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需給動向 1 (野菜情報 2012年9月号)


東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(平成24年7月)

~九州北部豪雨の影響少なく、関東・東北産の本格的な入荷で卸売価格は安値傾向~

野菜需給部 調査情報部


(1) 7月の気象概況

 7月は、梅雨前線や湿った気流の影響を受け、月の前半は九州地方を中心に大雨をもたらした。特に、11~14日にかけては、南から非常に湿った空気が流れ込んだため、九州北部で記録的な大雨となり、福岡、大分、熊本県では甚大な災害が発生した(九州北部豪雨)。大分県日田においては、7月の降水量がこれまでの記録を更新している。月の後半になると、太平洋高気圧が本州付近で次第に強まり、東・西日本で晴れの日が多くなり、気温が上がったが、20~22日にかけてはオホーツク海高気圧が張り出し、冷たい空気が流れ込んだことから、一時的に平年を大幅に下回る気温となった。その後は、再び太平洋高気圧が勢力を強め、北日本から西日本にかけて晴れ間が広がり、気温が上がった。26日からは、猛暑日を記録した地点もあり、これに伴い月の平均気温は、全国的に高くなった。なお、四国、中国、近畿、東海、関東甲信地方で17日ごろ、北陸地方で18日ごろ、九州地方で23日ごろ、東北地方で26日ごろに梅雨明けを記録している。
 平均気温は、上旬は北日本で高く、東・西日本太平洋側では平年並みだった。中旬は東・西日本で高く、北日本では平年並みだった。下旬は東日本を除く地域で高くなった。
 降水量は、上旬は東日本、西日本太平洋側で多く、北日本、西日本日本海側では平年並みだった。中旬は北日本日本海側、西日本で多く、北日本太平洋側、東日本では平年並みだった。下旬は東日本を除く地域で少なかった。
 日照時間は、上旬は全国的に平年並みで、中旬は北・東日本日本海側で多く、同太平洋側、西日本では平年並みであった。下旬は北日本太平洋側、西日本で多く、北日本日本海側、東日本で平年並みだった。

(2)東京都中央卸売市場

 7月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が12万トン、前年同月比104%、価格はキログラム当たり217円、同91%となった。
 野菜全体の入荷量は、関東・北海道ものおよび東北ものを主体に出回り、おおむね生育は順調であったことから、月全体では前年同月を上回って推移した。価格は、品目別でも前年および平年を下回るものが多く、全体でも下回って推移した。
 類別にみると、葉茎菜類は、月を通しておおむね入荷量が多かったが、ほうれんそうは下旬にかけて減少した。価格は、月を通してほうれんそうを除き平年を下回った。
 果菜類は、上中旬はなすを除き、おおむね平年を上回る入荷量となったが、下旬は平年を下回る入荷量となった。価格は、トマトおよびなすは平年を上回って推移したが、きゅうりは、上中旬は平年を下回った。
 根菜類は、だいこんは上中旬は平年をわずかに上回る入荷量となったが、下旬は平年を下回った。にんじんは、生育遅れの影響が残り上旬は少なめの入荷量となっていたものの、中下旬には平年を上回る入荷量となった。価格は、だいこんは月を通して平年を下回って推移し、にんじんは上中旬は平年を上回ったが、下旬は平年を下回った。
 土物類は、ばれいしょは月を通して平年を下回る入荷量となった。たまねぎは平年を下回る入荷量となり、特に中下旬は大きく下回った。価格は、前月に引き続き、ばれいしょが月を通して大きく下回って推移した一方、たまねぎは平年を大きく上回ったまま推移した。
 なお、品目別の詳細については以下のとおり。

東京都中央卸売市場の動向(7月速報)

 注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」

指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

注  :

平年とは、過去5ヵ年(平成19~23年)の旬別価格の平均値である。

資料:

農林水産省「青果物卸売市場調査」

(3)大阪市中央卸売市場

 7月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万5千トン、前年同月比106.2%、価格はキログラム当たり206円、同91.2%であった。
 入荷量は、上旬はピーマンを除く多くの品目で前年を上回り、中旬はレタス、なす、だいこん、トマト、きゅうり、はくさいなどで前年を下回ったが、下旬は果菜類、にんじん、さといも、ほうれんそう、キャベツで前年を上回った。
 価格は、月を通して前年を下回って推移し、上旬はたまねぎ、にんじんを除く品目、中旬はたまねぎ、にんじん、ばれいしょ、レタスを除く品目、下旬もたまねぎ、レタス、にんじん、ばれいしょ、ねぎを除く多くの品目で前年を下回った。
 なお、品目別の詳細については以下のとおり。

(執筆者:東果大阪株式会社 福重 博美) 

大阪市中央卸売市場の動向(7月速報)

  注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料:農林水産省「青果物卸売市場調査」

指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

注  :

平年とは、過去5カ年(19~23年)の旬別価格の平均値である。

資料:

農林水産省「青果物卸売市場調査」


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