野菜需給部 調査情報部
4月の気象は、上旬は前線を伴った低気圧が頻繁に本州付近を通過したため、全国的に曇雨天となる日が多かった。中旬以降は、強い寒気が流れ込んだこともあり、全国的に低温となった。一部地域では積雪を観測した。
気温は、上旬は西日本を除き、全国的に平年並みとなり、中旬以降は全国的に平年を下回ったが、月を通して寒暖の差が大きかった。
降水量は、上旬は西日本太平洋側などを除き、全国的に平年並みとなった。中旬は、北日本の一部を除き、全国的に平年を上回った。下旬はほぼ全国的に平年を上回った。
日照時間は、月を通して全国的に平年をかなり下回った。
4月の東京都中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が12万2千トン、前年同月比91.7%、価格はキログラム当たり289円、同123.8%であった。
入荷量は、上旬はにんじん、ほうれんそうなどを除く多くの品目で、中旬はくさいを除く多くの品目で前年を下回った。下旬はさといも、にんじんなどが前年を上回ったが、なす、ピーマン、ばれいしょなどは前年を下回った。このような入荷動向を反映し、価格は多くの品目で、月を通して堅調に推移し、特にキャベツ類、レタス類、ピーマンは高値で推移し平年を大きく上回った。
品目別には次のとおり。
東京都中央卸売市場の動向(4月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 東京青果物情報センター「青果物流通年報・月報・旬報」
指定野菜の卸売価格の推移(東京都中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5カ年(17~21年)の旬別価格の平均値である。
資料:
東京青果物情報センター「東京都中央卸売市場における青果物の産地別入荷数量及び価格」
【5月上旬の動向】
4月~ 5月の大型連休にかけて、天候に恵まれ、生育停滞から回復傾向となった。このため、ねぎなどの一部の品目を除く、野菜全般で入荷量が増えたことから、卸売価格は全般的に下落した。
4月の大阪市中央卸売市場における野菜の入荷量および価格の動向は、入荷量が3万6千トン、前年同月比97%、価格はキログラム当たり266円、同118%と、価格は今年に入って、4カ月連続して前年を上回った。
入荷量は、上旬はほうれんそう、ピーマンなどで、中旬はキャベツ、レタス、きゅうり、なすなどで、下旬はなす、トマトなどで前年を下回ったものの、にんじん、ねぎなどは前年を上回った。また、だいこん、はくさいについては、月を通して前年を上回り、さといもは月を通して前年を下回る入荷となった。このような入荷動向を反映し、価格は多くの品目で下旬にかけて上昇した。
品目別には次のとおり。
(執筆者:東果大阪株式会社 柳原孝司)
大阪市中央卸売市場の動向(4月速報)
注: 平年比は過去5カ年平均との比較
資料: 農林水産省青果物卸売市場調査
指定野菜の卸売価格の推移(大阪市中央卸売市場)
※クリックすると拡大します。
(単位:円/kg)
注 :
平年とは、過去5カ年(17~21年)の旬別価格の平均値である。
資料:
農林水産省青果物卸売市場調査