野菜需給部 調査情報部
1月は、月を通して冬型の気圧配置が強く、平均気温は月を通して低かった。特に北・西日本の日本海側においては強い寒気が流れ込んだことから、曇りや雨、雪の日が多く、全国15地点で1月の月最深積雪の記録を更新するなど、不安定な天候が続いた。太平洋側ではおおむね晴れの日が多かったが、月の後半にかけては、日本の南海上を通過した低気圧や前線の影響を受けて一時的に大雪となるなど、各地で荒れ模様となった。
気温は、上旬は東・西日本で低く、北日本では平年並みとなった。中旬は強い寒気の影響を受けて、北・東日本で低く、西日本では平年並みだった。下旬は更に一段冷え込み、おおむね全国的に低かった。
降水量は、上旬は北日本を中心に積雪も見られたものの、全国的に平年を下回って推移し、東日本太平洋側では特に少なかった。中旬は、北・東日本で少なく、北日本太平洋側では特に少なかった。一方、低気圧や前線の影響で一時的に雨や雪の日があった東・西日本太平洋側では多かった。下旬は北・東日本太平洋側で多かったが、西日本太平洋側では少なく、日本海側ではおおむね平年並みとなった。
日照時間は、上旬は東・西日本日本海側でやや少なかった一方、北・西日本太平洋側では晴れの日が続き、多かった。中旬は北日本では多く、東日本太平洋側および西日本で少なかった。下旬は北日本太平洋側、東日本で少なく、西日本日本海側で多かった。
1月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が11万9千トン、前年同月比102.0%、価格はキログラム当たり248円、同108.8%となった。
野菜全体の入荷量は、関東・北海道ものおよび四国・九州ものを主体に出回り、12月中下旬からの低温と少雨の影響を受けて生育が停滞したことから、月全体では、やや少なめだった前年並みの入荷となった。このため、価格は多くの品目において前年および平年を上回って推移し、特に上旬は年末年始の需要期にかけて入荷量が少なかったことから葉物野菜を中心に高騰し、野菜全般で高値展開となった。
品目別にみると、レタス、キャベツ、ほうれんそうなどの葉茎菜類は、低温、少雨の影響により生育が停滞したことから、おおむね月を通して少なめの入荷量となった。このため価格は平年を上回って推移し、特にキャベツやほうれんそうについては、12月上旬までの暖かさにより生育・出荷が前進化した後、出荷の谷間となったことから、平年を大幅に上回る価格となった。
なす、トマト、ピーマンなどの果菜類も、主産地の西南暖地における12月の曇天の影響を引きずり、花付きが悪かったことなどから少なめの入荷が続いたため、価格は月を通して平年を上回って推移した。
だいこんおよびはくさいは、上中旬までは平年並みの入荷となっていたが、低温、少雨の影響を受けて肥大が進まず、出荷量が伸びなかったことから価格は下旬にかけて上げ基調となった。にんじんは、月を通して安定した入荷となり、前月に引き続き価格は平年並みで推移した。
なお、品目別の詳細については以下のとおり。
東京都中央卸売市場の動向(1月速報)
注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5ヵ年(平成19~23年)の旬別価格の平均値である。
資料:
東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量および価格」
1月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万1千トン、前年同月比101.5%、価格はキログラム当たり238円、同112.8%であった。
入荷量は、上旬はたまねぎ、にんじんを除く多くの品目で前年を上回ったが、中旬はきゅうり、ほうれんそう、トマト、なす、はくさい、にんじんなどで前年を下回り、下旬はキャベツ、レタス、さといも、だいこん、たまねぎ、トマトなどで前年を上回った。
価格は月を通して前年を上回って推移し、上旬は土物類を除く品目で、中旬は土物類、ねぎを除く品目で、下旬も土物類、にんじんを除く多くの品目で前年を上回った。
品目別には次のとおり。
(執筆者:東果大阪株式会社 福重 博美)
大阪市中央卸売市場の動向(1月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料:農林水産省「青果物卸売市場調査」
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5カ年(平成19~23年)の旬別価格の平均値である。
資料:
農林水産省「青果物卸売市場調査」