーマンを除く品目で前年を上回った。
 価格は、上旬は果菜類、根菜類、さといも、キャベツ、ばれいしょで、中旬はなす、レタス、にんじん、さといも、トマト、ピーマン、ばれいしょで、下旬はたまねぎ、だいこん、さといも、ピーマンを除く多くの品目で前年を下回った。
 なお、品目別の詳細については以下のとおり。

(執筆者:東果大阪株式会社 福重 博美) 

大阪市中央卸売市場の動向(8月速報)

  注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料:農林水産省「青果物卸売市場調査」

指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

注  :

平年とは、過去5カ年(19~23年)の旬別価格の平均値である。

資料:

農林水産省「青果物卸売市場調査」


元のページへ戻る


このページのトップへ