野菜需給部 調査情報部
6月は、梅雨前線と台風の影響を受け、西日本を中心に降水量の多い月となった。南海上に停滞した梅雨前線の影響や、19日に台風4号が和歌山県南部に上陸したことなどから、西日本太平洋側では降水量がかなり多く、宮崎県、鹿児島県の一部地域では、6月の降水量の最大記録を更新した。また、同様の理由から日照時間はかなり少なかった。
一方、北日本から東日本にかけては、台風4号の通過があったものの、北に偏った高気圧に覆われたため、降水量が少なく日照時間が多かった。特に東日本日本海側では日照時間が多く、下旬の日照時間は、北日本太平洋側も含め、1961年以降最も多い値を記録した。
平均気温は、上旬は北日本から西日本にかけて平年並みとなり、中旬は北日本から西日本にかけて低くなり、下旬は北日本を除く地域で低くなった。
降水量は、上旬は東日本日本海側で多く、北日本日本海側で少なかった。北・東日本太平洋側、西日本では平年並みであった。中旬は北・東日本日本海側を除く地域で多くなり、北日本から西日本にかけての太平洋側ではかなり多かった。下旬は西日本太平洋側でかなり多く、西日本日本海側では平年並みであった。一方、北日本日本海側、東日本太平洋側で少なく、東日本日本海側ではかなり少なかった。
日照時間は、上中旬は西日本太平洋側でかなり少なく、北・東日本太平洋側、西日本日本海側で少なかった。下旬は北日本、東日本日本海側でかなり多く、東日本太平洋側で多かった。一方、西日本太平洋側では少なかった。西日本日本海側では平年並みであった。
6月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が13万トン、前年同月比105%、価格はキログラム当たり215円、同92%となった。
野菜全体の入荷量は、関東・東北ものおよび九州ものを主体に出回り、台風による影響も少なく、生育はおおむね順調であったことから、月全体では前年同月を上回って推移した。価格は、前年および平年を下回る品目が多く、全体でも下回って推移した。
類別にみると、葉茎菜類は、キャベツは月を通して入荷量が多かったが、レタス、はくさい、ほうれんそうは、上旬は前年を上回ったものの、中旬は減少し、下旬は増加した。価格は、上中旬にかけて平年を下回って推移したものの、下旬には上げ基調となり、レタスなど平年を上回る品目もあったが、キャベツは月を通して平年を下回った。
果菜類は、なすを除きおおむね平年を上回る入荷量となった。価格は、トマト、なすはおおむね平年を上回って推移したが、きゅうりは上中旬は平年を下回り、ピーマンは月を通して平年を下回った。
根菜類は、上旬こそ生育の遅れから少なめの入荷量となっていたものの、下旬には平年を上回る入荷量となった。価格は、だいこんは上中旬は平年を下回り、にんじんはおおむね月を通して平年を上回って推移した。
土物類は、主に九州産の出回りとなり、ばれいしょは長崎県産、静岡県産が潤沢な入荷となり、中下旬にかけて平年を大きく上回る入荷量となったが、たまねぎは佐賀県産が少ない入荷となったため、平年を下回る入荷量となった。価格は、ばれいしょが月を通して平年の半値程度と大きく下回って推移した一方、たまねぎは平年を大きく上回ったまま推移した。
なお、品目別の詳細については以下のとおり。
東京都中央卸売市場の動向(6月速報)
注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5ヵ年(平成19~23年)の旬別価格の平均値である。
資料:
農林水産省「青果物卸売市場調査」
6月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万7千トン、前年同月比108.0%、価格はキログラム当たり197円、同88.3%であった。
入荷量は、上旬は根菜類、ねぎ、なす、たまねぎ、ほうれんそうを除く品目で、中旬はキャベツ、きゅうり、トマト、ばれいしょ、はくさいで、下旬はレタスを除く多くの品目で、前年を上回った。
価格は、上旬はたまねぎ、キャベツ、トマト、根菜類を除く品目で、中旬はたまねぎ、にんじん、ねぎを除く多くの品目で、下旬もたまねぎ、にんじん、レタス、さといも、ねぎを除く品目で、前年を下回った。
品目別の詳細については以下のとおり。
(執筆者:東果大阪株式会社 福重 博美)
大阪市中央卸売市場の動向(6月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料:農林水産省「青果物卸売市場調査」
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5カ年(19~23年)の旬別価格の平均値である。
資料:
農林水産省「青果物卸売市場調査」