東京都および大阪市中央卸売市場における入荷量・価格の動向（2010年５月）－月報野菜情報－需給動向

需給動向

東京都および大阪市中央卸売市場における入荷量・価格の動向（2010年5月）
～大型連休以降の好天により、価格は下旬に向けて徐々に落ち着く～

野菜需給部　調査情報部

（1）5月の気象概況

　5月の気象は、上、中旬は本州付近で移動性の高気圧に覆われ晴天となる日が多かったものの、北海道などでは、低気圧や寒気の影響により曇雨天となる日が多かった。下旬は全国的に低気圧の影響により、曇雨天となる日が多かった。一部の地域では大雨となった。
　気温は、上旬はほぼ全国的に平年を上回り、中旬以降は全国的に平年を下回った。
　降水量は、上旬はほぼ全国的に平年を下回り、中旬は北日本などを除き平年並みとなった。下旬は全国的に平年を大きく上回った。
　日照時間は、上旬は東日本を中心に平年を上回った。中旬はほぼ平年並みとなり、下旬は一部地域を除き全国的に平年を下回った。

（2）東京都中央卸売市場

　5月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が13万5千トン、前年同月比98.4％、価格はキログラム当たり225円、同101.6％であった。
　入荷量は、上旬はだいこん、にんじん、ほうれんそう、キャベツなどで前年を上回り、中旬以降はだいこん、ほうれんそうなどを除く多くの品目で前年を下回った。そうした入荷動向を反映して、価格は、はくさい、キャベツ、ほうれんそうなど葉茎菜類は前年を下回ったが、春先の天候不順の影響などから、ねぎ、ばれいしょ、たまねぎは高値で推移し、平年を上回った。
　品目別には次のとおり。

東京都中央卸売市場の動向（5月速報）

注：平年比は過去5カ年平均との比較
資料：東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」

指定野菜の卸売価格の推移（東京都中央卸売市場）

※クリックすると拡大します。

（単位：円/kg）

注　：

平年とは、過去５カ年（17～21年）の旬別価格の平均値である。

資料：

東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」

【６月上旬の動向】
　5月下旬は曇雨天の日が多かったことから、一部の品目では、後続の東北・北海道や高冷産地の生育が遅れ、端境期となり、入荷量は伸びなかったことから、6月上旬の価格は高めとなった。

（3）大阪市中央卸売市場

　5月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万5千トン、前年同月比93%、価格はキログラム当たり229円、同107%と、価格は前月に引き続き、5カ月連続して前年を上回った。
　入荷量は、上旬はだいこん、はくさい、きゅうり、トマトなどで前年を上回ったが、中旬および下旬はきゅうり、なす、トマト、ばれいしょなど多くの品目で前年を下回った。そのような中でレタスの入荷量は月を通して前年を下回り、価格は上旬には前年の2倍近い高値となったものの旬を追うごとに下がり、下旬には前年並みとなった。
品目別には次のとおり。