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需給動向 1


東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(2011年6月)

~入荷量はほぼ前年並み、価格は果菜類を中心に堅調に推移~

野菜需給部 調査情報部


(1) 6月の気象概況

 6月は、梅雨前線や湿気を帯びた気流の影響により、西日本や北・東日本日本海側を中心に雨の日が多く、特に中旬は九州の各地で記録的な大雨となった。
 こうした影響から、日照時間は平年に比べ西日本ではかなり少なく、北日本日本海側と東日本太平洋側でも少なかった。月平均気温は全国的に高く、特に下旬には太平洋高気圧が強まり、全国的に晴れて暑い日が続いたことから、平均気温は6月としては観測史上最も高い数値を記録した。
 気温は、上旬は平年並みとなった。中旬も、低かった西日本を除いて全国的に平年並みで推移した。下旬には梅雨前線が停滞していた北陸・東北地方以外では晴れる日が多くなり、地域によっては猛暑日を記録するなど全国的に高かった。
 降水量は、上旬は梅雨前線が東シナ海から日本の南に停滞することが多かったため、西日本で多く、北日本で少なかった。中旬は梅雨前線が九州から本州南部に停滞し、依然として西日本で多く、東日本太平洋側でも多かった。下旬は梅雨前線が北陸から東北地方に停滞したため、北日本を中心に多かった。
 日照時間は、上旬は西日本太平洋側を中心にかなり少なかった。中旬は西日本と東日本太平洋側でかなり少なく、下旬は北日本日本海側を中心に少なかった一方で、東・西日本太平洋側ではかなり多かった。

(2)東京都中央卸売市場

 6月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格は、入荷量が12万7千トン、前年同月比97.3%、価格はキログラム当たり233円、同100.4%となり、価格は震災後初めて前年を上回った。
 入荷量は、上旬はだいこん、にんじんなど根菜類のほか、キャベツ、はくさい、ねぎなど葉茎菜類において前年を上回ったが、きゅうり、なす、ピーマンなど果菜類については、梅雨時期の曇雨天の影響を受け生育が停滞したことなどにより、前年を下回る入荷量となった。野菜全体の入荷量は前年並みであったものの、価格は前年を下回って推移した。
 中旬の入荷量は、にんじん、ピーマン、たまねぎなどで前年を上回り、キャベツ、ほうれんそうなどで前年を下回った。野菜全体の入荷量は前年並み、価格は前年をやや上回った。
 下旬には果菜類を中心に、春先の低温や梅雨入り後に曇雨天が続いたこと、特に東北の産地においては震災後の定植遅れなどの影響により生育に遅れがみられ、出荷の谷間となった。入荷量はきゅうり、なす、トマト、ピーマンなど果菜類のほか、レタス、キャベツなど多くの品目において前年を下回り、価格は前年を上回って推移した。
 一方、たまねぎは月を通して安定した入荷となり、価格は前年を下回った。
 品目別の詳細については以下のとおり。

東京都中央卸売市場の動向(6月速報)

注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」

指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

注  :

平年とは、過去5カ年(18~22年)の旬別価格の平均値である。

資料:

東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」

【7月上旬の動向】
 東・北日本の産地を中心に、梅雨の曇雨天や低温の影響により果菜類等において生育に遅れが見られ、入荷量が減少したため、上旬の価格は引き続き上げ基調となり、平年を上回った。

(3)大阪市中央卸売市場

 6月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万4千トン、前年同月比100.4%、価格はキログラム当たり223円、同99.1%であった。
 入荷量は、上旬ははくさい、キャベツ、ばれいしょを除く多くの品目で前年を下回り、中旬はにんじん、はくさい、ピーマン、さといもなどで前年を上回り、下旬はトマト、ピーマン、さといもなどを除く多くの品目で前年を上回った。
 価格は、上旬はきゅうり、ピーマン、さといもなどを除く多くの品目で前年を下回り、中旬は果菜類を中心に前年を上回り、下旬はにんじん、ばれいしょ、たまねぎを除く多くの品目で前年を上回った。
 品目別には次のとおり。

大阪市中央卸売市場の動向(6月速報)

注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 農林水産省青果物卸売市場調査

指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場

※クリックすると拡大します。

(単位:円/kg)

注  :

平年とは、過去5カ年(18~22年)の旬別価格の平均値である。

資料:

農林水産省青果物卸売市場調査


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