野菜需給部 調査情報部
5月は、太平洋高気圧の強まりにより梅雨前線が停滞し、西日本を中心に平年よりかなり早い梅雨入りとなったことから、全国的に降水量が多くなり、日照時間は少なかった。
中旬には台風第1号、月末には台風第2号の影響でまとまった雨が降り、特に月末は一部地域において記録的な大雨となった。
気温は、上旬は寒気を伴う低気圧の影響により、北日本を中心に低かった。中旬は台風第1号が通過した後は晴れる日が多く、北日本、東日本で平年並み、西日本では高かった。下旬は低気圧と梅雨前線の影響で曇天や降雨が続き、上空の寒気の影響も加わって全国的に低くなった。
降水量は、上旬は全国的に低気圧や前線の影響を受け、日本海側を中心に多かった。中旬は気圧の谷と台風第1号の影響で北日本日本海側と東日本太平洋側で多かったほかは平年並みとなった。下旬は梅雨前線と台風第2号の影響により、北海道を除く全国各地で多かった。
日照時間は、上旬は曇雨天が続いたことから全国的に少なく、中旬は晴れの日が続いたため多かった。下旬には各地で梅雨入りしたことから、全国的に少なかった。
5月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が13万7千トン、前年同月比101.3%、価格はキログラム当たり201円、同89.3%であった。
入荷量は、上旬はトマト、ピーマンなどの果菜類、にんじんやだいこんなど根菜類でも前年を上回る入荷量となったものの、はくさい、キャベツ、ほうれんそうなど葉茎菜類で前年を下回り、全体的には前年を下回る入荷量となった。価格は、高かった前年を大幅に下回った。
中旬は台風や降雨の影響により、多くの品目で前年を下回る入荷量となり、価格はにんじん、ばれいしょは前年を上回ったものの、多くの品目で前年を下回った。
下旬は、たまねぎ、トマトなど一部品目において潤沢な入荷となり、価格は前年を大幅に下回ったものの、きゅうり、なすなど果菜類の一部品目については、大雨やなり疲れなどの影響により入荷量が減少し、やや高値となった。全体的には上中旬より高めで推移し、依然として高かった前年を下回った。
出荷制限が大部分の地域で解除となったほうれんそうは、4月下旬には入荷量が増加したものの、5月に入ると再び減少に転じ、前年を大きく下回った。このため価格は下旬には前年を上回って推移した。
品目別の詳細については次のとおり。
東京都中央卸売市場の動向(5月速報)
注:平年比は過去5カ年平均との比較
資料:東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5カ年(18~22年)の旬別価格の平均値である。
資料:
東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
【6月上旬の動向】
梅雨の曇雨天と低温の影響により、果菜類を中心に生育の停滞が見られ、入荷量が減少したため、上旬の価格はやや上げ基調となり、平年並みとなった。
5月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万8千トン、前年同月比107.6%、価格はキログラム当たり190円、同87.2%であった。
入荷量は、上旬はレタス、トマト、ピーマンなどの多くの品目で前年を上回り、中旬はさといも、はくさい、たまねぎなどの品目で前年を下回り、下旬ははくさいを除いた品目で前年を上回った。
価格は、上旬はにんじん、ばれいしょ除く多くの品目で前年を下回った。中旬は、引き続き多くの品目で前年を下回ったが、下旬はほうれんそう、レタス、なすにおいて前年を上回った。月間で前年を上回った主な品目は、ばれいしょ、きゅうり、さといもなどであった。
品目別には次のとおり。
大阪市中央卸売市場の動向(4月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 農林水産省青果物卸売市場調査
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5カ年(18~22年)の旬別価格の平均値である。
資料:
農林水産省青果物卸売市場調査