野菜需給部 調査情報部
7月は、8~11日頃にかけて九州北部から東北で梅雨明けとなり、平均気温は上旬は北日本、中旬は東日本において、それぞれ7月としては観測史上最も高い数値を記録するなど、各地で猛暑となった。中旬は後半になると日本海付近での太平洋高気圧の勢力が弱まり、台風6号が接近、20日には徳島県南部に上陸し、その後四国や紀伊半島などで局所的に記録的豪雨となった。
下旬は上空の湿った気流の影響により、北海道を除く地域でにわか雨や雷雨の日が続き、特に27日~30日にかけては大気の状態が不安定となったため、新潟県と福島県会津を中心に大雨となり、4日間の総降水量が平年の月間降水量の2倍以上に相当する記録的豪雨となった。
気温は、上中旬は全国的に高めで推移したが、下旬は北日本から西日本にかけて低かった。
降水量は、上旬は北日本日本海側と西日本で多く、東日本太平洋側では少なかった。中旬は北日本日本海側と東・西日本太平洋側で多かったが、東・西日本日本海側ではかなり少なかった。下旬は東日本で多かったが、北日本太平洋側と西日本では少なかった。
日照時間は、上旬は北日本太平洋側と東日本では多く、そのほかの地域は平年並みだった。中旬は全国的に多く、下旬は北日本で多かったが、東日本では少なかった。
7月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が11万9千トン、前年同月比96.7%、価格はキログラム当たり238円、同100.3%となった。
関東、東北及び北海道産が主体となり、生育は各産地ともおおむね順調で、入荷量は果菜類が前年に比べ少なめとなったものの、葉茎菜類、根菜類などについては前年並みとなった。価格は上旬は前年より高め、中下旬は前年を下回って推移した。
上旬は、野菜全般において前年を下回る入荷量となり、価格は前年を上回って推移した。一方、ばれいしょ、たまねぎ、にんじんなどについては、前年並~前年を下回る入荷量となったものの、価格は弱含みで推移した。
中旬は梅雨明け後晴れの日が続き、気温の上昇に伴い野菜全般において入荷量は回復傾向となり、前年を上回った。このため、価格は前年を下回って推移した。トマトは一時的に入荷量が伸びたものの、価格は引き続き高い水準を維持した。
下旬の入荷量は、気温が低めで推移したためピーマン、なすのほか、トマト、きゅうりなど果菜類において減少に転じた。価格は果菜類は堅調に推移したものの、入荷量が多かったにんじん、はくさい、キャベツなどで前年を下回る価格となり、野菜全体の価格は前年を下回って推移した。
レタス類は月を通して前年を上回る入荷量となり、価格は前年を下回って推移した。
品目別の詳細については以下のとおり。
東京都中央卸売市場の動向(7月速報)
注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5カ年(18~22年)の旬別価格の平均値である。
資料:
東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
【8月上旬の動向】
果菜類については入荷量が増加せず、引き続き価格は高めで推移したが、キャベツ・レタスなどの葉茎菜類・土物類・根菜類等において潤沢な入荷量となったことから、価格は弱含みとなり、前年を下回った。
7月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万3千トン、前年同月比98.4%、価格はキログラム当たり226円、同94.2%であった。
入荷量は、上旬はピーマン、たまねぎを除く多くの品目で前年を下回り、中旬はほうれんそう、さといもを除く多くの品目で前年を上回ったものの、下旬は果菜類、土物類、ほうれんそうにおいて前年を下回った。
価格は、上旬はにんじん、ばれいしょ、たまねぎなどを除く多くの品目で前年を上回ったが、中旬はきゅうり、なす、トマト、さといもなどを除く多くの品目で前年を下回り、下旬は果菜類、だいこん、さといもを除く多くの品目で前年を下回った。
品目別には次のとおり。
大阪市中央卸売市場の動向(7月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 農林水産省青果物卸売市場調査
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5カ年(18~22年)の旬別価格の平均値である。
資料:
農林水産省青果物卸売市場調査