野菜需給部 調査情報部
2月は、月の前半を中心に西高東低の冬型の気圧配置が強まり、月平均気温が平年を1度以上下回るなど厳しい寒さとなった。北日本から西日本にかけては、多くの地点で2月の月最深積雪量の記録を更新し、一部山間地では3メートルを超す大雪となった。北・西日本の日本海側を中心に強い寒気の影響を受けて荒れ模様となった一方、本州の南部を低気圧や前線が通過したことから、東・西日本太平洋側においても広い範囲で雨や雪が降るなど不安定な天候が続き、月間日照時間は少なめ、月間降水量は全国的に平年を上回った。
気温は、上中旬にかけては、寒気が流入したことから、おおむね全国的に低かった。下旬になると、一時的に冬型の気圧配置が緩み、東・西日本では平年並みとなったが、北日本においては引き続き寒気の影響を受けて低かった。
降水量は、上旬は強い寒気に加え、低気圧や前線の影響を受けておおむね全国的に多く、北日本太平洋側では平年並みだった。中旬は北・東日本日本海側、西日本で平年並み、北・東日本太平洋側では少なかった。下旬には再び低気圧や前線の影響を受けて、太平洋側と西日本日本海側で多かった一方、東日本日本海側では少なく、北日本日本海側では平年並みだった。
日照時間は、上旬は全国的に少なく、北・西日本日本海側で特に少なかった。中旬にはおおむね全国的に平年並みとなり、北日本太平洋側で多く、西日本日本海側では少なかった。下旬も引き続き全国的に平年並みとなったものの、東日本太平洋側では少なかった。
2月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が12万3千トン、前年同月比104.9%、価格はキログラム当たり257円、同106.9%となった。
野菜全体の入荷量は、関東・北海道ものおよび四国・九州ものを主体に出回り、12月中下旬から続いた低温と少雨、1月下旬以降の強い寒気による低温や日照不足の影響を受け、生育の停滞がみられたものの、月全体では、少なめだった前年を上回った。価格は、ほとんどの品目において前年および平年を上回って推移し、葉茎菜類や果菜類を中心に高値展開となった。
品目別にみると、はくさい、レタス、キャベツ、ほうれんそうなどの葉茎菜類は、低温と1月中旬頃までの少雨の影響を受けて生育が停滞したことに加え、キャベツやはくさいの関東近郊の一部産地においては、凍害による外葉の傷みがみられたことから少なめの入荷量となり、価格は、おおむね月を通して平年を大幅に上回って推移した。
なす、トマト、ピーマンなどの果菜類についても、低温と曇天の影響を受け、肥大が進まないなど生育が停滞したことから、少なめの入荷が続いた。このため価格は月を通して平年を上回り、特に下旬は高値で推移した。
だいこんについても、低温の影響を受けて露地ものを中心に肥大が進まず、小ぶりのものが中心となり、少なめの入荷となったことから、価格は月を通して平年を大幅に上回って推移した。
なお、品目別の詳細については以下のとおり。
東京都中央卸売市場の動向(2月速報)
注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5ヵ年(平成19~23年)の旬別価格の平均値である。
資料:
東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量および価格」
2月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万3千トン、前年同月比104.4%、価格はキログラム当たり241円、同103.9%であった。
入荷量は、上旬ははくさい、ほうれんそう、レタス、トマト、にんじんで前年を下回ったが、中旬はレタス、ピーマン、にんじん、ねぎを除く品目で、下旬もレタス、きゅうり、ピーマン、ほうれんそう、トマトを除く品目で前年を上回った。
価格は、上旬は土物類、にんじんを除く品目で、中旬は土物類、にんじん、キャベツを除く品目で、下旬も土物類、にんじんを除く品目で前年を上回った。
品目別には次のとおり。
(執筆者:東果大阪株式会社 福重 博美)
大阪市中央卸売市場の動向(2月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料:農林水産省「青果物卸売市場調査」
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5カ年(19~23年)の旬別価格の平均値である。
資料:
農林水産省「青果物卸売市場調査」